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ノウハウ ペーパーレス化の必要性とは?目的や進め方、役立つシステムなど解説

更新日:2024年10月17日

投稿日:2020年02月26日

ペーパーレス化の必要性とは?目的や進め方、役立つシステムなど解説

ペーパーレス化の必要性とは?目的や進め方、役立つシステムなど解説

切符のかわりにICカードを利用して電車に乗ったり、電子書籍を愛用するビジネスパーソンが近年増えているなど、身の回りでペーパーレス化を実感する機会が増えてきました。

一方、企業や学校などでは今も大量の紙の資料を手にすることも多く、日本におけるペーパーレス化はまだまだ浸透しきっていないのが現状です。

 

この記事では、ペーパーレス化の実態、ペーパーレス化が進まない理由メリット・デメリット、成功事例などをわかりやすくまとめました。

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ペーパーレス化とは?

ペーパーレス化とは、その名の通り紙(ペーパー)の利用を減らし、パソコン等で電子化ファイルとして閲覧できるようにすることで、業務効率を改善しようとする取り組みのことを指します。

 

具体的には、紙類にかえてPDF文書やインターネットFAXを利用したり、電子書籍、電子カタログ、Web会議の活用や、日報や勤怠管理なども電子化・クラウド管理を行なうことで、ペーパーレス化を実現することが可能です。

そもそもペーパーレス化はなぜ必要なのか?

業務上、紙を減らすことによって、コスト削減や業務効率の向上、セキュリティ強化など、様々なメリットが生まれます。

 

紙の原料となる森林が伐採されるスピードと、森林が再生するスピードは比例していないことから、数年前から森林保護が叫ばれています。

 

二酸化炭素を酸素に変えてくれる森林が現象していくと、地球全体の二酸化炭素の量が増えることとなり、地球温暖化への影響が懸念されています。

 

マクロな視点からは、ペーパーレス化によって地球全体の環境保全にもつながるのです。

ペーパーレス化は政府が推進している取り組み

政府が提唱し、2019年4月1日から施行された「働き方改革」の具体策のひとつとして、ペーパーレス化も含まれています。

 

これまでは紙での保存が義務付けられていた文書ですが、国としてもペーパーレス化を推進すべく「e-文書法」や「電子帳簿保存法」などの法改正が行われました。

 

この法改正以降、契約書や領収書はスキャンしたり電子文書として作成・保存することが可能になりました。

また、2023年10月1日からは「インボイス制度」が新たに施行され、紙で受け取った適格請求書(インボイス)も電子帳簿保存法に準じて電子保存が可能です。

 

時間や場所の制約から解放された働き方改革の需要が高まる中、どこにいても文書の閲覧・作成・編集を可能な状態にするペーパーレス化は、今の時代において必要不可欠であると言っても過言ではありません。

さらに、ペーパーレス化は紙の使用量を減らすという効果もあります。

将来的な資源不足や地球環境への負荷が問題視される近年、持続可能な社会を実現するためにもペーパーレス化は重要性の高い取り組みです。

ペーパーレス化の現状

数年前、総務省が企業における「業務改革取組状況」を分析したデータによると、社内における業務改革を実施するにあたってペーパーレス化を推進する企業は、全体の29.1%に達しているとの結果が出ています。

社内業務のペーパーレス化を推進する企業は全産業平均で29.1%に達していることが分かる

引用:総務省 情報通信白書(平成24年度版)より

 

また、日本製紙連合会のデータによると、インターネットやパソコンやスマートフォン等の普及・発達により、新聞や雑誌などを紙面で閲覧することから、電子データを閲覧する需要が増えたことなどにより、紙の生産需要が2000年をピークに年々衰退していることがわかります。

紙の生産量を示したグラフと表です。2000年は紙・板紙合計で約31千トンの生産量がありましたが、それ以降は年々生産量が下降していることが分かります。

引用:日本製紙連合会ホームページより

 

これらの結果から、企業はもとより社会全体として、ペーパーレス化への動きは今後も止まることなくどんどん促進されていくことが考えられます。

ペーパーレス化が進まない理由は企業の背景にある「古い慣習」

企業において、もっともペーパーレス化を遅らせている理由としては、「紙で提出・保管・配布する」という規定があることが最も多い理由になっています。

紙を印刷する理由のアンケート結果です。組織のルールとして紙での提出、保管、届けることが求められているとの回答が44%と最多です。

引用:日本画像学会誌 柴田博仁氏「 ペーパーレスオフィスはなぜ来ないのか? 紙はどこで使われるのか?

 

企業に古くから根付く規定や制度、慣習を変えることはなかなか難しく、ペーパーレス化のメリットは十分理解していても、なかなかアクセルを踏み切れない方も多いのではないでしょうか。

 

書類をペーパーレス化することで、パソコンやクラウドサービスにアクセスする操作や、セキュリティ対策への知識など、一定レベルのITリテラシーが求められます。

 

日常的にパソコンを使用している方はすんなりと受け入れられても、パソコン操作に自信のない方には、すぐには馴染めない可能性があります。

 

特に年配者に多いのが、長年慣れ親しんできた仕事のやり方が変わることに心理的抵抗を感じていたり、紙への絶対的な信頼性を持っていたりなど、世代間ギャップからペーパーレス化への足並みが揃わないことも想定されます。

 

また、一部の文書は、法令により電子文書が許可されていないものがあります。

 

例えば、不動産取引における重要事項説明書や賃貸契約書は、書面を交付することが法律で定められているため、ペーパーレス化することができません。

 

その他、取引先によっては紙でのやりとりを求められたり、一部を手書きで書き込みたいという需要のある書類も存在するため、取り扱う文書を100%電子化することは難しいことが、ペーパーレス化が進まない理由と言えるのかもしれません。

ペーパーレス化のメリット・デメリット

ペーパーレス化によって受けられる具体的なメリットと、事前に確認しておきたいデメリットをご紹介いたします。

ペーパーレス化の7つのメリット

業務効率化|文書検索、回覧が容易になる

紙で保管された文書を探す場合、まずは棚やキャビネットから必要なファイルを取り出す、ダンボールから目的の書類を探し出すなど、手を動かして該当の書類を探す手間が発生します。

 

常日頃からしっかりとファイリングされていれば良い方で、「あの書類どこにあったっけ?」と、記憶をたどるところからスタートしたり、「○○さんじゃないとわからないなど」属人化されてしまっているケースも散見されます。

 

部署異動してみたら、前任者から資料に関する引き継ぎがなく、全ての書類をひっくり返して何日もかけて探し出した、なんていう体験談も耳にします。

 

文書がペーパーレス化によってデータ化されることで資料の場所が明確になり、検索機能を使えば必要な文書をすぐに見つけ出すことが可能になります。

 

また、承認申請など社内の権限者に順番に確認が必要な手続きをペーパーレス化することで紙回覧で発生する他部署に運ぶ工数、時間などの業務が省略でき効率化されます。

コスト削減|紙代、印刷代が不要。修正データも即時共有可能

紙の資料は、意外と多くの費用が発生しています。

 

資料を印刷するための紙代、印刷代以外にも、印刷機器のメンテナンス費用、資料の郵送・運搬費用、文書廃棄費用(シュレッダーや廃棄業者費用など)、保管・管理費用のほか、これらの業務に携わる人件費も必要となります。

 

ペーパーレス化を行なうことは、これらのコストの大幅な削減が期待できます。

 

また、会議に使用する資料などは、たった1文字でも変更・修正が加わった場合、紙の場合は人数分プリントし直しになるケースもあります。

 

文書をデジタル化することで、修正データを全員に即時確認・共有することができるのも、ペーパーレス化の大きなメリットと言えるでしょう。

資産の確保|保管スペース確保が必要なくなる

例えば領収書は法令で7年間の保管が義務付けられています。

 

資料を保管するためには場所の確保のほか、キャビネットやラック、ファイルや保管箱などの備品も必要となるケースがほとんどで、保管する資料の数が膨大になればなるほど、これらを用意する費用負担も少なくありません。

 

ペーパーレス化によって、保管スペースや保管のための備品全てが不要となり、コスト削減のほか限りのあるオフィス空間の有効活用にもつながります。

内部統制の強化 | 社内ルールが守られる

ペーパーレス化を進めることで、自社の内部統制を強化できるという点もメリットです。

企業における内部統制とは事業活動を効率的・健全に行うための仕組みを指します。

 

紙ベースの業務では作業に関して定められたルールに沿った運用が行われているか、人の目で監視する必要があり、相応に大きなコストを伴います。

また、厳しいルールを設けても監視役のミスや不正により、ルールに反するやり方が見逃される恐れもあります。

 

しかしペーパーレス化で業務の仕組みをデジタル化させれば、ルールに従って遂行された作業をシステムが自動的にチェックしたり、システム自体が作業を遂行したりします。

そのため、人の目による監視ならではの「見落とし」というリスクは回避できます。

 

結果として、業務プロセス全体の統制が可能になるということです。

セキュリティ強化|紛失・劣化・情報漏洩のリスクを減らせる

紙の資料は、閲覧制限を設けることができないため、重要書類は鍵のかかるキャビネットに保管するなど、物理的な対処が必要となります。

 

また、書類の持ち出しについてのルールや廃棄方法がずさんだと、簡単に情報漏洩してしまう可能性も否定できず、全社員が情報管理についてのリテラシーを高く保ち続ける必要があります。

 

その他紛失や盗難、火災や災害などのほか、紙そのものの劣化や毀損などで、書類そのものを失ってしまうと復元が困難な場合も想定されます。

 

ペーパーレス化によって電子化した書類は、担当者ごとにアクセス制限・閲覧制限を設けることができるため、情報漏洩のリスクコントロールが可能です。

 

紙の書類とは異なりデータ化された書類は劣化することがないため、万が一パソコンやサーバーが故障したり盗難にあっても、クラウド上に保存しておいたバックアップから復元することができます。これは紙媒体にはない大きなメリットです。

企業価値向上|環境保護への取り組みを実践

冒頭で述べた通り、紙の消費は森林伐採につながっています。

 

環境破壊やそれに伴う地球温暖化や異常気象などの問題を解決するためにも、ペーパーレス化は地球環境保護にも有効な活動と言えるでしょう。

 

ペーパーレス化を推進することは、持続可能な社会をつくるための取り組みを実践している企業であるというアピールにもなり、企業価値向上にもつながります。

働き方改革|時間・場所を選ばず業務の遂行が可能

先述したように、ペーパーレス化は働き方改革の一環として提唱されている取り組みでもあります。

働き方改革にペーパーレス化が有効な理由は、「多様な働き方の実現につながるから」です。

 

育児や介護など家庭の事情で、出社のうえフルタイムで勤務することが難しい人は少なくありません。

ペーパーレス化として業務に必要な書類や資料をデジタル化すれば、いつでも・どこでも必要なデータを取り出して業務に着手できるようになります。

書類の承認・押印もシステム上で行えるサービスもあるため、従来は出社しなければ不可能だった業務も自宅などで完了することが可能です。

 

テレワークにより働き方の幅を広げるためには、ペーパーレス化はほぼ必須の取り組みといえます。

ペーパーレス化の3つのデメリット

資料の全体像が見えにくい

パソコンのモニターやタブレットなど、表示される場所に制限がある機器で閲覧することがほとんどとなるため、画面サイズが小さい場合は、それに比例して文字も小さく表示され読みにくく感じられる場合があります。

 

また、文書が複数枚にわたると、紙での閲覧よりも全体の流れを俯瞰して見ることが難しいと感じられることも。

導入コストがかかる

ペーパーレス化のためには、パソコンやタブレット端末などの電子機器が必要になります。

 

これまで従業員全員がパソコン等の電子機器を保有していなければ、必要な人数分の電子機器導入が求められます。

 

また、セキュリティ対策のためのソフトウェア導入や、場合によってはネット環境の見直しなども必要になる場合があります。

 

これらの必要機器や環境が揃っていない場合、導入のための初期コストが高いと感じられるため、ペーパーレス化が鈍化してしまう要因のひとつになっていると考えられます。

システム障害や故障の影響を受ける

クラウド上に文書を保管している場合、ネット環境やクラウドサーバーに障害が発生した場合、文書にアクセスできないなどの影響が考えられます。

 

また、文書を閲覧するPC機器が故障してしまったなど、物理的に文書閲覧不可な状態になるケースも想定されます。

ITリテラシーが必要

ITを活用する機会が少ない企業ほど注意すべきポイントが、ITリテラシーです。

情報通信技術の使用に必要な、「情報の取扱いの理解」「操作に関する能力」をITリテラシーといいます。

ITリテラシーが足りないままペーパーレス化を進めると、従来のアナログな手法との乖離に従業員が戸惑い、かえって不便と思われる可能性があります。

さらに、情報の取り扱いに関して理解していないと、データの誤送信・情報漏洩・マルウェア感染など重大なセキュリティリスクも生じます。

 

いきなりペーパーレス化に必要なシステム基盤を整えようとせず、従業員への入念なITリテラシー教育を前提とした計画を検討することが大切です。

ペーパーレスできる書類は

ペーパーレス化は、社内から紙の書類を完全に無くすことを目指すわけではありません。紙のまま保管・提出が必要な書類もあるためです。

 

ペーパーレス化のポイントは、紙の書類と電子書類を使い分けることです。

では、ペーパーレス化して問題ない書類には何があるのでしょう。

契約書と法的文書

下記に挙げられるような契約書と法的文章はペーパレス化が認められています。

 

  • 請負契約書
  • 売買契約書
  • 賃貸借契約書
  • 補償契約書
  • 雇用契約書・労働者派遣契約書
  • 業務委託契約書
  • 代理店契約書
  • 請負契約書
  • 取引基本契約書
  • 秘密保持契約書

など

請求書と受領書、購買注文と納品書

請求書や納品書などはPDFファイルにしてメールなどで送受信、クラウドに保存することで紙のやりとりが不要になります。

会議資料と報告書

オンライン会議を実施している企業であれば、既に会議資料をペーパーレス化できているのではないでしょうか。

 

画面共有したり、クラウド上での事前共有などで、紙の書類は不要にできます。

 

株主総会議事録や取締役会議事録なども、会社のHPへの掲載という形でペーパーレスが叶います。

経費報告書

経費精算システムを使うことで、領収書の原本や紙の書類がなくても経費を精算できます。

 

システムに領収書をアップロードして報告書の作成後、処理が完了したらシステム上に保管されます。

保険関連書類

オンラインからの申込で保険証券や約款をWebで確認できるようにしたり、マイページから契約者情報や契約内容を変更すれば申込書の記入・送付不要で反映できるといった取り組みが進んでいます。

メモや手書きのドキュメント

To Do リストなどは手書き派という方も少なくないと思います。

手書きのメモは増えやすいです。そして、増え過ぎると管理しきれません。

 

メモアプリを活用してみると、管理のしやすさを実感でき、ペーパーレス化を少しずつ始められるかもしれません。

手書きで作成済みのものについては、スキャンしてPDF化すればペーパーレスを実現できます。

ペーパーレス対象外の文書も

以下はe-文書法によってペーパーレス化が認められていない書類です。

 

  • 船舶に備える手引書など緊急時に即座に閲覧が必要な書類
  • 免許証など現物性の高い書類

 

【関連記事】電子化できない書類とは?法律の要件や改正ポイントを解説!

ペーパーレス化のポイント

ペーパーレス化に取り組みたい理由が明確になると、漠然と調査を行うより適したシステムを選びやすいです。

計画と目標の設定

ペーパーレス化したい理由を、例えば業務効率化のため、コスト削減のため、セキュリティ強化のためなど明確にしましょう。

 

一気にペーパーレスを進めると、負担が大きいと感じる方もいます。優先度の高い目標に関連した書類から段階的に進めてみてください。

文書管理システムの導入

電子化した文書をクラウド上で管理するシステムです。ペーパーレス化に欠かせないシステムのひとつです。

電子署名システムの導入

オンライン上で契約締結する際に用いられるのが電子署名システムです。電子契約システムとも称されます。契約書を電子化することにより契約にかかる時間の短縮化、印紙代、郵送費の節約等の効果が得られます。

セキュリティ対策の実施

ペーパーレスに対応できると、紙の書類よりも紛失などのリスクは少ないと言われています。

しかし、インターネットを介したやりとりなので、不正アクセスによる情報漏えいなどの対策が必要です。

データを暗号化しておくと、万が一漏えいした時に、情報自体が漏れるリスクを抑えられます。

データの持ち出しや拡散を防ぐためにアクセス権限を限定しておくこともおすすめです。

 

保管期限の過ぎたものは速やかに破棄することで、破棄する前に漏えいするリスクを減らせます。

電子的なシステムを活用することで、保管期間を管理しやすいです。不要になったものはすぐに削除できるようになるはずです。

法的要件への遵守

電子帳簿保存法、e-文書法など、ペーパーレス化にまつわる法律がいくつかあり、それぞれ法的に認められた方法で書類を電子化した上で保管することが求められます。

 近年、改正が頻繁に行われている分野であるため、最新情報を確認しましょう。

ハードウェアおよびソフトウェアの更新

ハードウェアやソフトウェアが最新でないと、セキュリティ上の問題が生じる恐れがあります。

ペーパーレス化に用いるハードウェア・ソフトウェアは定期的に更新しましょう。

クラウドサービスの活用

書類を保管するサーバーを簡単に用意できるのがクラウドサービスです。

自社で構築する必要がないため、導入までスムーズでコストも抑えられます。

ペーパーレス化で活用できるシステム

ペーパーレス化の推進に活用できるシステムには様々な種類があるため、用途に合ったものを選びましょう。

以下より、ペーパーレス化で活用できるシステムの例と特徴について解説します。

ワークフローシステム

ワークフローシステムとは、稟議書・見積依頼書・契約締結申請書などあらゆる業務で発生する申請書類の回覧・承認をデジタル化できるシステムです。

基本的な機能としては、申請書類のフォーマットや本文の作成・承認ルートの設定・承認の進捗状況の可視化などがあります。

 

申請手続きに必要なフローがひとつのシステム内で完結するため、業務における申請の効率やスピードの低下の改善に最適です。

電子契約システム

電子契約システムは、導入することで契約書を用いた契約締結をシステム上で行えます。

 

従来の契約といえば、紙の契約書を作成・郵送のうえ相手に署名押印してもらう必要がありました。

一方で電子契約システムなら契約書を作成のうえメールで相手に送付し、承認の操作をしてもらうだけで契約締結が可能です。

 

承認の際に電子署名やタイムスタンプを付与することで本人性・非改ざん性を担保できるため、電子契約の締結時に用いた契約書データは証拠にもなり得ます。

文書管理システム

文書管理システムとは、業務で使う書類の電子化から管理まで行えるシステムです。

 

文書をシステム上で作成したりスキャンで画像データとして取り込んだりして、それらを検索機能ですぐに取り出す、アクセス制限で特定の人だけが閲覧できるようにするといったことができます。

オンラインストレージとは違い、書類の作成・保管・検索・更新・廃棄など書類に関わるアクション全般を管理できます。

勤怠管理システム

勤怠管理システムは、従業員の勤怠に関する様々なアクションを管理できます。

出退勤時の打刻に加え、シフト・各種休暇・残業などの申請と承認、残業や有給取得状況の把握、勤怠状況の把握などが基本的な機能です。

 

タイムカードによる打刻や紙の書類による各種申請・承認だと、集計ミス・不正打刻・給与計算の煩雑化といったデメリットがあります。

勤怠管理システムなら各従業員の勤怠状況を正確に記録できるため、人事労務の業務負担を大幅に軽減できます。

請求書管理システム

請求書管理システムは請求書の作成・送受信・保管を電子化でき、文書関連システムの中でも請求書管理に特化していることが特徴です。

 

自社の売上に関わる請求書管理は、ミスによる影響が大きいため手作業だと従業員への負担も増幅します。

請求書管理システムなら請求書管理の作業全般をシステム上で行えるため、入力ミス・ご請求・請求書の紛失といったリスクを回避しつつ、従業員の業務負担も軽減できます。

ペーパーレスの進め方

システムを活用してペーパーレスを進める際の基本的な流れは、以下の通りです。

 

1 ペーパーレス化の目的を明確にする

2 どの業務でペーパーレス化を進めるか決める

3 対象業務における現状を把握する(紙の使用量や業務工程のムダなど)

4 目的に合ったペーパーレス化ツールを選ぶ

5 トライアル利用のうえ導入するツールを決定する

6 社内外へのアナウンスや現場での研修・マニュアル作成を行う

7 ツールを導入する

8 効果を測定し、必要に応じて運用の見直しを行う

 

ペーパーレス化自体を目的とせず、「ペーパーレス化で現場をどのように変えたいか」「どんな目標を達成したいか」を定め、その実現を目的とすることが大切です。

あらかじめ目的を明確化すれば、ペーパーレス化を成功へ導きやすくなります。

ペーパーレス化による成功事例

ペーパーレス化により契約書の検索性を向上(株式会社ツインバード)

株式会社ツインバードでは月平均20~30程度の契約が発生する中、各部署の契約相談やレビュー以降は担当者ごとの裁量に委ねられていました。
そのため依頼手段や内容の質にバラつきがある他、部署単位で契約を管理していたため、契約の全体状況を把握できないという弊害もありました。

この問題を解決すべく「ContractS CLM」でペーパーレス化を進めた結果、同一のシステム上でレビュー依頼・承認~締結・契約の更新期限管理ができるようになり、契約プロセスの全体状況の把握が容易に。

担当者への確認・検索にかけていた時間が大幅に減り、関係者全員で共有できるおかげで、意思疎通もスムーズになりました。

 

各部署で行っていた契約書管理を一元管理化。 「ContractS CLM」で管理体制の強化とコスト削減を実現!

紙のワークフローの電子化で作業効率向上と属人化解消(株式会社レゾナック)

株式会社レゾナックは、昭和電工株式会社と昭和電工マテリアルズ株式会社の結合により2023年に誕生した企業です。

 

結合にあたって両社の間にある「契約業務フローの違い」をいかに統合するかが課題となっていました。

従来より、両社は契約業務において業務の煩雑化・属人化という問題を抱えていたからです。

 

そこで「ContractS CLM」を導入し、ひとつのシステムですべての契約案件が集約・可視化できるようにしました。

依頼案件の情報を迅速に引き出したり進捗状況が一目瞭然になったりといった効果により、契約業務の作業効率向上・属人化解消へつなげています。

 

統合新会社の誕生を機に契約業務を「ContractS CLM」へ。 契約レビュープロセスの煩雑化と属人化を解消。

ペーパーレス化を推進するためのポイント

ペーパーレス化実現のためには、まずは以下のようなポイントを押さえておくとスムーズです。

経営層にペーパーレス化の必要性を理解してもらう

ペーパーレス化を実現する最短ルートは、経営層主導で全社をあげて推進することです。

 

そのためには、導入の目的を明確にしたうえで、導入前後のコストやメリットデメリットを比較し、ペーパーレス化によってどれだけの投資対効果が得られるかを経営層に理解してもらうことが大切です。

部分的にペーパーレス化にシフトさせる

全社をあげて取り組むことが難しい場合は、まずは一部署やプロジェクト単位など、部分的にペーパーレス化を実践してみることをおすすめします。

 

ペーパーレス化を実践する中で見えてきた問題点や改善点をクリアにしていくことで、全社導入へスムーズに移行することができるようになるでしょう。

ペーパーレス化のためのツール(システム)を導入する

タブレット

ペーパーレス化するために、新たにハードウェアを導入する場合、iPadをはじめとしたタブレット端末なら誰でもすぐに使い始めることができます。

 

簡単に操作できることや持ち運びに優れているという優位性がある反面、端末管理やネットワーク環境構築など、事前にしっかり決めておくべきこともあるため、専門業者に相談のうえ導入すると良いでしょう。

クラウドストレージ

ペーパーレス化した電子文書を保管するために、クラウド上に保管場所を確保しておく必要があります。

 

必要な容量や、アカウントがどれだけ必要かによって利用料も変わってくるため、事前に社内での利用状況を想定しておく必要があります。

 

また、必要な機能やセキュリティ面も事前によく確認しておくと良いでしょう。

ペーパーレス会議システム

ネット環境が整っている環境であれば、パソコンやタブレットで会議資料を共有・閲覧できるペーパーレス会議システムを導入する企業も増えています。

 

かさばる資料を事前に人数分印刷する必要もなく、オフィスや自宅、出張先など、場所を選ばずいつでもどこからでも瞬時に情報共有が可能なため、ペーパーレス会議システムは今後更に需要が高まるでしょう。

 

導入にはカメラやマイクが別途必要になる場合もあるため、事前にサービス会社のサービス内容を比較検討することをおすすめします。

OCR

Optical Chactacter Recognitionの略で、スキャンやカメラなどの画像データからテキストを抽出する仕組みです。入力作業の手間を省くことができます。

電子化サービス、電子契約サービス、経理システム

ペーパーレス化にはツールやシステムの活用が欠かせません。

例えば紙の書類を電子化して取り込むツール、契約締結までオンライン上で完結できるシステム、経理精算システムなど、幅広い業務のペーパーレス化に対応可能なサービスが提供されています。

優先度の高い課題を解決できるツールの導入から始めると良いでしょう。

ツール(システム)導入の代行サービスに依頼する

「これから作成する書類は電子化できても、これまでに蓄積してきた紙の資料を電子化するための時間や労力を考えるとペーパーレス化は難しい。」

 

「紙を全て電子化したけれど、ここから全てフォルダ分け・ラベリングするのは大変」

 

こういったお悩みを抱えているがゆえにペーパーレス化が鈍化してしまっている場合、ペーパーレス化代行サービスの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

 

社内の人員のみでペーパーレス化を実現しようとするより、結果的に時間もコストも最低限でペーパーレス化を実現することができる場合もあります。

まとめ

ペーパーレス化を行なうことは、管理体制そのものを抜本的に見直す良いきっかけとなり、企業全体で取り組む必要があります。

 

ペーパーレス化による大きなメリットを享受するためにも、導入することの必要性について十分な説明を行い理解してもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。

 

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