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ノウハウ DX推進は働き方改革につながる?関係性や具体的な施策例など解説

投稿日:2024年11月21日

DX推進は働き方改革につながる?関係性や具体的な施策例など解説

DX推進は働き方改革につながる?関係性や具体的な施策例など解説

DX推進には生産性向上やBCPの強化、新たなビジネスモデルの創出など、様々なメリットがあります。他にも、DX推進は「働き方改革」につながるというメリットがあることをご存知でしょうか。

 

今回は働き方改革の観点におけるDX推進の重要性、働き方改革との関係性、具体的な施策例などを解説します。

働き方改革へどう取り組むべきかお悩みの方、社内にDX推進の重要性の理解を広めたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して人々の生活に変革をもたらすことです。

ビジネスにおいては、デジタルツールやデータの活用により、新たなビジネスモデルを創出し、企業の競争優位性を高める取り組みを指します。

 

IT化と混同されがちですが、IT化とは「デジタル技術で業務効率化を図る」取り組みです。

デジタル技術を活用する点はDXと同じですが、DXは既存の企業文化や風土・ビジネスモデルを変革するという目的のもとに行われます。

つまり、IT化はDXを進めるうえで通る過程の1つと考えて良いでしょう。

 

なお、DXはあくまで最終形態であり、その段階へ辿り着くためには「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」という段階を着実に実行していくことが大切です。

デジタイゼーションとは

デジタイゼーションとは、アナログな作業や物理データを電子化することを指します。

先述したIT化とほぼ同義であり、DX推進に向けて最初に行う取り組みです。

 

具体的には請求書や契約書などの書類の電子化、会議やミーティングをオンラインで実施するといった取り組みがデジタイゼーションです。

 

デジタル技術でアナログな業務プロセスをデジタル化し、業務効率化やコスト削減を実現します。

デジタライゼーションとは

デジタライゼーションとは、社内で行う業務だけでなく外部との関わりの中で発生するビジネスプロセスをデジタル化する取り組みを指します。

 

具体的には、「電子化した契約書を用いて契約を締結する」、「電子化した顧客リストをデータベース化して営業活動を効率化させる」といった取り組みがデジタライゼーションです。

 

個別の業務プロセスのデジタル化を進めたら、最終段階として企業全体のデジタル化を行い、企業の在り方そのものを変革する「デジタルトランスフォーメーション」へつなげていきます。

 

なお、どのような順番で着手するかに決まりはありません。

しかし経済産業省の「DXレポート2.2」に明記された成功への方向性に基づき、デジタイゼーションから着手するケースが一般的です。

企業にとってDXが重要な理由

企業にとってDX推進が重要な理由は複数ありますが、その中の1つに「働き方改革」への対応が挙げられます。

DX推進を通して既存の業務プロセスをデジタル化し、多様な働き方が可能な企業への変革を実現することが可能です。

働き方改革とは

働き方改革とは、2019年より適用が始まった「働き方改革関連法案」に基づく国策です。

一億総活躍社会の実現を目的として、多様な働き方を選択できる社会を目指すための取り組みが企業へ求められています。

 

働き方改革では、以下のような取り組みが必要とされています。

 

・長時間労働の是正

・雇用形態にかかわらず公正な待遇の確保

・リモートワークへの対応(多様な働き方の実現)  など

 

日本では少子高齢化が進み、労働力人口が年々減少しています。

このような状況下で既存の業務プロセスを維持していると、生産性の低下や人材の流出といった問題に直面する可能性が高いです。

 

これを防ぐため、企業は労働者1人1人が自身の事情に応じて様々な働き方を選択できるような社会を実現する必要があります。

DXと働き方改革の関係性

DX推進は働き方改革の実現において、重要な意味を持つ取り組みです。

その理由としては、DX推進により得られる以下のような効果が挙げられます。

長時間労働の削減

働き方改革を目指すうえで、長時間労働の削減は必須です。

大企業は2019年、中小企業は2020年より時間外労働の上限規制が設けられ、特別な事情がなければ月45時間・年360時間を超える残業は禁止されています。

 

しかし人材確保が難しい企業やリソースが限られている現場では、十分な生産量を得るために労働時間を削減することが難しい場合もあります。

このような問題は、業務改善システムの導入により解決が可能です。

 

RPAで定型的な情報処理を自動化する、ファイル共有サービスで情報共有を容易にするなど、業務プロセスの効率化を実現すれば、限られた人員でも長時間労働の削減につながります。

生産性の向上

生産性とは投入した労働力や資本などに対して得られた、成果量の割合です。

少ない労働力・資本で多くの成果を得られる状態は生産性が高く、競争優位性の確保につながります。

労働力人口が減りゆく現代社会で企業が生存するには、生産性向上への取り組みは避けて通れません。

 

DX推進による業務効率化は、生産性向上にも寄与します。

先述した情報処理の自動化の他にも、契約書や稟議書の承認プロセスを実行・管理できるワークフローシステムや、社内外に蓄積されたビッグデータの管理といった施策は生産性向上に有効です。

テレワークによる多様な働き方への対応

働き方改革に必要な取り組みとしては、テレワークの対応も挙げられます。

自宅など勤務場所から離れた場所でも問題なく業務を遂行できる環境を整えることで、以下のようなメリットが生じます。

 

・育児や介護を理由として離職の防止

・遠隔地の優秀な人材の確保

・災害が発生しても事業の継続が可能

 

テレワークに対応する方法は複数ありますが、デジタル技術の導入も有効な手段です。

離れた場所でもコミュニケーションを可能とするチャットツールやWEB会議ツール、遠隔での打刻と勤怠管理を可能とする人事労務システムなどは、テレワーク対応に活用できます。

働き方改革のためのDX施策例

働き方改革に有効なDX施策例として、RPAやWEB会議ツール、タスク・プロジェクト管理ツールの活用方法をご紹介します。

RPAによる定型業務の自動化

RPA(Robotic Process Automation)とは、ルールエンジンやAIなどを活用して定型的な情報処理を自動化できるツールのことです。

なお、事前にどんな処理を・どのように実行するかというルールの設定が必要ですが、RPAはプログラミング知識がなくてもルールの設定が可能です。

 

RPAを活用する場面としては、以下のような作業の省力化が挙げられます。

 

・請求書データを会計システムに転記する作業

・従業員の勤怠状況の集計

・報告書の送信と報告内容の登録  など

 

作業パターンが決まっているものの、ボリュームが多く手作業では時間がかかる業務もあります。

そのような業務をRPAで自動化することで、無駄な業務時間を削減できるだけでなく業務負担の軽減にもつながります。

WEB会議ツールや勤怠管理システムによるテレワーク導入

WEB会議ツールは、あらゆる場面での対話をいつでも・どこでも実施可能とするツールです。

従来の会議では参加者全員が会場や会議室に足を運ぶ必要があり、すでにテレワークを導入していても、会議へ出席するために出社せざるを得ないというケースは珍しくありません。

また、配布する資料の作成・印刷や会場のセッティングなど、準備にも手間がかかりました。

 

場所を問わずウェブ上で音声・テレビ通話ができるWEB会議ツールなら、自宅や外出先からも会議に出席できます。

 

ウェブ上で打刻を可能とし、各従業員の打刻情報が集約される勤怠管理システムも併せて活用することで、さらにテレワークへ対応しやすくなります。

タスク・プロジェクト管理ツールで社外とのやり取りを効率化

タスク・プロジェクト管理ツールでは、1つのプロジェクト全体のスケジュールや達成に必要なタスクの進捗状況などを管理できます。

従来のタスク・プロジェクト管理といえば、Excelの活用やメールでの報告が主流でした。

しかしExcelでは進捗状況をリアルタイムに把握しにくく、メールはやり取りが埋もれやすいことが難点です。

 

タスク・プロジェクト管理ツールならプロジェクトごとにスケジュールやタスクを管理でき、メンバー全員がチームの進捗状況をひと目で把握できます。

さらに情報共有機能や進捗状況をまとめるレポーティング機能などが備わっていることも多く、リアルタイムでの情報を把握のうえ、会議での進捗報告に必要な資料も効率的に作成できます。

DXの進め方

DXはただシステムを導入して終わりという取り組みではなく、システムを活用したデジタル化の先の目標を見据えて進める必要があります。

 

以下より、DXを進めるうえで知っておきたい基本的な5つのステップを解説します。

自社の現状・課題・ゴールを明確にする

自社はDXを進めた末にどのような姿であるべきなのか、ゴールを設定しておく必要があります。

それには現状の業務プロセスの把握と、そこに潜む課題の抽出が必須です。

現場の担当者からの意見を参考に、無駄な作業や非効率的なプロセスがあれば廃止や統合などを検討しましょう。

 

また、ゴールを定めたらトップだけでなく全社で共有しましょう。

DXは最終的に企業そのものの在り方を変革する取り組みであり、その達成には従業員1人1人が当事者意識を持つ必要があります。

DXの体制を構築する

DX施策の実行に必要な体制を構築します。

 

特に、業務の自動化や省力化に必要なエンジニアリングの知識、データ分析に必要なデータアナリティクスの知識など、専門知識を持つ「DX人材」の確保は検討すべきです。

自社だけでは人材確保が難しい場合は、外部の専門家に相談するという手もあります。

 

また、経営陣と現場の間に立つプロジェクトチームも設置しましょう。

現場の事情を理解しながらも、経営陣直下として権威性のあるチームを設けることで、現場の従業員からの理解と協力を得やすくなります。

DXの具体的な施策と実施の優先順位を定める

DXを進めるうえでの具体的な施策に加え、どの施策から実行するかという優先順位も定めましょう。

 

優先順位は、自社が抱えている課題を解決する方法・その実行に必要な人員とコスト・日数・業務への影響度など、複数のポイントから決めていきます。

まずは業務への影響度が低く、手軽に取り組める施策から取り組んでいくとスムーズかつ効果的なDX推進を実現しやすくなります。

システムを導入する

上記までの準備が整ったら、DXに活用するシステムを選びます。

自社におけるDXのビジョンや課題に合わせてシステムを選ぶ必要がありますが、専門知識において不安がある場合は「運用のしやすさ」を重視しましょう。

 

システム導入まで進んだら、いよいよDX施策の実行に移ります。

先述したように、システムによる業務のデジタル化(デジタイゼーション)から始め、ビジネスプロセスの変革(デジタライゼーション)、ビジネスモデルの変革(デジタルトランスフォーメーション)という順に進めていくのが効果的です。

効果測定と改善を検討する

DX施策を実行したら、定期的に振り返り評価しましょう。

実行した施策は事前に定めたプロセスに基づいて進んでいるか、目標はどれくらい達成できているのかなど、結果を分析します。

結果をもとに戦略やリソースの配分も見直し、改善につなげます。

 

DX推進は中長期的な取り組みであるため、PDCAサイクルの継続は欠かせません。

企業のDX推進なら補助金・助成金制度を利用できることがある

国内企業のDX推進を促すため、近年はDXに活用できる様々な補助金・助成金制度が実施されています。

 

特に、どんな施策にも活用しやすい制度として「IT導入補助金」があります。

中小企業や小規模事業者を対象に、業務へ用いるソフトウェアやサービスの購入費用を補助する制度です。

 

また、DX推進に伴い従業員の育成やスキルアップに取り組むなら、「人材開発支援助成金」を活用できる場合もあります。

人材開発支援助成金には4つのコースがあり、その内「人材育成支援コース」は職務に関連したスキル習得計画を実施した場合、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

 

他にも自治体独自の補助金・助成金制度が実施されることもあるため、DX推進を検討する際は活用できる制度も確認しておくことをおすすめします。

現代の働き方改革にはDX推進が重要!課題に合ったIT技術の導入を

DX推進は企業成長だけでなく、多様で柔軟な働き方を可能とする体制の構築にもつながります。

これにより、労働力人口の減少が問題視されている現代でも生産性を落とさずに企業活動を維持することが可能です。

DXを進めるにあたって、自社が抱える課題の把握とその解決に合ったIT技術の活用は欠かせません。

まずはペーパーレス化や自動化が可能な業務を抽出し、それに有効なシステムの導入を検討しましょう。