契約書作成・電子契約締結 ContractS コントラクツ

契約業務改善 ガイドをダウンロード

契約業務改善ガイドダウンロード

ノウハウ 反社チェック自動化のメリット。自動化できる作業とツールの機能

更新日:2024年10月17日

投稿日:2024年09月24日

反社チェック自動化のメリット。自動化できる作業とツールの機能

反社チェック自動化のメリット。自動化できる作業とツールの機能

反社チェックはツールを活用することで自動化が可能です。調査範囲は多岐にわたりますが、自動化によって効率が向上し、手間も軽減できます。企業の信用を守るためにも、自動化ツールの導入は推奨されますが、利用にはコストがかかるため、費用と機能を比較しながら検討することが重要です。

 

本記事では、ツールを用いて自動化できる反社チェックの作業と、その主な機能について解説します。自社に適したシステムを選定する際の参考にしていただければ幸いです。


反社チェックを自動化する方法

反社チェックとは、契約締結前に契約相手が反社会的勢力でないかを確認するために行う調査です。仕入先候補や見込み顧客が対象となり、調査は契約担当者に限らず、組織の役員や従業員、さらには採用予定者も含まれます。

 

調査範囲が広範であるため、効率的な実施が求められます。登記情報の確認などを法務部の人材だけで行うと、従業員に多大な労力がかかります。対象者が多い場合、チェックにはさらに時間が必要です。そのため、自動化できる作業にはツールの活用が推奨されます。ツールを利用することで、業務負担の軽減と効率化が実現できます。

反社チェックを自動化するメリット

反社チェックを自動化することで、調査の効率が大幅に向上するだけでなく、ヒューマンエラーの発生が抑えられるため、調査結果の信ぴょう性が高まります。これにより、信頼性のあるデータに基づいた判断が可能となり、企業の信用を保護することにもつながります。

調査の効率アップと手間の軽減

反社チェックに必要な情報を自社で収集してひとつずつ確認するのは手間がかかります。Web検索を手作業で進めれば、情報の見落としや判断ミスが生じることもかんがえられます。

 

反社チェックの自動化を可能とするツールは、独自にデータを収集し、集めたデータを基にチェックを行う仕組みを持っています。

法人名を入力すれば判断に必要な情報を入手でき、アナログな方法でチェックする工程を減らせます。また、チェックのスピードアップにもつながります。

企業の信用を守り、安全にビジネスを運営できる

取引先に反社会的勢力が含まれていると、自社も同様に見られ、信用を失う恐れがあります。最悪の場合、他社から取引を停止されるリスクも生じます。しかし、ツールを活用すれば、反社チェックを迅速に行うことができ、取引開始前の限られた時間でも反社リスクの有無を確認することが可能です。これにより、安心して契約締結に臨むことができます。

 

さらに、反社会的勢力や関係者との取引を回避することで、犯罪やトラブルに巻き込まれるリスクも大幅に軽減されます。

反社チェックを自動化のデメリット

ツールの利用には費用がかかります。また、完全に自動化できるわけではないこと、定期的にチェックが必要な点は忘れてはなりません。

費用がかかる

ツールの利用料に加え、調査内容によっては追加費用がかかります。

ですが、時間を節約できて正確な結果を得られるため、健全な経営のためには利用したいところです。

 

反社チェックは、事業を続ける限り欠かせないと言っても過言ではありません。予算を決めて必要な機能が備わったツールを選べば、コストを抑えながら理想のツールを選べるでしょう。

人の目のチェックが不要となるわけではない

ツールは幅広い情報を基に反社チェックの結果を導き出しますが、その判断が絶対とは言い切れません。それでも、迅速に結果を提供できる点は大きな強みです。

 

ツールでの一次チェックを行い、最終確認を人間が行うダブルチェック体制を採用することで、スピードと正確性の両方を担保することができます。この方法により、チェックの効率を上げつつ、誤りを防ぎ、より信頼性の高い判断が可能になります。

取引開始後も定期的なチェックが必要な点に注意

反社チェックを行った後でも、反社会的勢力と関係を持つ個人や組織の存在を完全に否定することはできません。そのため、長期にわたる取引がある顧客に対しては、契約締結後も定期的に反社チェックを実施することが推奨されます。これにより、リスクを継続的に管理し、企業の信用と安全を保つことができます。

反社チェック自動化ツールの機能

  • RISK EYES
  • RoboRoboコンプライアンスチェック
  • アラームボックス など

 

上記のような反社チェックツールは、多くの方が耳にしたことがあるかもしれません。

 

これらのツールには共通する機能も多くありますが、それぞれ独自の機能も備えています。共通機能と独自機能を把握することで、反社チェックにおいて必須となる機能や、自社にとって必要な機能が明確になるはずです。これにより、自社に最適なツール選びが可能となります。

RISK EYESの機能

  • Webニュースや新聞記事を用いて、反社会的勢力の疑い、犯罪に関与した疑い、不祥事の疑いなどをスクリーニング
    • 「法人名」「代表者名」と「ネガティブワード(例えば逮捕など)」を組み合わせて公的記事を検索
    • 同姓同名がヒットする場合、対象者の生年期間で絞って検索できる
  • ブログ・掲示板検索
  • 一括検索

インターネット上のネガティブな評判をチェックできる

  • チェック結果の一括管理

取引先リストをアップロードすれば、全ての取引先を一括で調査できる

 

RISK EYESは、2015年以降の反社関連の報道を独自で収集しています。

反社会的勢力の排除が義務づけられている金融・保険事業者が活用するデータを反社チェックに取り入れられるのも特徴です。

 

チェック結果は法人番号と紐づいて保存されます。取引先情報が自動更新されるため、定期的なチェックの負担を軽減できます。

RoboRoboコンプライアンスチェック

  • 取引先の一括登録
  • ネガティブワードなどのチェック条件の追加や削除ができる
  • 自動検索

選択した取引先について、インターネット上の全ての情報を検索する

  • 自動取得

チェック結果をPDF、Excel、CSVで保存できる

  • 記事のチェック結果を「高・中・低」の3段階で表示※リスクレベル「高」の記事について生成AIが要約
  • インターネット・新聞記事の同時検索
  • API連携に対応
  • チェック結果の取引管理判断のコメントを残せる

 

Excelのファイルをシステムで読み込むだけで、取引先を一括管理できます。システムで読み込んだExcelファイルをシステムからダウンロードすることも可能です。

 

取引先について法人番号の取得や代表者名の最新化、取引先リストが重複してる場合は一方の削除を一括で行います。

 

チェック業務のノンコア業務のアウトソーシングにも対応します。

アラームボックス

  • 口コミサイトやSNS、提携している調査会社や公的機関の情報を取得
  • 企業のリスク情報を3段階(「要警戒・注意・チェック」)表示※メールでの通知にも対応
  • 反社チェック、信用状況の他、与信情報や支払い情報といった独自の項目についてもレポートにまとめられる
  • API連携可

 

レポートは会計の知識がなくても理解できる内容です。

ツールの比較ポイント

どこまで調査するのか、API連携の可否はチェックしておきたいポイントです。

どこまで調査するか

ツールによってどこまで参照するか異なります。Web情報だけではなく新聞記事や官報、警察関連の組織が調査したデータベースなど、信頼性の高い情報源を複数持つツールだと、精度の高さを期待できます。

 

さらに、スクリーニング機能の付いたものだと、調査と無関係な情報が省かれ、確認したい情報元のチェックに時間をかけられます。

 

データの更新頻度も重要です。古いデータが基だと、現状の調査にならないためです。

API連携の可否

反社チェックに複数の部署が関わる場合、反社チェックツールと業務に用いるツール(顧客管理システムや電子契約システムなど)と連携できると、結果をすぐに共有できて契約締結までがスムーズです。

自動化できる作業

  • 調査対象者の一括登録
  • 検索
  • 反社判定
  • チェック結果の保存
  • チェック完了通知 など

調査対象者の一括登録

ツールでチェックを行う際、まず調査対象者の登録が必要です。顧客名簿などのデータファイルをシステムに登録することで、調査対象者を自動的に登録できる機能があります。この一括登録機能により、調査対象者が多くても手入力の手間を大幅に省くことができ、効率的にチェックを開始できます。

検索

条件やキーワードを事前に設定することで、調査対象者について設定に基づいて自動で検索します。検索の手間が軽くなります。

反社判定

検索結果から対象者が該当するかどうかをツールが自動で判断する機能があります。

インターネットや新聞記事など、本文を確認しないと正確な判断が難しい情報源を全て確認するのは大きな負担です。

 

しかし、最初にツールが判定結果を提示してくれることで、無関係な記事を閲覧せずに済みます。問題のない結果が出た場合や、内容が重複する記事が複数ヒットした場合は、気になるものだけを確認すればよく、調査の負担が軽減されます。

チェック結果の保存

調査対象者ごとにチェック結果をひと目で分かるよう保存する機能です。

判定の根拠が残されると、定期チェックの際に過去と同一の情報源であれば内容確認しなくて良いなどを判断できます。判定結果を誤って保存することも防げます。

チェック完了通知

チェック完了をツールが知らせる機能です。

チェックにかかる時間は調査対象者数や項目で異なります。チェック終了のタイミングが分かれば、担当者は進捗を逐一確認せずに他の業務に集中できます。

自動化できない作業

検索キーワードのカスタマイズや追加調査など、自動化できない作業もあります。

調査対象者の名簿ファイル作成

名簿ファイルは対象者の登録に必要となります。あらかじめ対象者をまとめておくことが求められます。

検索キーワードのカスタマイズ

逮捕といった一般的なネガティブワードはツールで設定できます。ところが、業界独自の用語や関連法令、自社の関連ワードなどは、手作業での編集が必要です。

聞き取りで入手した情報の保存

面談・面接や実務を通じて得た情報は、人間が最終判断する時に有効です。インターネットで検索できる情報でないため、自社で文書などにまとめて一括管理しておかなければなりません。

追加調査

ツールによる調査結果から、追加で調査が必要と判断されることもあります。

追加調査には現地調査など自動化できないものも含まれます。ただし、外部の調査会社などに依頼すれば、調査の手間は省けます。

まとめ

反社チェックの自動化で効率化が図られ、法務部門の負担が軽減されます。そして、企業の信用を守るために有効な手段です。

ただし、システムの利用には費用がかかるので、ツールを検討する際は、コストと機能を確認し、自社に最適なものを選定することが求められます。

反社チェックの自動化で、効率的かつ正確なチェック体制を整え、安心して事業を継続できるようにしましょう。