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ノウハウ 脱ハンコとは?メリット・デメリット·進め方を解説

更新日:2024年10月31日

投稿日:2024年07月22日

脱ハンコとは?メリット・デメリット·進め方を解説

脱ハンコとは?メリット・デメリット·進め方を解説

脱ハンコに取り組む取引先が増えてきて、自社でも進めた方が良いのか悩む企業は多いです。

電子的なやりとりでも書面でのやりとりでも、メリット・デメリットはあります。しかし、脱ハンコによって印刷代を減らせるため、経費削減が課題であるなら、検討する価値はあります。

 

本記事では脱ハンコのメリットとデメリット、ハンコでのやりとりが続くことによる問題を解説します。

脱ハンコの進め方と導入すべきシステムも紹介しているので、前向きに検討した場合、すぐに着手できるはずです。

 

 

脱ハンコとは

契約書や請求書といった書類への押印や、民間や行政の手続きの過程での押印を廃止するための取り組みです。

脱ハンコを促す政府の施策

政府は「行政のデジタル化」を掲げています。

民間から行政への手続きへの認印は全て廃止、他の押印も99.4%が廃止または廃止の方向性と表明しました。

地方公共団体でも同様の動きを進めるべく、2020年12月「押印見直しマニュアル」を公表しました。

 

2022年1月には、電子帳簿保存法の大幅な改正がありました。法改正に伴い、電子契約のルールも緩和されました。例えば、タイムスタンプの要件の緩和、税務署長の事前承認や電子取引の書面での保存の廃止などです。

2021年9月のデジタル庁の発足も考えると、国が主体となってデジタル化やDX化を広めようとしていると言えるでしょう。

 

働き方改革や新型コロナをきっかけに、テレワークが広がりました。ところが、契約書などの押印のために出社が必要でした。押印のための出社をなくすことが民間でも求められています。

 

【関連記事】電子契約の導入メリットとは?手順やおすすめクラウド型システムも紹介

ハンコ社会で起きる課題

ハンコでのやりとりを見直さないと、業務効率やコストの改善のために出きることが限られます。

新しい働き方への対応も難しくなります。

生産性の低下

押印の目的は、承認されたことを証明することです。

承認を得るために書類が回覧される、押印してほしい旨依頼するなど、押印してもらうための業務が発生します。

押印のための業務のために優先度の高い業務を進める時間が減れば、生産性は下がります。

コストや社内スペースを圧迫する

ハンコを使い続けるということは、紙の書類を使い続けるということです。

紙のままだと、書類が増える度に保管スペースが必要になります。印刷や郵送費もかかります。

 

紙の書類が増えるほど、電子化に移行する負担が大きくなり、PDF化しなければならない書類が増えていくことなどが理由です。

テレワークの導入・定着を妨げる

押印業務のために出社が必要となれば、テレワークのメリットを感じにくく、定着しにくいです。

契約対応に時間がかかる

紙でのやりとりが伴うと、当事者間で書類の郵送と到着を待つ時間が生じます。

書類不備があれば追加のやりとりも必要になります。契約締結までにさらに時間がかかるということです。

脱ハンコのメリット

業務効率化やコンプライアンス強化など4つのメリットを紹介します。

生産性の向上、業務効率化

脱ハンコによって、押印に付随する業務が不要になります。

また、書類を電子化することで、管理の手間も省けます。必要な書類をすぐに探せる点でも、業務効率化を期待できます。

コスト削減

電子媒体のやりとりになれば、郵送や印刷にかかる費用を削減できます。

また、物理的な保管スペースが不要になります。社内だけで保管しきれなくなって社外に保管場所をレンタルすることも必要ありません。

 

紙の書類に関連する業務がなくなることで、他の業務に集中できます。人件費の有効利用と言えるでしょう。

コンプライアンス強化

紙書類は、電子書類と比較すると紛失や改ざんリスクが高いです。

電子書類であれば、閲覧制限をかけたり閲覧・編集履歴を残したりできるなど、セキュリティを高めやすいです。セキュリティ対策の結果、書類を適切に管理できるようになります。

新しい働き方への対応

業務フローから出社の必要な工程をなくさないと、リモートワークへの対応は難しいです。

脱ハンコ化によって、クラウドサービスで完結する業務は多いです。出社しなくても進捗に支障のないことが分かれば、本格的にリモートワークを導入しやすいでしょう。

脱ハンコのデメリット

業務フローに変更が生じたり、システム導入に費用がかかったりすることへの理解が求められます。

業務プロセスが変わる可能性

契約業務を考えると、紙の書類だと郵送が必要など、紙と電子書類で締結までの流れが異なるように、業務フローが大きく変わるケースがあることは想像できるかと思います。

新しいプロセスに慣れるまで、トラブルや効率低下は想定しておくと良いでしょう。

システム導入にコストがかかる

電子契約システムなど、脱ハンコ化のために新たに導入が必要なツールがあります。

初期費用と導入後に見込まれるコスト削減効果を比較して検討することが必要です。

脱ハンコの進め方

  1. 脱ハンコに取り組む目的を明確にする
  2. 電子化する範囲を決める
  3. システム選定
  4. 社内ルールやワークフローの見直し
  5. 社内外に周知(社外には事前承認を)
  6. 効果検証

 

脱ハンコ化を目指すのであれば、社内の文書から少しずつ始めることをおすすめします。社外と共有する書類だと、関係先との協力が欠かせません。

社内の文書から徐々に取り組むことで、脱ハンコの恩恵を受けられます。

 

脱ハンコ化の際、業務プロセスの変更を伴う可能性があります。試しに取り組むことで、他の書類にも同様のプロセスを反映できると分かるかもしれません。

特定の部署で始めてみてメリットの大きさが伝わると、他の部署も続きやすいはずです。

脱ハンコに活用できるシステム

本記事では、電子契約ツールと契約管理ツールについて紹介します。

電子契約ツール

契約書の作成から締結までシステム内で完結するツールです。

電子署名・電子印鑑に対応しているシステムがほとんどです。故に、紙媒体を用いずに契約業務を進められます。

契約管理ツール

契約業務には、契約書の管理も含まれます。契約書の更新や保管期限を紙ベースで管理していては、電子化のメリットが少なくなってしまいます。期限がひと目で分かる、必要な書類を瞬時に探せるよう、契約管理ツールはサポートします。

 

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まとめ

脱ハンコは、生産性の向上やコスト削減、コンプライアンス強化、そして新しい働き方への対応など、多くのメリットをもたらします。脱ハンコの利点を実感するためには、社内の文書から少しずつ始めることをおすすめします。

業務フローの変更やシステム導入時のコストなどを許容する必要はあるものの、長期的に見れば大きな効果を期待できるはずです。

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