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ノウハウ ワークフローシステムとは?導入メリットや方法を解説

更新日:2024年10月17日

投稿日:2021年05月28日

ワークフローシステムとは?導入メリットや方法を解説

ワークフローシステムとは?導入メリットや方法を解説

「上長の承認が取りづらくなり、業務が滞る…」こんなお悩みはありませんか?

紙での承認申請だと、オフィス出社していないと承認ができない、申請できないといった状態に陥り業務率低下を招きます。こういった状況を打破するため、オンラインで申請ができるワークフローシステムを導入検討する企業も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、ワークフローシステム導入のメリットや方法を解説していきます。おすすめのワークフローシステムもご紹介しますのであわせてご覧ください。

 

 

ワークフローとは

ワークフローとは一般的には「整理された業務の流れや仕事の順序のこと」を指します。具体的には、業務プロセスや仕事を整理することで、関わるメンバーが正しく順序を理解するために仕事のを流れを図示化したものを、ワークフローと呼ぶことが多くなっています。

ワークフローシステムとは

ワークフローは、業務で発生する社内の申請書の流れを電子化できるシステムのことです。

書類の作成・回覧、承認者による承認または却下・承認済みの書類の保管という一連の流れを、システム上で行えます。

 

紙ベースの運用とは違い、書類の郵送が不要かつ複数の人へ同時に共有でき、PCやスマホなどの端末があればどこでも申請の確認が可能です。

これにより、業務の大幅な効率向上などの効果を見込めます。

ワークフローシステムの主な機能

ワークフローシステムには、主に以下のような機能が搭載されています。

 

・申請・起票機能

・申請書のテンプレート機能

・承認機能(申請に対する承認などの操作、承認ルートの確認や変更など)

・承認期限や結果の通知機能  など

 

他にも、外部システムとの連携や業務プロセス・工数・予算実績の管理機能が搭載されたシステムもあります。

単に申請と承認を行うだけでなく、業務フローの効率化を促進させる付加機能を備えたシステムは多いです。

ワークフローシステムの導入企業が増加

近年導入が簡単なSaaS型システムの登場や新型コロナウイルスの拡大など社会的な情勢からワークフローを円滑に進めることができるシステムの導入や検討が進んでいます。

 

ワークフローシステムの多くは業務の中で稟議書や契約書、申込書の「社内承認フロー」を電子化することを目的としている場合が多いため、「稟議システム」や「電子決裁システム」とも呼ばれています。 

ワークフローシステムの導入目的

企業がワークフローシステムを導入する目的としては、以下の4つが挙げられます。

1.SaaSの隆盛

SaaS(Software as a Service)とは、これまでパッケージで販売されてきたソフトウェアが、インターネットを経由して利用できるクラウドサービスとして販売されている形態を指します。

 

2020年現在、Saas市場は年々拡大しており、サービスカテゴリも多岐にわたっています。もそのため、組織や企業のニーズに合わせて最適なSaaSを企業が選択することができ流ようになりました。

 

ワークフローシステムについても近年多数のSaaSサービスが台頭しているため、効率化したい業務内容を鑑みながら最適なシステムを導入することができます。

2.リモートワーク主体

コロナウイルスの流行が依然として続いていることに加え、労働力人口の減少に伴い「働き方改革」の重要性が高まる現代において、リモートワークは重要な取り組みです。

 

しかしリモートワークへ移行するとなれば、従来はオフィスで行っていた紙の申請書による申請・承認フローを、いかに調整するかがネックとなります。

会社によっては、せっかくリモートワークを導入しても申請・承認のために従業員が出社を強いられる場面も出てくることでしょう。

 

そのような課題の解決策として、オンラインで場所を選ばず、書類作成から承認までの業務を完結できるワークフローシステムの導入が有効です。

3.ペーパーレス化

環境保護やCO2削減、印刷/人件費などコスト削減の理由によりペーパーレス化が推奨されています。国税関係の帳簿類や証憑類の電子データによる保存方法を定義する電子帳簿保存法はどんどん緩和され、キャッシュレス化対応のため、クレジットカード支払い等は利用明細をそのままデータ保存できることになりました。

 

これまではクレジットカード等の利用明細も紙に出力し、スマホで撮影しPDF化の後、タイムスタンプの付与というフローが必要でした。これからは電子帳簿保存法に対応した経費精算クラウドサービスを導入していれば、クラウドサービスにデータを保存するのみで完了します。

 

脱ハンコも唱えられている現在、社内の紙の申請書に押印して回すというフローは時代に逆行しているのです。

 

【関連記事】電子帳簿保存法改正とは?要件、対象の事業者などをわかりやすく解説

4.ガバナンスリスクへの対応

紙でインターネットの普及に伴い、SNS上で炎上が発生したり社員の不祥事が拡散されるなど、企業のレピュテーションリスクが上がっている現在では、そうした不正を事前に発見し早期対応するためにも、ガバナンス強化は急務と言えます。

ワークフローシステム導入で効率化する業務内容

ワークフローシステムで解決できる業務には承認申請業務、契約業務などがあります。

具体的に、業務がどのように解決するのか説明します。

承認申請業務

たとえば消耗品発注であれば、「社員が購買申請を書く」→「上司に提出する」→「上司が承認印を押して管理部門に渡す」→「管理部門が承認印を押して総務部員に渡す」→「総務部員が発注する」というフローになります。

 

 

 

 

契約業務

契約業務であれば、「営業担当者が契約書のドラフトを作成」→「上司に提出」→「上司が承認印を押して法務部門に渡す」→法務部門が「契約書のレビュー」または「契約書に承認印を押して」営業担当者に渡す→「営業担当者が締結する」という形になります。

 

契約業務の場合値段の大きさによって分岐が設けられている場合もあります。例えば100万円以上の場合は承認者に法務部長が加わるなどです。

 

 

 

 

ワークフローシステム導入後

これが電子化された場合には、申請者は一元化されたプラットフォームから申請フォームの内容を記入して送信し、承認者は自身のデバイスで承認ボタンを押せます。

 

契約業務であれば、金額を記入することにより自動で承認ルートが決定され、該当のルートの人物に承認依頼がきます。そして承認者が承認ボタンを押せば締結に至れるという流れになります。

 

 

 

契約承認申請をワークフローシステムで業務効率化

承認過程

まず自分のする申請がどの承認ルートを選択すべきか確認する手間が省けます。金額等の情報を入力すれば自動的に承認ルートが決定されるからです。

 

申請書の作成段階でも、書式を探したり、法務部員に聞いたりする必要もありません。フォームの指示に従い記入すれば抜け漏れなく申請でき、記入ミスによるやり直しが生じることはありません。

 

締結時点の効率化

ワークフローシステムを入れていても紙締結の場合、紙に出力して製本、押印し相手方に郵送という手順になります。

 

そこで電子締結システムとワークフローシステムが一体化されていれば、承認が得られた直後、システムを跨ぐことなく締結まで一気通貫にできます。

 

生産性向上

また、契約業務とは契約書の文面だけでは判断できません。このため文面について、営業担当者に経緯を踏まえて補足説明を求めたり、意図を確認したりするコミュニケーションが避けられません。

 

ワークフローシステムであれば、申請と共に補足事項を添付して送りやすく、わざわざコミュニケーションのために聞きに行ったり、メールの返信を待ったりする必要がありません。承認依頼と補足事項がセットになっていて確認しやすいため、口頭で交わした内容を思い出したり、メールから情報を探したりする手間も省けます。

 

誰のところで承認が止まっているのかも一目瞭然であるため、他の承認者に確認するコストもかかりません。

 

このように一つ一つは小さい手間だとしても、積もると大きな時間的コストとなっていた部分を省き、業務効率化、生産性向上できます。

 

業務効率化に関するアイディアについては、以下記事でもご紹介しています。 

ワークフローシステム導入のメリット

時間短縮

ワークフローシステム導入後は上記のような紙の申請書のデメリットがなくなります。

 

書き損じによるやり直し、書類紛失による遅延がなくなることなどはもちろん、承認ルートが自動的に決定されるため、初動が早くなります。

 

離席/休暇中であっても、承認先のデバイスに承認依頼が通知されるため、オフィスにいないため業務が進まないということがなくなります。自分のスタイルに合わせて働きやすくなるため、働き方改革の方針に沿うことができます。

 

承認後は自動的にデータベースに格納されるため、消耗品購入についてや、契約書の情報を、再度エクセルに入力するなどの業務は不要となります。

 

内部統制強化

「誰が」「いつ」「どの事項について」承認したか、ワークフローシステムでは自動でログが記録されていくため、内部統制の強化につながります。

 

契約書に関するワークフローと電子締結システムが一体である場合、承認を得なければ締結できないという形式になります。

 

従来の押印は、物理的に厳重に保管されているため勝手に権限のない社員が契約を締結することはできないという前提のもとに、社内の稟議を通ったと担保をしていました。これに対して、電子締結は誰でもボタンが押せるため、無権代理のリスクがあり、契約締結したつもりが締結できていなかったという事態が生じる懸念がありました。

 

ところが上記の一体となったシステムでは、承認者の承認ボタンを得なければ締結不可能であるため、むしろ押印よりも無権代理のリスクがなくなると言えます。

 

業務プロセス改善

また、ワークフローシステム導入の際には、ワークフローが整理され、可視化されていなければなりません。この過程で、従来不透明であったボトルネックがあらわになります。その結果ボトルネックを解消しさらに効率的な業務プロセスを目指すことができます。

 

そしてワークフローシステム運用中にもさらなる業務改善を目指すことができます。

ワークフローシステムのデメリット

ワークフローシステムには様々なメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

既存の業務フローに合わせて最適化が必要

ワークフローシステムを利用するにあたって、まずは申請フォームの作成や承認ルートの設定と言った準備が必要です。

また、自社で使用している申請書の項目に合わせてテンプレートを編集したり、イレギュラーな申請・承認に対するアラート設定も必要な場合があります。

 

ワークフローシステムは導入すれば即時活用できるわけではなく、自社の業務を考慮のうえ最適化しなければかえって現場が混乱しやすくなります。

 

スムーズな運用を実現するため、導入後の設定に手間をかける必要がある点はデメリットです。

既存のシステムと連携できない可能性がある

ワークフローシステムによって、外部システムと連携ができるかどうか、どんなシステムと連携できるのかは異なります。

すでに自社で使用しているシステムと連携できないワークフローシステムを選ぶと、データを流用できず手入力での操作が必要となり、かえって業務の効率が低下します。

ワークフローシステム導入手順

ワークフローシステムを導入するまでの基本的な流れは、以下の通りです。

 

1 現状の業務フローから課題点を洗い出す

2 洗い出した課題点を元に改善策を検討する

3 システムの設定・メンテナンス担当者を決定する

4 システム導入後の業務フローを決定する

5 改善策の実行が可能な機能を備えたワークフローシステムを選定する

6 システムの初期設定を行う

7 システムをテスト導入する

8 従業員への研修を実施する

9 利用開始

 

また、導入後も現場に対し定期的なヒアリングを行い、意見を取り入れながら運用体制の最適化を続けていきましょう。

ワークフローシステム導入のポイント

ワークフローシステムの導入にあたって、特に重要なポイントは以下の4つです。

導入の目的を明確にする

ワークフローシステムはあくまで自社が抱える業務上の課題を解決するための手段であり、導入そのものを目的とするのは望ましくありません。

「ペーパーレス化でコスト削減につなげたい」「申請・承認フローの無駄を削減して業務効率化につなげたい」など、明確な目的を立てなければ自社に合ったシステムを探し出すことは困難です。

そのためにも、まずは現場の声を聞くなどして現状の業務フローに潜む課題・ムダを見つける必要があります。

従業員へのフォローを怠らない

利用するワークフローシステムが決定したら、いきなり現場に導入するのではなく現場の従業員に対するアナウンスと研修も実施しましょう。

従業員の間でシステムに対する理解を深めないと、現場にシステムが浸透せず導入した意味がなくなってしまいます。

 

また、リモートワークを実施している場合は出社している従業員とリモートワーク中の従業員との間に理解度の差が出ないように、別途アナウンスの機会を設けるなどの工夫が必要です。

ワークフローシステム選びの注意点

失敗原因

上記のようにコストをかけた結果ワークフローシステム導入が失敗とならないためには、自社の業務にあったシステムを選ぶことが大事です。

 

自社業務とのミスマッチ

カスタマイズが自由にできなかったり、外部との連携ができなかったりすると、今までのオペレーションとは違ってしまいストレスがたまります。

 

直感的な操作ができないと、使うたびに負荷がかかり、積もり積もって大きな不満となります。そして結局「前の方が便利だった」と言われてしまい、時間と金銭のコストをかけたのに思うような効果が得られないという失敗の結果に終わってしまいかねません。

 

事前準備不足

また入れたはいいものの、当初の目標設定や現状把握が不十分であったため、ワークフローの挙動が業務に適合していなかったという例もあります。ワークフローシステムは複雑な設計であるため、不十分な設計で稼働しだすと申請業務が滞りストレスとなります。

 

オンプレミスとクラドの仕組みを理解する

オンプレミス型とは、システムの構築・運用を自社でするタイプです。自社に合わせてシステムを構築できるためカスタマイズ性は高く、業務に合ったものを作れます。ただし、初期費用が高く、開発・メンテナンス・運用を自社で行わなければならないというデメリットもあります。

 

一方、クラウド型は、事業者がインターネット経由でシステムを提供するものです。ネット環境さえあればどこからでもログインができ、初期費用が安いのが魅力です。アップデートや障害が起きたときの対応を自社で行う必要もありません。しかし、カスタマイズ性はオンプレミス型よりも劣るというデメリットもあります。

 

【関連記事】オンプレミス型とは?セキュリティに特化してクラウド型と比較

カスタマイズしやすいか確認する

カスタマイズは人事異動などの度に必要となります。カスタマイズにプログラミング知識がいるとなると、一部の人に負担が偏ることになります。そこで誰でもカスタマイズしやすいUIの物を選びましょう。

 

その他、上記の失敗原因を踏まえて、既存のシステムとの連携はできるか、誰でも直感的に操作できるかをチェックしましょう。

 

まとめ

ワークフローシステムは業務効率化や生産性向上のみならず、ニューノーマルな働き方の実現のために大きく役立つものです。

 

しかし業務と深く結びついているものであるため、システム選びの際には事前準備や注意をしなければいけません。導入するシステムを迷った場合ご紹介したシステム選びの観点や、製品を参考にしてみてください。

 

【関連記事】電子契約システムのワークフロー機能とは?役割と機能を解説