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ノウハウ 法務業務を効率化させる方法とは?実例も紹介

更新日:2024年10月17日

投稿日:2024年09月24日

法務業務を効率化させる方法とは?実例も紹介

法務業務を効率化させる方法とは?実例も紹介

法務は、企業が健全な事業活動を続けるために重要な存在です。

その一方で、事業の拡大と共に業務量が膨大となり非効率的な状態に陥りやすくもあります。

そのため法務の効率化は企業として積極的に取り組むべきですが、どのように効率化させれば良いのか分からない方も多いことでしょう。

 

本記事では法務が担当する業務の全容をおさらいしつつ、効率化に有効な方法やツールを使った効率化の事例など詳しく解説しますので、参考にしてみてください。


法務業務とは

法務とは、主に法律事務や法的トラブル解決のサポート、契約書の作成などを担う部門を指します。

 

企業が事業活動をするにあたって様々な法律に従う必要がありますが、経営者がそのすべてを把握することは難しく、故意でなくとも法律に抵触するリスクを伴います。

そのリスクを回避するため、法務は事業活動における適法性を判断したり、トラブル発生時に主体となって解決へ取り組んだりなどの役割を果たす部門が法務です。

 

また、近年はただ法的トラブルの回避や対策を講じるだけでなく、法的知識を活かして積極的に経営戦略をサポートする「戦略法務」にも注目が集まっています。

法務が担当する業務の全容

法務は、主に以下のような業務を担当しています。

 

・契約書の作成・チェック・管理

・株主総会や取締役会の運営サポート

・人事・労務業務の法的なサポート

・紛争やトラブル発生時の対応(相手方との交渉や訴訟手続きなど)

・法改正時における法的観点から自社の現状のチェックと対応

・コンプライアンスの推進(社内規程の作成やコンプライアンス遵守のための教育など)

 

法務は企業における法的な相談役・サポート役という役割があります。

ただし、よりレベルの高い法知識や慎重な対応を要する場合は、弁護士と連携して対応を進めていくこともあります。

法務業務の非効率化を招く課題

法務の効率化を進めるうえで重要となるのが、DX化です。

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略で、「デジタル技術を活用して従来のビジネスモデルや業務プロセスなどに変革をもたらすこと」を指します。

 

しかし、法務においては以下のような課題にDXの推進が阻まれているケースが珍しくありません。

 

・紙媒体がベースの作業が多く、自社や取引先の対応が追い付かない

・不慣れなシステムへの移行に躊躇している

・利益に直結する営業部門などのDX対応が優先となり法務は後回しにされる

 

法務業務は長きにわたり紙媒体で書類を確認・押印する文化が根付いており、「取引先同士で直接やり取りすること」に重きを置く人も少なくありません。

また、営業部門など自社の利益に直結する部門とは異なり、法務のDX推進は費用対効果を理由にシステムの刷新が後回しにされがちです。

 

自社の法務DX推進の重要性について、自社・取引先のどちらからも新たなシステムの理解を得て、レガシーシステムから脱却する必要があります。

法務業務を効率化させる方法

上述した課題をクリアしながら自社の法務業務の効率化を実現するには、大きく分けて「業務フローの整備と改善」と「電子契約システムの活用」という2つのフェーズが重要になります。

業務フローの整備と改善

業務フローの整備・改善としては、主に以下のような取り組みがあります。

契約書のひな形整備

その都度契約書を1から作成すると、契約締結までに時間がかかって非効率です。

さらに契約書は法的トラブルの際に重要な証拠となるため、入力ミスや内容の不備を防がなくてはなりません。

 

契約関連の業務効率化とリスク回避のためにも、最小限の入力で適性な契約書を作成できるひな形の整備を進めましょう。

ひな形を作成するだけでなく、事業を続ける中で顕在化したリスクや法改正に合わせて、常に内容をアップデートしていくことも大切です。

レビューの自動化

法務における主要な業務である契約書レビューは、すべて人の目と手でこなすとなれば膨大な時間がかかります。

また、重大な不備の見落としなどのヒューマンエラーが発生する恐れもあります。

 

この工程は、契約書レビュー機能を備えたデジタルツールの活用で省力化が可能です。

契約書の矛盾やリスク要素がAI技術で自動的に識別されるため、レビューにかかる時間を短縮しつつ、契約書の質も担保することができます。

窓口の一本化

契約書のレビュー依頼など、業務に関わる法務相談窓口の一本化も検討しましょう。

 

相談窓口の整備が不十分だと、法務担当者それぞれに個別で依頼が送られてきて、現状どのような依頼がどれだけ来ているのかがグループ全体で把握しにくくなります。

また、相談者としても誰にどのような形で依頼すれば良いか分からず、業務の遅滞につながる恐れもあります。

 

例えば契約書レビューなら、「契約管理システムを通して 依頼すること」「専用のメールアドレスに送ること」など、依頼方法を統一するやり方がおすすめです。

これにより相談者は迷わず依頼できるだけでなく、法務メンバー全員が依頼の現状を把握できます。

電子契約システムの活用

取り扱う取引の数が多くなるほど、紙ベースの契約業務では煩雑化やヒューマンエラーといった弊害が起こりやすくなります。

これにより法務の効率が低下している場合の対応としては、電子契約システムの活用が最適です。

 

電子契約システムなら、紙の契約書を作成しなくてもオンラインで契約締結が可能です。

紙の契約書作成に伴う印刷代・印紙代・郵送費などのコストを削減できる他、検索機能により必要な契約書のデータをすぐに引き出せるため管理も容易になります。

 

サービス提供者が電子署名を付与する「立会人型」の電子契約システムなら、自社で特別な用意をしなくても法的効力を担保した契約を締結できる点もメリットです。

法務業務効率化に活用できる「リーガルテック」とは?

法務業務の効率化に有効なデジタルツールのことを、「リーガルテック」といいます。

リーガルテックに該当するツールは、大きく以下の7種類に分けられます。

 

・電子契約システム

・文書管理システム

・契約書レビューシステム

・申請出願サービス

・紛争・訴訟支援サービス

・検索サービス

・法律事務所の業務支援サービス

 

リーガルテックはひな形テンプレート・検索機能により文書の作成・管理の手間を省いたり、AIによるチェック機能でレビューの省力化と品質の担保を同時に実現したりといった効果が得られます。

自社の法務で効率性を改善したい作業に適したリーガルテックを導入すれば、法務業務効率化も簡単に実現可能です。

法務業務効率化を進めるうえでの注意点

法律に関わる業務という性質上、法務の効率化を進める際はいくつか注意すべき点があります。

以下より、法務業務の効率化を進めるうえでの4つの注意点を解説します。

情報の正確性とリスク管理

リーガルテックの中にはAI技術を搭載したサービスもありますが、AIを活用する際は情報の正確性に注意が必要です。

 

AIは学習したデータに基づき、契約書をレビューしたり文書を作成したりします。

だからといって必ずしも完璧な成果を出せるとは限らず、誤操作や指示内容の誤りによって不適切な情報を出力してしまうリスクがあります。

 

特に小さなミスが大きなトラブルの原因となり得る法務業務の作業では、AIに依存しきらず人の手で情報を精査・修正することが重要です。

データ管理のしやすさ

法務業務では法改正の有無も随時確認し、常に最新の法律・規制を遵守する形での法的サポートが求められます。

データベースの情報が古いままでは、最新の法律・規制に基づく判断ができず事業に支障が及ぶおそれがあります。

 

そのため法務業務では効率化への取り組みと併せて、情報が最新かどうかを確認しつつ必要に応じて更新できるような、データ管理がしやすい体制を整えることも大切です。

機密管理

リーガルテックの中にはクラウドベースのサービスもあり、安全に活用するためにはセキュリティ対策も講じる必要があります。

セキュリティ対策が不十分だと、システムに入力した機密情報や顧客情報などが漏えいして重大なトラブルへつながりかねないからです。

 

特にChatGPTなどのAIサービスでは、入力された情報もAIの学習データとして活用される場合があります。

 

導入するサービスの利用規約や仕様をよく確認し、重要な情報の入力可否や情報管理の体制構築などを検討しましょう。

専門性の維持

リーガルテックは法務に関わるデータが蓄積されているからといって、使う人の法的知識が不要になるというわけではありません。

 

法務業務の本質は、担当者の法的知識をもってリスク回避や事業のサポートを行うという「専門性」にあります。

リーガルテックはあくまで法務業務の中で生じる作業の支えと認識し、使い手には法的知識を維持・アップデートするための研修などの機会を設け、正しく効率化できるように取り組みましょう。

電子契約システムを活用した法務業務効率化の実例

リーガルテックによる法務業務効率化の例として、電子契約システム「ContractS CLM」を活用して効率化に成功したケースをご紹介します。

最適なプロセスの構築で契約審査業務の迅速化・ナレッジ蓄積へ

パーソルホールディングス株式会社のグループGRC本部・法務部法務室では、日常的な業務として法務相談や契約審査を担当しています。

従来は契約審査の依頼や事業部とのやり取りをメールで行っていましたが、契約プロセスの経歴をたどることが難しいことに加え、やり取りが分散して効率が低下していました。

 

「ContractS CLM」を導入した結果、ワンプラットフォームで契約プロセスを管理できるようになり契約審査業務の迅速化に成功。

さらにシステム内で行われたやり取りは自動的に保存されるため、案件ごとのナレッジ管理も容易になりました。

最適な契約審査プロセスの構築で業務効率が向上。「ContractS CLM」でナレッジ蓄積も実現!

全国拠点の契約を一元管理して進捗共有と対応がスムーズに

株式会社キユーソー流通システムでは契約書関連の業務を他システムで半自動化していたものの、押印申請や承認フローが複雑で使い勝手が悪く、効率化の効果が得られないという課題がありました。

 

契約フローが一気通貫で可視化される「ContractS CLM」を導入したところ、フローがシンプルかつ案件ごとに契約が可視化されるため、業務がスムーズに。

グループ会社の契約も「ContractS CLM」で電子化したことで法務課が扱う契約書の件数が増えましたが、1件あたりの対応時間は効率化されているため、業務時間内に問題なく対応可能となっています。

全国拠点の契約を「ContractS CLM」へ集約。 物流ビジネスのリスクを防ぐ法務のインフラに

法務業務効率化なら電子契約システム!コスト削減やナレッジ蓄積にも効果あり

法務が担う業務は多岐にわたりますが、その中でも主要となる業務が契約書の作成・管理や審査です。

契約書のやり取りは昔ながらの紙文化が根付いており、対面かつ紙媒体で交わす契約を重んじるあまり、法務業務の効率が向上しないというケースも珍しくありません。

契約関連で法務業務の効率にお悩みの場合は、電子契約システムによる契約の電子化がおすすめです。

作成・承認・締結といった一連の流れをオンラインで行えるため効率的なうえに、印刷代や郵送費といったコストの削減や契約ごとのナレッジ蓄積といったメリットも得られます。

法務業務の正確性・効率性は、法令を遵守しながらの事業活動に欠かせない要素です。

便利なツールを取り入れながら、自社の法務業務の効率向上に取り組んでみてはいかがでしょうか。