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ノウハウ 労働生産性とは?生産性向上3つのメリットと具体的な5つの方法

投稿日:2024年08月27日

労働生産性とは?生産性向上3つのメリットと具体的な5つの方法

労働生産性とは?生産性向上3つのメリットと具体的な5つの方法

人手不足や組織の人々の意識改革が進んでいない企業の多くで、長時間労働が問題となっています。

長時間労働を是正するには労働生産性の向上が求められます。では、労働生産性とは何を意味するのでしょう。

 

本記事では労働生産性の定義と計算方法、生産性向上のメリットと具体的な方法を紹介しています。自社の施策に取り入れるべきことが明確になるはずです。


労働生産性とは?

労働者1人あたり、または1時間あたりの成果を数値化したものです。

数値が大きいほど成果を出せている、要するに生産性が高いと言えます。

 

労働生産性には「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」があり、それぞれ何を成果とするかが異なります。

物的労働生産性の定義と計算方法

かけた労働量(労働者数や労働時間)でどれくらいの生産量を挙げられたかを数値で表します。

 

物的労働生産性=生産量÷労働量

 

例えば、20人で5時間かけて100個の商品を製造できたケース。1人あたりの物的労働生産性と1時間あたりの物的労働生産性は、以下のように計算します。

 

1人あたりの生産性は100÷20=5(個)

1時間あたりの生産性は100÷5=20(個)

付加価値労働生産性の定義と計算方法

かけた労働量でどれくらいの付加価値を生み出したか数値化したものです。



付加価値労働生産性=付加価値額÷労働量

※付加価値額=売上-材料費や運送費などの経費

 

例えば20人で5時間かけて10,000円の売上を出したとします。経費は2,000円かかった場合下記のようになります。

 

付加価値額は10,000-2,000=8,000(円)

 

1人あたりの生産性は8,000÷20=400(円)

1時間あたりの生産性は8,000÷5=1,600(円)

長時間労働の要因

厚生労働省の資料によると、長時間労働の要因は大きく下記の3つに分けられます。

 

  • 業務量に対して労働者が少ない
  • 業務の進め方が非効率的
  • 管理者や労働者の意識改革が進んでいない

 

人手不足の場合、残業しないと納期に間に合わないことも珍しくありません。

業務フローの無駄を見直さない、効率アップをサポートするツールを導入しないなどは、業務効率化を難しくします。

 

また、社内での立場に関係なく、長時間労働を評価していたり残業を前提にスケジュールを組んだりしていると、長い時間働くことが当たり前になってしまいます。

働き方改革の意義と目標

労働時間に気をつけながら生産性向上を図る上で密接に関係するのが働き方改革です。

そもそも、なぜ働き方改革が謳われるようになったのでしょうか。

働き方改革の背景と目的

少子高齢化による現役世代の減少や働き方の多様化に対応するため、生産性向上、就業機会の拡大、労働者にとって働きやすい環境の提供が求められています。これにより、企業は効率的な業務運営を行いつつ、労働者がより充実した仕事と生活のバランスを実現できるよう取り組む必要があります。

 

働き方改革は、働く人々の状況やニーズに応じた柔軟な働き方の選択を可能にすることを目指しています。具体的には、労働時間の柔軟化、リモートワークの推進、仕事と家庭の両立支援などが含まれます。この改革を通じて、労働者が自身のライフスタイルや家族状況に応じた働き方を選びやすくし、また、企業も労働者の多様なニーズに応えながら生産性を高めることが期待されています。これにより、全体的な働きやすさが向上し、持続可能な社会の構築に寄与することが目指されています。

36協定とその影響

働き方改革に取り組む際に気をつけるべきこととして、36協定があります。36協定が労働時間にどのように影響するのでしょうか。

 

長時間労働は、ワークライフバランスをとることを難しくする要因になり得ます。働き方改革の目指す姿に反するということです。

そこで、長時間労働の是正を目的に労働基準法が改正され、労働時間に罰則付きの上限が設けられました。

 

法律で定めた時間を超えて労働者を働かせる場合、36協定の締結が必要です。

労働時間・休日について、法律では以下を原則とします。

  • 8時間/日、40時間/週の労働時間
  • 毎週最低1回の休日

 

36協定に合意したら、所轄労働基準監督署長に36協定届の提出も必要です。

 

36協定を締結したとしても、時間外労働の上限と時間外労働を行う業務の種類は設定しなければなりません。

一時的な繫忙期など臨時的な特別な事情で時間外労働が必要な場合でも、以下を超す時間外労働は認められません。

 

  • 年720時間以内
  • 時間外労働と休日労働が合計100時間/月未満
  • 「2ヶ月平均」「3ヶ月平均」「4ヶ月平均」「5ヶ月平均」「6ヶ月平均」それぞれの時間外労働と休日労働の合計が80時間/月未満
  • 時間外労働が月45時間を超えられるのは6ヶ月/年まで

 

36協定に合意していても、時間外労働や休日労働は最小限にするよう求められます。

また、法改正前とは異なる労働時間の管理も必要になります。

 

  1. 時間外労働、休日労働について36協定を締結
  2. 毎月の時間外労働と休日労働の時間と合計を把握
  3. 年度(36協定対象期間)の時間外労働が月45時間を超えた回数と時間外労働の累積時間数を把握
  4. 毎月の時間外労働と休日労働の合計時間について、2~6ヶ月平均時間数を計算
  5. 1~4で把握した前月までの実績から、今月の時間外労働と休日労働の最大可能時間数を算出

 

参考:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

労働生産性向上のメリット

  • 競争力の強化 
  • ワークライフバランスの実現 
  • コスト削減と利益向上

企業競争力の強化

従業員数や労働時間を変えずに生産性が上がれば、同じリソースでこれまで以上に多くの製品やサービスを提供できるようになり、コストパフォーマンスの高い製品・サービスの提供が期待されます。

 

生産性向上を目的とした業務フローの改善の一環としてプロセスの自動化などを実施すると、品質を高く保ち続けやすいです。質の高い製品・サービスの提供は、企業への信用につながり、消費者から選ばれやすくなります。

ワークライフバランスの実現

生産性向上により、労働時間を減らしても同じ成果を上げられるようになります。残業や休日出勤が減れば、従業員がプライベートの時間を確保しやすくなります。

 

プライベートの時間がとれると、従業員の心身の負担が軽減されます。ストレスが少ない状態で働けることは、モチベーションアップにも貢献するでしょう。

コスト削減と利益向上

人手不足を解消するために人材採用したくても、採用活動が上手く行くことばかりではありません。生産性向上を実現できれば、今いる従業員の負担を軽減しながら、利益を増やすことも可能にします。

 

効率的に業務を進められれば、残業代などのコストをカットできます。削減できたコストは、生産性向上のためのツール導入や、新規事業への投資などに有効活用できます。

生産性向上のための具体的な方法

ITツールの導入や業務プロセスの改善が思いつきやすい方法かと思います。

他には、業務の外注や従業員の労働環境と処遇の改善、5S活動なども有効です。

5S活動の実施

5Sとは整理、整頓、清潔、清掃、躾の頭文字をまとめて指す言葉です。

 

整理:業務に必要なものと不要なものを仕分けて不要なものを処分すること

整頓:探す時間の無駄をなくすため、業務で使うものの置き場所を決めること

清潔:衛生管理

清掃:定期的な清掃などで職場の環境美化に努めること

躾:上記を実行して習慣化すること



製造業で採用されることが多いですが、生産性向上を目指すのであれば、業種に関係なく取り組んだ方が良いと言われています。

 

生産性向上を実現する5S活動とするには、効率化を妨げる課題を明確にし、解決に向けた計画を立てることから始まります。計画は組織の全ての人に周知し、習慣化しましょう。

実施後は改善策が社内で当たり前のものとなって生産性がアップしたかチェックし、さらなる生産性向上に向けて取り組むことはあるか考えて実行する、という流れを繰り返します。

ITツールの導入

手作業の業務の中には、ITツールを活用して自動化することで、スピーディーに進めつつムラをなくせるものもあります。

 

新しいシステムの導入で、業務フローに変更が伴うかもしれません。ツールに慣れるまで、業務を進めるのに時間がかかることも予想されます。

それを踏まえ、操作性の良いものを選定することはもちろん、導入目的と使い方の共有も欠かせません。

業務プロセスの可視化と改善

全ての従業員の業務内容と工程が分かると、定型化できる業務や無駄な工程が見えてきます。

 

業務分担を見直して1つの部署や共通システムで進行・管理できるようにしたり、業務フローを見直したりすることで、効率アップを見込めます。

 

誰が進めても支障のない業務については、マニュアルの用意やパターン化などを行うことで誰もが均一に進められるようになるはずです。

業務の外注

新規プロジェクトの進行など企業の今後を左右する業務に集中したい場合、業務量を調整しないと従業員の負担が大きくなってしまいます。

そこで、請求書の作成や新規顧客のアポ取りなど、いわゆるノンコア業務(直接は利益を生まず、型に当てはめて進められる業務)のアウトソーシングがおすすめです。

 

利益に直結する業務(コア業務)に注力できると、コア業務をスピーディーに進めやすいです。

ノンコア業務は一見誰もができそうな業務です。ところが、誰かが他の業務と兼任して進めるが故に属人化が進みやすいです。結果、担当者が不在だと他の人が対応できないことも珍しくありません。

パターン化して外注することで、属人化の解消も実現します。

従業員の労働環境と処遇の改善

従業員が働きやすい環境や、労働時間ではなく成果や取り組みを評価する仕組みの整備などは、モチベーションアップのきっかけになります。

労働時間の長さに関係なく成果が評価されると分かれば、限られた時間で成果を出せるよう工夫するでしょう。高いモチベーションとの相乗効果で、生産性向上を期待できます。

 

職場に求める環境や人事評価の疑問点を従業員にヒアリングして改善に活かすことがポイントです。

ワークライフバランスの推進

生産性向上とワークライフバランスの実現には深い関係があります。

従業員のワークライフバランス推進のために企業ができる方法を3つ紹介します。

テレワークの導入と推進

テレワークは、従業員が好きな場所で仕事することを可能にします。集中しやすい環境で働けて、生産性アップを期待できます。

 

テレワークで通勤も不要になり、休息を増やせるなどによりストレスが緩和されるでしょう。

 

通勤に充てていた時間をプライベートの時間に充てることもできます。

ワークライフバランスのとれた働き方を認める企業に対し、従業員はポジティブな評価をするはずです。従業員満足度向上による人材の定着、というメリットも得られるでしょう。

 

それに伴い、ITツールは、出社しなければできない業務を減らすことができテレワークの導入もサポートします。

勤務間インターバル制度の導入

1日の勤務終了から翌日の出社までに一定時間以上を空ける制度です。労働者の休息とプライベートの時間を確保できるようにすることが目的です。

 

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律により、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(労働時間等設定改善法)が改正され、勤務間インターバル制度の導入が努力義務となりました。

厚生労働省は、実際に導入した企業の事例を公表しています。

取組・参考事例検索

 

「仕事と育児を両立できるようになった」といった声が従業員から寄せられている企業の事例などを見ると、努力義務になったからだけではなく、従業員のワークライフバランスを大切にするためには、勤務間インターバル制度を試す価値はあります。

ノー残業デーの設定

残業できないとなると、限られた時間で成果を上げようとするはずです。業務フローや優先順位の見直しで無駄が減り、生産性が向上するでしょう。

 

ノー残業デーをきっかけに、定時で退社する意識が高まります。長時間労働への対策に真剣に取り組み、労働時間が削減されたら、従業員の心身の健康増進にも貢献します。

 

適正な労働時間で働けて健康な状態を保てれば、充実したプライベートを過ごせるでしょう。やりたいことに取り組めると、仕事にも前向きに取り組めるようになることが予想されます。

まとめ

労働生産性の向上は、企業の競争力を強化するだけでなく、従業員のワークライフバランスの実現にもつながります。長時間労働を見直し、効率的な働き方を追求することは、企業と従業員の両方にメリットをもたらします。生産性向上に向けた課題を把握し、解決を期待できる施策から始めてみてください。

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