ノウハウ 総務など管理部門の業務改善方法とメリット。業務効率化成功例も
更新日:2024年10月17日
投稿日:2024年09月24日
総務など管理部門の業務改善方法とメリット。業務効率化成功例も
契約業務をはじめ、バックオフィスの業務範囲は多岐にわたります。故に、改善の必要な業務が法務や総務部門など、部署ごとに異なるかと思います
本記事では管理部門のよくある課題と解決策を取り上げています。
バックオフィス(管理部門)の重要性、業務効率化のメリットと成功例もあわせてご紹介いたします。
バックオフィスとは?その重要性と役割
バックオフィスとは、顧客とは基本的にやりとりしない、社内向けの業務や職種のことです。人事や総務、経理などを指します。
バックオフィスは顧客とのやりとりを伴う業務・職種をサポートします。
顧客とやりとりを行う営業やカスタマーサポートなどはフロントオフィス(直接部門)、バックオフィスは「間接部門」「管理部門」とも呼ばれます。
バックオフィスは、ヒト・モノ・カネ・情報を管理する業務です。要するに、企業のリソースを管理しているということです。経営と深く関わっているとも言えるでしょう。
バックオフィス業務が円滑に進むことは、リソースの適切な分配と活用をもたらします。
企業の生産性に寄与するバックオフィスの機能
バックオフィス業務は標準化しやすい作業が多く、ツールやシステムを活用して業務効率化を図りやすいです。
ツールやシステムの導入効果が出れば、フロントオフィスをはじめ、他の部門でも導入を前向きに検討できるでしょう。フロントオフィスを支えるバックオフィスの業務効率化によって、フロントオフィスの業務効率化も図られ、組織全体の生産性向上が期待されます。
また、業務効率化は、無駄なコスト削減にも貢献します。人材や資金など限られたリソースを上手く使えて利益を出せることは、生産性が高いと言えます。
間接部門のよくある課題と解決策
業務の属人化や人手不足、アナログ作業の多さは、業務効率や従業員の負担増に影響します。業務範囲の広さも、従業員の負担を重くします。
間接部門の業務におけるよくある課題と解決策をご紹介します。
業務の属人化
間接部門(バックオフィス・管理部門)の業務はシステム化しやすいものが多くあります。しかし、法務部門など専門的な知識を要するものも多いです。
業務が多岐にわたることもあり、マニュアルの作成や人材育成まで手が回らないという課題を抱えやすいです。結果、専門性やスキルの求められる業務を対応できる人が限られる状態に陥ります。
解決策として、業務フローの見える化やシステムの連携など、特定の人しか業務の進捗が分からない状態にしないことが大切です。誰もがシステムにアクセスしたり進捗確認したりできれば、余裕のある人が着手することも可能です。
人手不足
業務量の多いバックオフィスは、人手不足に陥りやすいです。
企業のリソースを管理する重要な業務を担うにも関わらず、顧客と直接やりとりして利益に直結する部門ではないことから、予算が割り当てられず、人材採用が難しいというケースも少なくありません。
また、専門的な知識・スキルが求められる業務に関しては、要件とマッチする人材が集まりにくいという事情もあります。
そのため、人手不足で1人あたりの負担が大きくなり、他のメンバーのサポートまで手が回らず、ますます属人化が進みかねません。
対策として、人手不足の解消にもツールが役立ちます。自動化できる工程の自動化で、今いる従業員の負担を軽減しながら効率化できるためです。
外注費はかかるものの、アウトソーシングも人手不足の対策には有効です。
業務が多岐にわたり負担が大きい
直接部門(フロントオフィス)のサポートや社内環境の整備や事務手続きなど、間接部門は業務範囲が広いです。
人手が足りなければ、あらゆる業務を限られた人数で回さなければならず、従業員の負担増につながります。
そのため、ITツール・システムやアウトソーシングの他、業務内容やプロセスの見直しと改善にも取り組む価値があります。
例えば、業務内容・フローの洗い出しで、重複している業務や無駄な工程が見つかり、一元管理、無駄な作業・工程の削減や手順の見直しで、タスクを減らせる場合があります。やるべきことが減れば、従業員の負担も軽減されるはずです。
従業員の適性に応じた業務の割り当ても、業務をスムーズに進められて負担を小さくできる可能性があります。
アナログ作業に手間がかかる
契約書などの文書を紙で管理しているなど、デジタル化が進んでいないケースも珍しくありません。
紙媒体は検索に時間がかかり、書類のやりとりを伴う場合、郵送と受領までにやることが多く、完了までのスパンが長いです。
電子化できるものについてはデジタルへ移行すると、完了までスムーズになるでしょう。管理もシステム上ででき、効率化も図れます。
部署別の業務効率化ポイントと具体例
- 法務部門
- 総務部門
- 人事部門
- 経理部門
上記4つの部署ごとに業務効率化のポイントを解説します。
法務部門での業務効率化ポイント
法務部門は、契約書の作成やリーガルチェック、コンプライアンスのための体制づくりなど、法令関係の業務を担う部署です。
業務効率化の手段として、電子契約システムの導入が挙げられます。契約業務フローが見える化されることで、業務スピードが早くなり、契約書の作成から締結、管理と更新に至るまでシステム上で対応可能です。
簡易的なリーガルチェックもシステムに委譲することもできます。例えば、不備や変更が反映されていないなどを、的確かつスピーディーに検知し、人の目による見落としを防げます。
契約業務以外にも、法令を遵守するため、他の部署から法務部門に法令に関する質問が寄せられる法務相談の対応もあるでしょう。
よくある質問に関しては、AIに対応を任せるなどでひとつひとつ回答するよりも時間短縮でき、重要性や緊急性が高い他の業務に集中できるようになります。
総務部門での業務効率化ポイント
総務部門は、会社によっては人事や経理の業務も担うことがありますが、主に備品の管理と発注、社内規程(社内規定)の作成・整備、福利厚生に関する業務を担う部門とされます。
業務内容やフローの洗い出しで省ける作業を止める、進捗確認や業務工程を標準化し、システム化できるITツールやシステムを導入する、アウトソーシングを活用するなどがおすすめです。
人事部門での業務効率化ポイント
人事部門は、人材採用、人材育成を目的とした研修、人事評価制度の整備などを担います。
従業員データや給与情報や人事評価などを一元管理できるシステムの活用、給与計算ソフトと勤怠管理システムの連携などが業務効率化に有効です。
経理部門での業務効率化ポイント
経理部門は、経費精算、伝票整理、給与計算、税務申告などを担います。
専門的な知識が求められるものの紙ベースで業務を進めることも多く、ミスの防止や効率アップに課題を感じやすい部署です。
書類作成までできる会計ソフトや電子請求書の導入、専門的な知識・スキルを持つ人へのアウトソーシングなどで、ヒューマンエラーの対策をしながら業務効率も改善されるでしょう。
バックオフィス業務効率化のメリット
バックオフィス業務の効率化は、コスト削減と生産性向上に加え、人為的ミスと属人化の防止にもつながります。
コスト削減
ITツールの導入でアナログ作業の自動化ができれば、作業工数が減り、完了までスピーディーになるでしょう。
自動化できる作業が増えれば、従業員の負担が軽減されます。長時間労働の解消にもつながり、人件費を削減できます。
また、書類の電子化は、保管の手間の軽減や検索性の向上を可能にします。加えて、印刷や郵送せずに文書を共有できるようになることで、印刷代などのコストも抑えられます。
人為的ミスの防止
データ入力や文書チェックなどを人の手に頼る場合、ヒューマンエラーのリスクがあります。
ツールを用いて自動化することで、作業のスピードアップを図りつつ、ミスを減らせます。
生産性の向上
ツールの導入で業務効率がアップすれば、増員が難しくても質の高い成果を増やせる可能性が広がり生産性を向上させることもできます。
アナログ作業を減らしたり、作業の仕組み化による業務効率化で、重要度の高い業務に費やす時間を増やせます。また、質の高い仕事をしやすくなるでしょう。
フロントオフィスを支えるバックオフィス業務の生産性向上により、フロントオフィスの生産性向上も見込まれ、社内全体の生産性向上を期待できます。
属人化防止
進捗を把握できるツールや、マニュアルなど業務に必要な書類・文書のクラウドへの保存は、特定の人しか業務を進められない、状況把握できないといった事態を避けられます。
進捗確認や検索性向上のための取り組みが、属人化の解消にも役立ちます。
デジタル化による効果
デジタル化によって、企業のペーパーレスを進めることができます。
ペーパーレス化のためにはクラウドサービスなどのシステムを活用することになります。出社しなくても業務を進められるおかげで、リモートワークも導入しやすいといった効果もあります。
ペーパーレス化
紙の書類のままだと印刷や郵送といった付随業務が発生します。ペーパーレス化によって文書が電子化されれば、データのまま共有でき、業務フローやコスト削減につながります。
電子化で書類はクラウド上に保存されるため、紙と比較して紛失リスクが下がります。
電子契約システムによりリモートワーク対応
法改正で電子契約などデジタルによる手続きが広く認められるようになりました。
書類のペーパーレス化は、デジタルを用いたやりとりの第一歩です。
リモートワークの推進に一役買うのが電子契約システムです。システム上で契約締結まで完結するため、押印や郵送のための出社が不要となり、場所を問わず契約業務を進められます。
郵送よりも短時間で締結ができることもメリットです。
クラウドを活用し誰でもどこからでもアクセス
請求書の発行や電子書類の保管などはクラウドサービスを活用できます。
クラウドサービスによって、場所を問わず作業を進められます。複数人がアクセスして同時に閲覧や編集することも可能です。
業務効率化の具体的なステップ
- 業務の現状を可視化する
- スキル別に施策を立案する
現状の業務を可視化する
業務フローから無駄を取り除いたり改善できる作業を突き止める上で、業務の可視化は欠かせません。
まず、業務の完成までに必要な作業やタスクを洗い出し、業務を細かく分けた作業やタスクごとに以下を分析します。
- 完成にかかる時間
- 発生頻度
- 難易度
- 資料やシステムなど遂行に必要な情報
- 仕組み化できる作業か否か など
※仕組み化できるものについては仕組み化までの手順も
スキル別に施策を立案する
求められるスキルのレベルごとに業務を分類します。
高いスキルの求められる業務をシンプルにしたり仕組み化できると、属人化の解消につながります。アウトソーシングも依頼しやすくなります。
属人化の防止は、担当者の不在時に業務が止まる状態を避けられます。
高いスキルの求められる業務について、なぜスキルが必要とされるのか考えることで、課題解決に必要なことが見えてきます。
例えば限られた人しか進め方を知らない状態であればマニュアルを用意する、アナログ作業が多いのであればITツールの導入で誰もが同じ質を保てるようにする、といった対策を講じられます。
法務部門の業務効率化成功例
契約業務の可視化・自動化と、一元管理に成功した事例を紹介します。どちらも、契約ライフサイクル管理システム『ContractS CLM』の活用で課題を解決しました。
株式会社ネオキャリア様の事例
契約書関連のコミュニケーションにメール、電話、チャットツールと複数の手段が用いられたために、情報が分散していました。
特に連絡の見落としや更新期限の管理不備など、案件管理に課題を感じ、契約締結までのプロセスも複雑でした。
法務部は少数精鋭。故に、電子化による効率アップは避けられない状況でした。
ContractS CLMの導入により、ステータスがひと目で分かるようになり、業務効率が大きくアップしました。
システム上で契約審査の管理ができるようになったことで、連絡の見落としや回答の遅延が減少するなどの効果も出ています。
Contract CLMで業務の可視化・自動化を実現! 「迷わない」仕組みで契約リードタイムの短縮に成功
日本システムバンク株式会社様の事例
契約は基本的に紙ベースで行われ、全国の拠点で契約書の管理体制や進め方が統一されておらず、契約書作成を担う本社総務で進捗の把握が難しい状態にありました。
紙の契約書が膨大な量になり、探すのにも手間がかかるなど複数の課題を抱えていました。
そこで、過去の契約書も含めてデータ化し、検索性の向上と契約業務のプロセスを一元化したいと考えて情報収集を開始、ContractS CLMを使うことで紙の契約書が中心であるものの、各拠点の契約書はContractS CLMで管理できる状態のため、拠点ごとの進捗を本社で把握することが容易になりました。
過去の契約書もシステムにアップし、検索性も向上しています。
全国15拠点ある事業所の契約情報を一元管理! コンプライアンスリスク低減を目指すフロー構築を実現
まとめ
管理部門(バックオフィス)業務の効率化は、組織全体の生産性向上につながります。
法務、総務、人事、経理など、部門ごとに異なる課題を抱えているかと思います。電子契約システムなど課題解決をサポートするツールの導入で、業務効率化による生産性向上はもちろん、ヒューマンエラーや属人化の防止にもつながります。
自社の課題を洗い出し、システムの機能や成功例を比較しながら検討してみてください。