ノウハウ DX7つの目的。目標達成するための進め方とは
更新日:2024年10月31日
投稿日:2024年07月22日
DX7つの目的。目標達成するための進め方とは
DXとはデジタルツールの導入によって新たな価値を生み出すことです。
企業によってミッションは異なるかと思います。故に、DX化の目的も違うでしょう。
DXの目的によって取り組みや選定すべきツールも変わってくることから、なぜDX化するのかを明確にすることが大切です。
DXが必要とされる背景と可能にすることとあわせて、業務効率化や新しいビジネスチャンスの獲得といった7つの目的と、DXで実現したいことを達成するための進め方を紹介していきます。
DXとは?
経済産業省は、「デジタル技術やデータを用いて顧客目線で新たな価値をつくり出すこと」と定義しています。
DXはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語です。
混同されやすい言葉に「IT化」や「デジタル化」があります。
IT化とは、アナログで行っている業務にITツールを導入してデジタルへ移行することです。
デジタル化は、業務効率化や生産性向上などを目的にデジタル技術を導入することです。
DXが必要とされる背景
- 競争優位性の維持確保
- 生産性の向上
- 環境変化への対応
競争優位性の維持確保
DXに取り組むにあたり、既存のシステムなどを入れ替えることもあるでしょう。新しいシステムによって、業務効率化や新たなデータの獲得を実現できるかもしれません。
生まれたゆとりの時間を、新しい製品・サービスを考えたり、データを分析してニーズがあるかを検討したりすることができます。
新たな価値を製品はもちろん、企業イメージにも反映できると、他社との差別化を図れます。
生産性の向上
DXは、デジタル化によって新たな価値を生むことを目指します。デジタルツール導入をきっかけに業務フローが見直されることで、業務効率がアップすることは珍しくありません。業務効率化の結果、生産性向上も期待できます。
環境変化への対応
現在のシステムを導入した当初と比較すると、社会や市場を取り巻く環境は大きく変わっているでしょう。社内の変化と共に、消費者のニーズも変わってきます。
最新技術を上手に活用しながら、今のニーズを知り、発展し続ける企業であるためには、DXは重要です。
DXの目的
デジタル技術やツールを導入することではありません。
DXが必要とされる背景と重なりますが、業務効率化や消費者ニーズの変化への対応が求められます。
他にも、以下のような目的を持ちます。
- システム老朽化への対応
- 新たなビジネスチャンス
- 顧客体験の改善と顧客満足度の向上
- 市場での立ち位置の獲得
- テレワークやリモートワークの導入
業務効率化
デジタルツールを用いて業務効率化・生産性向上を果たした結果DXの目的を達成できるということは、業務効率化もDX初期の目標と言えるでしょう。
ヒューマンエラーをなくすために自動化できることは自動化する、データを活用したスピーディーな意思決定などに取り組むことで、DXで実現したいことを達成するための事業に注力できるようになるはずです。
消費者ニーズの変化への対応
インターネットやSNSの普及で、消費者は商品やサービスを選択するまでに参考にする情報源が増えました。SNSの投稿や口コミが決定打になることもあります。
新型コロナをきっかけに、オンラインショッピングを利用する人も増えています。SNSの活用やインターネットショッピングできる環境を提供することは、消費者に新しい体験をもたらします。
システム老朽化への対応
古いシステムは、サポートが終了する可能性が高いです。サポートの終了でセキュリティレベルが下がれば、不正アクセスなどのリスクが高まります。
また、システムが今の時代に合っていないと、組織の課題解決は難しいです。カスタマイズして対応した結果、使い勝手が悪くなることもあり得ます。
組織の現状に合わない、既存のシステムについて詳しい技術者がいないなどの場合、DX推進のために新しいシステムと入れ替えるきっかけになります。
新たなビジネスチャンス
新ビジネスを始めるにあたり、消費者の声を集めてニーズを分析することが欠かせません。
デジタル技術を用いることで、消費者の意見の収集と分析の手間が省かれスピーディーになります。需要はあるものの供給がないサービスなども見えてくるはずです。
デジタル技術の発展で、これまでできなかったことが実現できる可能性が高まります。新しい製品・サービスを開発できるかもしれません。
顧客体験の改善と顧客満足度の向上
顧客の購入・利用履歴から今後おすすめのものを提案できるなどは、購入・利用履歴が店舗と紐づいているためです。
企業が顧客のデータを集めることで、顧客ひとりひとりに合わせた提案がしやすくなります。自分のニーズを満たす商品・サービスを提供されることで、顧客満足度の向上を期待できます。
顧客自身で会員サイトやアプリから履歴を確認できることで、今後の購入や利用計画を立てやすいなど、消費者にもメリットがあります。
市場での立ち位置の獲得
新しいデジタル技術をいち早く取り入れることで、社会や市場の変化にスピーディーに対応できます。社内に蓄積された膨大なデータも用いれば、独自性のある事業を進められるかもしれません。
テレワークやリモートワークの導入
業務フローにデジタルツールを導入するということは、オンラインで完結することが増えるということです。紙でやりとりしている契約業務に電子契約サービスを導入し、契約書の作成から締結、管理までサービス上で完結するなどの事例です。
オンラインでできることが増え、出社の回数を減らしても進捗に影響がないと分かれば、テレワーク・リモートワークを取り入れやすいでしょう。
テレワークやリモートワークは、集中しやすい場所で仕事を進めることを可能にします。通勤ラッシュに悩まされたり、通勤時間を短縮できたりすれば、心身の疲れも和らぐでしょう。
ストレスを軽減しながら働きやすいこと、そして、ワークライフバランスをとりやすくなることで、生産性向上や従業員からの会社に対する満足度の向上も期待できます。
DX化が可能にすること
業務効率化や新しいビジネスチャンスの獲得にとどまらず、下記も実現します。
- 人材不足の解消
- 意思決定の迅速化と最適化
- BCP
人材不足の解消
従業員の負担を軽減して業務をこなすことを考えると、人手不足を痛感する企業は多いのではないでしょうか。
長時間労働の対策に取り組みながら、従業員の適性なども考えて人材を配置するのは、容易ではありません。
人の手に頼ってきた業務のうち、デジタルツールを駆使して自動化できれば、従業員の負担が軽減されるはずです。業務の負担を減らして労働時間が是正されれば、働きやすさも変わるでしょう。
意思決定の迅速化と最適化
デジタルツールのおかげで、データ解析や共有がスムーズになります。信頼できる情報に基づく意思決定をスピーディーに行えます。
BCP
BCPとはBusiness Continuity Planを略した言葉で、「事業継続計画」という意味です。自然災害といった不測の事態が起きた時、早期復旧と事業を継続するための対策を用意した計画のことです。
業務プロセスや事業に必要な資料・書類がデジタル化されていれば、必要な情報をすぐに見つけ出せる、資料や書類を失うリスクが低いなどのメリットを得られます。結果、損害を最小限に食い止められ、事業の再開にかかる時間も少なくできるはずです。
業務フローやシステムがシンプルになっていることも、早期復旧を助けます。
DXの進め方
- 戦略策定
- チームづくり
- 現状分析とツールの選定
- デジタル化に移行
- 定期的な振り返りと改良の繰り返し
戦略策定
DXを進める目的を明確にして企業で達成したいことを具体的にしてから始めることで、やるべきことを優先順位を立てながら取りかかれます。
DXは、組織全体で協力して進めることが求められます。故に、DXの目的を設定して周知することが大切です。
体制の構築
DXは社内で一体となって進めることがポイントではあります。そこで、デジタルに詳しい、DX推進を引っ張る力があるといった人材がチームとなり、チームを中心に進めることでまとまりがより出ます。
意思決定やトラブル対応など、重大かつスピード感を求められる業務が発生した場合、責任を持って対処できる部門があると安心です。
現状分析とツールの選定
現状の課題解決や目標達成に向けて既存のツールが合っているかチェックします。
トレンドに合う機能がないなど使い勝手が悪いと思われるものは、適切なものに変えればコスト削減できる可能性があります。
企業がやるべきことを洗い出し、取り組みと相性の良いツールを選びましょう。
デジタル化に移行
選定したツールを導入し、実際に業務で使ってみます。
最初から全てをデジタル化すると、混乱を招く恐れがあります。社外とのやりとりでは、取引先からの協力も必要です。
社内文書の電子化など、社内の業務から徐々に始めてみてください。
デジタル化を進めることを全従業員に周知すること、新しいツールの使い方や業務フローの変更点なども共有しましょう。
定期的な振り返りと改良の繰り返し
DX推進に取り組んだら、改善した方が良い所が見つかるはずです。社会や消費者のニーズの変化にあわせて施策を変えた方が良いこともあります。
DX推進指標を活用しながら、定期的にDXの進み具合や改善点を確認し、改良を続けることが大切です。
まとめ
DXは、企業がデジタル技術を活用して競争力を維持し、生産性向上や環境変化への対応に不可欠な取り組みです。
生産性向上にとどまらず、新しい働き方を導入したり、新たなビジネスチャンスを獲得したりすることが期待されます。
企業の課題解決や目的達成のためにDXを取り入れたいと思ったら、まずは計画を立てることから始めてみてください。そして、定期的な振り返りと改良を繰り返しながら、DXの定着を目指しましょう。