ノウハウ テレワークの課題と導入メリット【14の問題と解決策】
更新日:2024年10月17日
投稿日:2020年09月4日
テレワークの課題と導入メリット【14の問題と解決策】
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、多くの企業がテレワークの導入を進めています。この記事では、テレワーク導入における課題とその具体的な解決方法を紹介します。
契約書の作成だけではなく承認回覧や製本・捺印など、様々な作業が発生する契約業務。製本や捺印のための出社をテレワーク化でも続けていませんか。また、契約内容の確認で閲覧が必要なとき、キャビネットを開けて1つ1つ確認していませんか?
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テレワークを開始をしたのに中止した企業が26.7%も!課題や問題点とは?
ここ最近、急速に進んでいるテレワーク。働き方改革が以前から叫ばれていたことも影響して、新型コロナウイルス感染症の拡大を機にでテレワーク導入に踏み切った企業が急速に増えています。しかし、「株式会社東京商工リサーチ」の調査によると、26.7%の企業がテレワーク導入後に中止しています。特に中小企業においては、テレワーク実施率が伸び悩んでいるようです。
(参照元:第6回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査)
では、テレワークにおける課題はどのような点なのでしょうか。ContractS株式会社が実施した、「テレワーク時の契約業務に関する実態調査」では、以下のような課題が浮き彫りになりました。
・コミュニケーション不足
・業務のメリハリがつけづらい
・紙の書類をすぐに確認できない
(参照元:テレワーク時の契約業務に関する実態調査)
また、Googleの調査によると、テレワーク継続のための優先課題が企業規模によって異なることがわかりました。大企業では、ツールやシステムの拡充、中規模企業ではベーバーレス化、小規模企業ではセキュリティ対策が望まれているようです。
(参照元:テレワークで「生産性が上がった」のはどんな人、企業?:3000 人に聞いた今・これからの働き方)
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以下では、これらを含め、テレワークの導入や継続における課題点をグループごとに解説します。
業務上の課題
従業員間・部門間で不公平感が生まれる
1つの企業内でも、テレワークがしやすい部門とそうではない部門があります。そのため、テレワークを行えない部門で働く従業員が不公平だと感じる恐れがあります。
テレワークに向いた業務がない
業種・業界によっては、テレワークの導入自体が難しい企業もあります。たとえば、製造業、接客業・販売業、医療業・福祉業、運送業や建設業などがその一例です。しかし、このような企業でも経理・人事・総務などのバックオフィス部門なら、在宅勤務に切り替えられる可能性があります。
生産性が下がる
生産性が下がる場合があることも課題の1つです。「Unipos株式会社」が実施した一般社員553人に対する調査によると、「チームの生産性が低くなった」と答えた従業員は44.6%、また「上司や同僚の様子がわかりづらい」と答えた従業員は48.4%に上ります。
(参照元:【緊急事態宣言の延長検討に伴う上場企業800名調査報告】 テレワークで社員の44%が「チームの生産性が低下」 ー管理職の半数以上が「部下の仕事ぶりが分かりづらい」ー)
▶︎▶︎【生産性向上について詳しく知りたい方はこちら】仕事における生産性とは? 生産性向上のための取り組み方
人事評価や人材育成がしにくくなる
人材評価や人材育成は、会社の成長に欠かせません。しかし、テレワークでは気軽に質問をしたりフィードバックをしたりすることが難しいのが現状です。上司も部下の働きぶりを確認しづらくなります。結果、上司側が人事評価や人材育成に困るという課題も多く見られます。
商談機会の減少
テレワークを実施していない企業との商談機会を失う可能性があります。アイティメディア株式会社によるアンケート調査では、テレワークの課題として「外部(顧客やパートナー)との商談機会減少」を挙げた人は27%に上ります。
(参照元:在宅勤務で浮き彫りになる課題 理想のテレワーク環境を構築するには?)
稟議や決裁、契約締結などの遅延
オンラインによるワークフローシステムが整っていないままテレワークに移行すると、上司や取引先からの承認に時間がかかります。承認のために、わざわざ出社をしなければならないケースもあり、生産性が低下します。
▶︎▶︎稟議書の電子化に伴う業務迅速化についてはこちらの記事で紹介をしています。
セキュリティ上の課題
テレワークでは、それぞれの従業員が自宅で資料を保管し、持ち運びに便利なノートパソコンなどを使用することがほとんどです。パソコンに対するウイルス攻撃やパソコン自体の紛失、不正アクセスなどにより情報漏洩が起きることがあります。
コスト上の課題
新たにテレワークを導入する場合、必要なシステムや機器の準備にコストがかかります。主に必要となるのは以下のようなものです。
・パソコンやタブレットなどの情報端末
・Wi-Fiなど通信環境(各従業員の自宅に整備)
・勤怠・労務管理ツールやWeb会議ツールなどのクラウドツール導入
・オンライン上で確認できる資料(ペーパーレス化)
▶︎▶︎【ペーパレス化について詳しく知りたい方はこちら】ペーパーレス化は本当に必要? 事例から学ぶメリット・デメリット
準備や運用における課題
テレワークできる環境が整備されていない
テレワークをするには、サテライトオフィスを準備するか、自宅にテレワークできる環境を整えなければなりません。特に自宅の場合、Wi-Fiなどの通信環境やパソコン、長時間の業務に適した机と椅子、静かな部屋など、必要なものが多くあります。
コミュニケーションが希薄になる
オフィスで近くにいる同僚に、少し話しかけるといった気軽なコミュニケーションが取りづらいのが、テレワークの大きな課題といわれています。コミュニケーション不足によってチームワークの悪化や生産性の低下、さらには組織力の低下、企業文化の毀損にもつながりかねません。
プロジェクトやタスクの進捗管理がしづらくなる
テレワークでは、リアルタイムでのチームメンバーの進捗状況が把握しにくいことがあります。そのため、自分に今求められているタスクがわかりづらく、管理責任者も指示やアドバイスが難しくなり、プロジェクトの進行に支障をきたしかねません。
自己管理が難しい-サボる従業員、働きすぎの従業員がでる
「株式会社ビズヒッツ」の調査によると、リモートワークをしたことのある従業員(正社員6割以上、そのほか契約社員、パート・アルバイトなども含む)961人のうち、13.9%が頻繁にサボった、49.4%がたまにサボったと答えています。
(参照元:リモートワークで困っていることランキング!男女961人アンケート調査)
一方で、労働時間とプライベートな時間の線引きが難しくなり、過剰労働となってしまう従業員が出てしまいやすい点も問題です。
(参照元:テレワークは長時間労働を招くのか ―雇用型テレワークの実態と効果―)
労務管理が難しい-労働実態を把握できなくなる
テレワークでは、業務の開始と終了時間がわかりづらく、実際の労務実態を把握しにくいことも課題です。基本的にテレワークは成果で評価されることがほとんどのため、成果を出すためにサービス残業が増える懸念もあります。
運動不足により健康被害が起きる可能性
テレワークによるメリットの1つに通勤時間の短縮がありますが、裏を返せば運動不足に陥りやすくなります。運動不足が積み重なると、肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧など、生活習慣病のリスクが増加します。
テレワークの問題点やデメリットを解消する方法7選
上記では、テレワークにおける課題を紹介しました。ここでは、課題解決のためのツールや方法を紹介します。
1:コミュニケーションツールの導入
コミュニケーション不足は生産性の低下や会社への帰属意識を弱めます。そこで、離れた場所にいても、今までどおり気軽に話せるコミュニケーションツールが必要です。いろいろな製品がありますが、ここではその代表的なものをいくつか取り上げます。
オンライン会議システム
主にインターネットを通じてのビデオ通話で、会議を行うためのツールです。社内やチーム全体の情報共有に欠かせません。
・「Zoom」
テレワーク普及に伴って急激にシェアを伸ばしています。無料版でも100人同時接続ができ、気軽に導入可能です。バーチャル背景やグループ分けの機能もあります。
・「Microsoft Teams」
Microsoft社の提供です。「Microsoft 365」に含まれており、ほかのOffice 製品とも連携ができます。最大で1万人の会議を開けるのも特徴です。
・「Cisco Webex Meetings」
ファイルを共有できるだけでなく、リアルタイムで書き加えられます。
ビジネスチャット
社員同士で気軽な会話をするために役立つコミュニケーションツールで、SNSのように使えます。
・「Slack」
世界150ヵ国以上の企業で導入されていて、個人やチームごとにやり取りができます。さまざまなタイプのファイルの共有も簡単です。
・「チャットワーク」
日本のChatwork株式会社が提供するツールで、セキュリティ対策に優れています。「TO」機能を使えば、相手にメッセージの確認を促せます。
・「Microsoft Teams」
ビジネスチャットツールとしても利用できます。「Microsoft 365」を導入済みの企業にとっては特に使いやすいでしょう。
スケジュール管理、グループウェア
社内での情報共有のために複数の機能が搭載されたビジネスツールです。スケジュールや掲示板、タイムカード、メール、チャットなど、業務で使用する複数のツールを1つにまとめられます。
・「G Suite」
Googleが提供しているツールで、Gmailやドキュメント、スプレッドシートなど、ビジネスでよく使うアイテムが1つに集約されています。
・「サイボウズOffice」
中小企業から多く利用されています。スケジュール共有やワークフローなど、必要な機能が揃っています。
情報共有用ツール
社内でいままでに蓄積された情報を集約して共有するためのツールを情報共有用ツール、もしくは社内wikiといいます。
・「esa」
情報をとにかくまず共有し、その後修正を加えて、正確な情報が完成したら整理するというコンセプトのツールです。
・「Kibela」
ブログを書くように手軽に情報を共有したい場合におすすめです。5人までなら無料で利用できます。
・「Confluence」
大規模ユーザーでの利用におすすめです。プロジェクト管理ツールの「Jira」や、タスク管理ツールの「Trello」と連携もできます。
オンライン商談ツール
テレワークでの商談に力を発揮するのがオンライン商談ツールです。取引先に電話をかけたときに、感触がよければそのままWebで商談に移れます。
・「ベルフェイス」
画面に名刺情報を表示したり、商談の内容を録画したりと、商談に便利な機能が揃っています。
・「B-Room(ブルーム)」
品質の高い画像や音声、複数拠点からの同時接続が特徴で、実際に訪問したときのような質の高い商談が行えます。音声自動テキスト化も可能です。
・「Mee2box(ミーツボックス)」
PDF、Word、Excel、Powerpointなどの営業資料の共有ができる上、音声の自動テキスト化機能もあります。
プロジェクト・タスク管理ツール
チーム全体やメンバーごとの進捗状況を一目で把握でき、チームでの作業を円滑に進める助けになります。
・「Asana」
タイムライン機能やタスク整理機能が特徴です。操作性がよく、初めてでも使いやすいでしょう。
・「Backlog」
ベンチャー企業から全国版新聞社まで、幅広く利用されています。ガントチャートなどを簡単に作成できるほか、グラフ化して分析するのにも役立ちます。
・「Trello」
チームで1つのボードを共有するツールです。タスクを貼り付け、完了したらドラッグして完了ボードに移動させます。
・「Jira Software」
細かくタスクの進捗状況を管理するのに向いています。多くの機能が搭載されており、使いやすいようにカスタマイズできます。
ファイルストレージ
資料をオンライン化したときに必要になるのが、保存のためのファイルストレージ(オンラインストレージ)です。データのバックアップも自動で行ってくれるため、資料を適切に保管できます。
・「Box」
セキュリティ重視の企業におすすめです。容量無制限のため、社内の膨大な資料を1つにまとめられます。種々のアプリとの連携も可能です。
・「Dropbox」
世界的なシェアを誇り、動画などの大きなファイルも簡単に管理できるのが特徴です。スマホでも社内資料を確認可能です。
2:クラウド勤怠管理ツールの導入
労務管理が難しいテレワークでは、クラウドで勤怠をチェックできる勤怠管理ツールを導入するのがおすすめです。どこからでも出退勤できるほか、残業時間や出勤日数を一目で確認できます。また、給与管理システムと連携すれば、スムーズに給与計算が可能です。
・「ジョブカン」
機能性の高さや使いやすさから多くの企業で導入されていて、しかも低コストです。種々の打刻方法に対応しています。
・「AKASHI」
PCやスマホ、タブレットからの出退勤を行うのに便利です。GPS機能を使って、どこから出勤しているのかも確認できます。
・「KING OF TIME」
Webからの打刻、ICカードによる打刻に対応しています。スケジュール管理、休暇管理も行えます。
3:バックオフィスのクラウド化・ペーパーレス化
テレワークでは、どこからでも作業が行えるように、社内環境をなるべくクラウド化する必要があります。クラウド化できるシステム例をいくつか紹介します。
CTI/PBX
CTIとPBXをクラウド化することで、自宅でも社内と同様に電話対応ができるようになります。ヘッドセットなどを準備すればテレワークでのコール―センター業務も可能です。
ERP
基幹業務システムであるERPも、クラウド型すればどこからでもアクセス可能になります。
SFA
営業部署があるなら、営業支援ツールであるSEAもクラウド化しておきましょう。自宅または営業先や移動中でも、進捗状況の確認や取引先の管理ができます。
会計・経理システム
クラウド型ならネット環境があれば操作できます。法改正で変更があった際もバージョンアップするだけで済むのがメリットです。
経費精算
交通費や会食などの経費を精算するためのシステムもクラウド化しておけば、従業員が自宅から申請できます。
電子契約サービス
ペーパーレス化した承認書類に対し、オンライン上で押印や署名をするために必要です。
4:ハード・ソフトの環境整備と従業員教育によるセキュリティ対策
テレワークでの端末の保管方法や休憩中の取り扱い方法など、改めてセキュリティルールを設け、従業員への啓蒙教育を行うことが必要です。具体的には、無断の「BYOD(Bring Your Own Device)」、および個人で利用しているサービス(ファイルストレージやチャットなど)の業務での使用、いわゆる「シャドーIT」の禁止などがあります。仕事で使うパソコンを施錠保管するための棚の用意や、仕事部屋への他人の出入り禁止も有効です。
また、セキュリティソフトの採用はもちろん、アクセス管理や通信の暗号化、パスワードロックのかかったUSBメモリの使用、Wi-Fiルーターの貸し出しなどのセキュリティ対策があります。
特にリモートアクセスサービスを利用すれば、家のパソコンなどから会社のパソコンを操作しても、端末にデータを残さずに済みます。リモートワークサービスには以下のようなものがあります。
・「OneOffice スマートコネクト」
・「TRUST DELETE Biz」
・「セキュアリモートアクセス」
・「Splashtop Business」
また、VPN回線を使用すると通信を暗号化できます。VPNの主要サービスは以下の通りです。
・「AnyConnect」
・「ExpressVPN」
・「PrivateVPN」
・「NordVPN」
5:評価制度の見直し-プロセスと成果への適切な評価方法の再考
テレワークだと仕事へのやる気やプロセスによる評価がしづらくなり、成果による評価が大きくなります。そのため、現状の評価方法を変更する必要があります。適切な人事評価ができるよう、評価方法を再考しましょう。
6:テレワークできる業務の選別と、業務フローの構築
製造業や接客業、販売業はテレワークに移行しづらいため、アウトソーシングや自動化によって、なるべく出社しなくてよいように業務を整理しましょう。あわせて業務プロセスやフローの整備も行います。
7:端末などの環境整備や一時金の手当て
テレワークにおける環境整備は、会社側で端末や通信環境を提供するのが一般的です。それに加えて、通信費や光熱費、机や椅子などの用意のために補助金を支払うとよいでしょう。実際に、「富士通株式会社」では月額5,000円、「ランサーズ株式会社」では一時金として3万円の手当を提供しています。
(参照元:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2020/07/6a.pdf)
(参照元:https://www.wantedly.com/companies/lancers/post_articles/237164?auto_login_flag=true#_=_)
テレワークを導入している企業の成功事例
ではここで、実際にテレワークを導入し、成功した企業を紹介します。
社員からの評価 日本航空株式会社の事例
日本航空株式会社では、テレワークによって、月平均の時間外労働-2時間、社員意識調査(この会社に勤めてよかった・今後も働き続けたいと思う)の向上が見られました。数値データでテレワークの効果を提示しています。
テレワーク実施者200人→6.000人 株式会社NTTドコモの事例
株式会社NTTドコモでは、2015年の時点で200人程度しか在宅勤務実施者がおらず、導入が進まない部門もありました。そこでトップ・ボトム両方からの推進により、2017年にはグループ全体で6,000人もの社員がテレワークに取り組むようになりました。
月6万円でテレワーク 株式会社⽯井事務機センターの事例
株式会社⽯井事務機センターでは、Web会議システム・勤怠管理システム・PCログ管理システム・セキュリティシステムを駆使しながら、テレワークの費用を毎月6万円に押えています。
(参照元:https://www.soumu.go.jp/main_content/000616262.pdf)
テレワーク導入のメリット
ここでは、テレワークの導入で期待できるメリットをいくつかご紹介します。
生産性の向上
テレワークでは、業務フローの見直しをしたり、1人の時間を作ったりすることにより、生産性の向上が期待できます。例として、「株式会社NTTドコモ」では残業時間前年度⽐10%減、「東京ガス株式会社」では実施者の8割が、⽣産性が⾼まったと回答しています。ただし、チームワークが必要な業務では生産性が下がることもあるため、注意が必要です。
(参照元: https://www.soumu.go.jp/main_content/000616262.pdf)
自然災害や感染症の流行などの非常時における事業継続のしやすさ(BCP対策)
BCP(事業継続計画)とは、自然災害やテロなどの緊急事態が発生した際でも事業を継続できるよう、平常時に計画を立てておくことです。テレワークを導入しておけば、交通機関が止まったときや感染症が流行したときでも仕事ができます。
優秀な人材の確保や離職防止
テレワークを導入することにより、地方に住んでいる人や育児や介護で通勤が難しい人の採用が可能になります。また、フレキシブルな働き方を望む優秀な人材の確保や離職の防止にもつながるでしょう。
オフィス代や交通費などのコスト削減
テレワークによって出社が不要になると、オフィス代や交通費のコストダウンが可能です。特に、オフィス代の削減は大きなコストカットになり得ます。「富士通株式会社」は、テレワークの導入によって、オフィスの半分を3年かけて削減するとしています。業務内容によっては、オフィスを完全になくすこともできるでしょう。
(参照元:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2020/07/6a.pdf)
企業イメージの改善
テレワークの導入により、多様な働き方を許容している企業として、企業イメージの改善につながることもあります。例えば、就業規則の見直しを行ったという産経ニュースのツイートは、100件以上ものコメント、250件以上のいいねがつけられています。
(参照元:https://twitter.com/sankei_news/status/1297107881452384258?s=21)
通勤時間がなくなることによる従業員の生活の質の改善
通勤時間がなくなることで、満員電車に乗るストレスや長時間の通勤などがなくなり、従業員の生活の質が改善します。空いた時間には家事をしたり、学習したりできます。
テレワークを導入すべきかはどう判断する?
企業によっては、テレワークを導入するべきかどうか迷っているところもあるでしょう。そんなときは、まずテレワークの目的と効果を考えます。目的によって、テレワークの形態も定まるでしょう。
また、社員からの提案(ボトムアップ)によってテレワークの導入を検討する場合、トップやミドル層からの理解を必ず得ておきましょう。テレワークを導入すると、少なからず企業文化や社風が変わります。
(参照元:https://www.mlit.go.jp/crd/daisei/telework/docs/06_4.pdf)
テレワークの導入の流れ
では、テレワークはどのようにして導入するのでしょうか?一般的な流れを説明します。
1.現状把握
テレワークをできる業務とできない業務の洗い出しはもちろん、現状の社内制度の改革をするかどうかなど、現状の問題点を洗い出し、その対策を考えます。
2.プロジェクトチームの発足
なるべく広範囲の部署メンバーを集めてチームを発足します。テレワークの形態や対象者、社内制度を見直し、ルールを決定します。
3.試行導入
半年から1年ほどかけて、試行導入をします。事前に評価項目を設定し、効果の記録を行いましょう。
4.効果測定
試行導入を経て、使用感などを利用者に調査し、効果測定を行います。テレワークにおける問題点も洗い出し、本格導入に備えます。
5.本格導入
テレワークに使用するサービスを本契約し、テレワークを本格導入します。導入後も利用者である社員に寄り添い、問題点を見つけて解決しましょう。
(参照元:https://www.soumu.go.jp/main_content/000668432.pdf
https://telework.mhlw.go.jp/intro/prs/
https://www.soumu.go.jp/main_content/000616262.pdf)
自宅以外で働くケースも。テレワークの分類3つ
なお、テレワークは3つの種類に分けられます。それぞれの違いもあわせて理解し、自社にあったテレワークを導入しましょう。
・在宅勤務
自宅で仕事をする働き方です。終日在宅勤務と部分在宅勤務に分けられます。部分在宅勤務の場合、会議や訪問などで一部オフィスに出社することがあります。
・モバイルワーク
移動中やカフェ取引先など、社外のさまざまな場所で仕事をする働き方です。わざわざオフィスに戻らずに外で仕事ができるため、営業職などに向いています。
・サテライトオフィス勤務
自社オフィス以外のオフィスや施設で仕事をする働き方です。オフィスから離れた場所で集中して働くために利用されます。
テレワークの現状や普及率
新型コロナウイルス感染症が流行る中、テレワークは現状どのくらいの企業が導入しているのでしょうか?
「パーソル総合研究所」の調べによると、2020年5月29日から6月2日までの調査で、25.7%の企業がテレワークを実施しているようです。「日本テレワーク学会」のデータを見てみると、当初緊急事態宣言が発令された7都道府県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・福岡県)において、発令前と後を比べると、2割弱から4割に成長したそうです。
(参照元:https://rc.persol-group.co.jp/news/202006110001.html)
(参照元:https://www.soumu.go.jp/main_content/000692095.pdf)
テレワークに関連した助成金
コスト面を考えるとなかなか導入しづらいテレワーク。しかし政府からテレワークに関連した助成金が出ているため、うまく活用すればコストを抑えた導入も可能です。ここでは、テレワークに関する助成金をいくつか紹介します。
・公益財団法人 東京しごと財団「はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)」
都内の中堅・中小企業向けの補助金です。補助を受けるには、東京都が実施するテレワーク導入に向けたコンサルティングを受ける必要があります。補助金額は従業員数によって異なり、最大110万円までです。
・独立行政法人 中小企業基盤整備機構「IT導入補助金2020」
中小企業を中心に、ITツールを新たに導入する際の費用を補助してくれます。補助金額は最大450万円です。
(参照元:https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/telework.html)
(参照元:https://www.it-hojo.jp)
まとめ
近年普及しつつあるテレワークですが、セキュリティ問題やコミュニケーション不足など、多くの課題も残されています。そこで役立つのが、セキュリティを強固にしたり、円滑なコミュニケーションを可能にしたりする種々のサービス。提供している会社は多く、選択肢は豊富です。テレワーク導入の際には、これらを上手に活用して課題をクリアしていきましょう。