ノウハウ ContractS CLMが考察するAfterハンコの契約マネジメント
更新日:2024年10月17日
投稿日:2021年01月29日
ContractS CLMが考察するAfterハンコの契約マネジメント
※本記事は朝日インタラクティブの運営するWebメディア CNET Japanに、2021年1月27日に掲載された寄稿記事を構成を変えて転載しています。
↓「Afterハンコ」時代に契約マネジメントを実現し、契約業務時間やコストを下げる実例とは?↓
行政によるペーパレスの推進や、テレワーク導入企業の増加に伴い2020年「脱ハンコ」はトレンドワードになりました。
ハンコをやめ、契約書を電子化したり電子締結を推進することで、契約業務は本当に効率化するのでしょうか。
本記事では、契約マネジメントシステム ContractS CLM を提供する企業として、Afterハンコ時代における契約業務のあり方について考察し、紹介します。
法務業務に携わっている方はもちろん、契約管理を実現するシステムや電子締結システムを導入検討している方もぜひご覧ください。
「Afterハンコ」時代にクラウド上での契約マネジメントを実現した秘訣とは?
契約書の作成だけではなく承認回覧や製本・捺印など、様々な作業が発生する契約業務。そんな契約業務のための出社をニューノーマルな時代でも続けていませんか。また、契約内容の確認で閲覧が必要なとき、会社のキャビネットを開けて1つ1つ紙の契約書を確認していませんか?
契約マネジメント体制をクラウド上に整えることで、「Afterハンコ」時代に適応し、業務時間や業務コストの削減に成功した事例をご紹介します。
ContractS CLM 活用事例集
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テレワークで浮き彫りになった契約業務の課題
新型コロナウイルスの拡大をきっかけに広がったテレワークの推進により、企業の契約業務に関する課題も浮き彫りになりました。
ContractSが2020年4月に実施した「テレワーク時の契約業務に関する実態調査」(※1)において、テレワークだと「不便である」と感じた主な契約関連業務は、
1. 契約内容の条件交渉・コミュニケーションに時間がかかる(53.2%)、
2.契約書のサイン・押印に手間・時間がかかる(39.8%)、
3.社内外の承認に待ち時間がかかる(36.6%)
との結果が得られています。
また、契約業務にかかる時間について、33.8%の人が、テレワーク実施前と比べて増えたと回答。うち約半数(49.5%)が、「案件数は増えていないが1案件あたりに要する時間が増えている」と答えており、テレワークによって、契約業務の非効率が発生していることが明らかになっています。
これらの結果からも、契約領域においては、ハンコのデジタル化に加えて、条件交渉やコミュニケーションをリモートで円滑に行うための環境設計や、確認や承認フローの構築など、契約にまつわるプロセス設計を含めた課題解決への取り組みが必要であることが伺えます。
このように、2020年は契約業務の課題が浮き彫りになった年でした。
(※1)2020年4月実施の自社調査結果より「テレワーク時の契約業務に関する実態調査」を実施 ~9割以上のビジネスパーソンが「契約業務を不便」と実感。約5割が「契約書の押印・送付」のため、やむを得ず出社を経験〜
https://www.contracts.co.jp/news/press-release/2535/
本質的な契約課題とは
2020年は「脱ハンコ」が注目ワードとなり、ハンコがなくなれば契約に関する課題が解決するような論調も一部ではありました。しかし、上記で述べたとおり、ハンコをなくすだけでは、本質的な契約課題は解決しません。以下で本質的な契約課題について整理していきます。
まず契約業務は、以下の3つの領域から成り立っています。
1.適切な締結
作成・交渉・レビュー・承認・締結などのプロセスを経て、契約を発生させる
2.適切な履行
発生した契約に定められた権利を実行する、または義務を果たす
3.適切な契約管理
契約書の文書管理や権利義務の管理に加え、発生した契約が現在どのような状態にあるかのステータス管理を含む
押印のプロセスは「1.適切な締結」の最後の部分にあたります。
つまり、ハンコをなくすだけでは、「1. 適切な締結」を実現するための一部の課題解決にしか寄与しません。ハンコがなくなったとしても、他の多くの契約プロセス・領域で生じる課題は残ったままになるのです。
では、契約業務の本質的な課題とは何でしょうか。
ContractSが考える契約の3つの領域共通の課題は、以下の3つであると考えます。
1.複数部署が関わり、関係者が多い
例えば、契約の締結は事業部が行い、契約内容は法務部のチェックを受け、支払い処理は経理部が対応するなど、契約業務には多くの部署が関わり、多くのステークホルダーが関与します。
2.多くの工程が発生し、煩雑になりやすい
一度でも契約業務に関わったことがある方は想像していただけると思いますが、契約業務は、契約書作成・交渉・レビュー・承認・締結・契約書の送付・契約書のファイリングなど、関連業務を含めると、多くの工程が発生し、抜け漏れやトラブルが発生しやすい業務です。
3.契約に関する情報が可視化されていないため属人的になりやすい
従来の紙をベースとした契約管理や、オンラインストレージを活用した電子契約管理では、契約に関する全ての情報を可視化することは難しく、現状のステータス管理や、メールでやり取りされた合意形成の背景など、契約書に記載されていない関連情報の把握が困難な場合も多いでしょう。そのため業務が属人化しやすく、ミスの発生や引継ぎ時の手間が生じやすい問題があります。
そして、これら3つの本質的な契約の課題によって、「契約関連情報・契約プロセスが可視化できていない」「法務業務が非効率で時間がかかる」といった現場の困りごとが生じています。
契約にまつわる現場の困りごとを解決するために必要な観点
では、こうした契約業務の本質的な課題を理解し、現場の困りごとを解決するためには、どうすればよいでしょうか。ContractS CLMは、契約業務を最適化し、生産性向上を実現するためには、以下2つの観点が必要であると考えています。
- 契約関連情報・契約プロセスを可視化できる「契約プロセス構築」
- 法務業務を効率化する「契約管理」
1.契約関連情報・契約プロセスを可視化できる「契約プロセス構築」
まず、「契約関連情報・契約プロセスが可視化できていない」という困りごとを解決するためには、自社に最適な契約プロセスの構築が必要です。
たとえば、多数の契約が発生する事業においては、契約書の法務レビューはワークフローツールを使い、締結は紙の契約書で実施、保管は契約書をスキャニングしてExcel台帳にて管理など、様々なツールを組み合わせて契約管理を行うケースも多いと推測されます。
しかし、こうした煩雑なフローでは、契約プロセスの可視化が困難となり、重要な契約書の更新締結漏れや管理不備のリスクが生じます。そこで、相互に関連する複数の取引先との契約や、その締結前後に発生する業務なども含めた業務プロセスの課題を洗い出し、最適な契約プロセスを再構築することが必要となります。
2.法務業務を効率化する「契約管理」
次に、「法務業務が非効率で時間がかかる」という困りごとを解決するためには、最適な契約管理が必要です。そのためには、ガバナンス上必要な契約書の適切な管理体制を整えるだけでなく、関係者が契約にアクセスしやすい環境(契約がどうなっているのか分かる、契約書がどこにあるのか分かる)の整備が必要となってきます。
また契約書については、現在Excelや契約書管理台帳で管理している企業も多いですが、こうした管理では履行の期日・更新の期日等を見落とす可能性が生じ、最適な契約管理としては不十分です。契約管理システムを活用することで、こうした見落としを防ぎ、最適な契約管理体制を構築することが可能となります。
契約の本質的な課題解決に必要な「契約マネジメント」
上記でご説明した「契約プロセス構築」と「契約管理」をワンプラットフォームで実現するソリューションが、契約マネジメント(Contract Lifecycle Management, CLM)システムです。
契約マネジメント(CLM)システムを導入すれば、最適な契約プロセスの構築と、発生・更新・変更・終了という契約のライフサイクル全ての一元管理をオンライン上で行うことが可能です。
契約マネジメント(CLM)システムの活用を通して、企業は契約の本質的な課題を解決し、契約関連業務の効率化と生産性向上を実現できるようになります。
ContractS CLM について
ContractS CLMは「世の中から紛争裁判をなくす」という志のもと、契約の本質的な課題解決を通して、権利義務が自然と実現される未来を目指しています。
ContractS CLMが提供する「ContractS CLM」は、最適な契約プロセスの構築と契約管理を実現する、国内初の契約マネジメント(Contract Lifecycle Management, CLM)システムです。「ContractS CLM」による最適な契約マネジメントを通して企業の契約業務効率化と生産性向上を支援します。
具体的には、契約書作成、法務相談、押印申請、締結、保管、ステータス管理など、事業部から法務部まで様々な部署が関わる複雑な契約業務を、迷わずもれなく行うことが可能です。
また、「ContractS CLM」を用いれば、締結済みの契約書のドキュメント管理や更新管理に加え、締結前の契約書のステータス管理から契約書の変更・更新の履歴まで、最適な契約管理の実現が可能となります。
是非ご興味を持っていただいた方はお問い合わせをお待ちしています。
おわりに
このように、契約の本質的な課題を解決するためには、「契約プロセス構築」と「契約管理」という2つの視点が重要となります。プロセス構築は、契約領域のみに留まらず、行政領域や管理領域、営業領域など全ての領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するために、不可欠な視点です。
たとえば、アメリカはサイン文化だが、DocuSignのような企業がコロナを機に株価を4倍ぐらい上げています。そして、多くのCLMプロダクトが登場し、ユニコーン企業が出現しています。
つまり、こうしたプロダクトが世界で必要とされる理由を考えた時、ハンコが問題の根本ではないことは容易に想像できますね。
こうした世界の潮流を鑑みても、契約のプロセスと本当に向き合う「アフターハンコの時代」が必ず来るとContractSは考えています。日本でもリモートワークの増加により、契約プロセスをしっかり構築することの重要性がより増してきているからです。
契約業務というのは、リレーだとContractSは考えています。。多くの企業で契約業務は、関係者間のバトンパスを通して進めていくものです。しかし、リモートワークが定着すると、より情報のバトンは渡しづらくなるので、リモート時代の方がより契約プロセスの構築が重要となっていきます。
そして、適切に設計したプロセスに沿って行われる契約業務を、クラウド上で管理・可視化することで、関係者がいつでも必要な情報にアクセスすることが可能となり、ビジネスの機会損失とリスクを減らす、最適な契約マネジメントを実現できるのです。