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ノウハウ チームの生産性向上に必要なこととは?上がらない原因から施策まで解説

更新日:2024年10月17日

投稿日:2024年07月22日

チームの生産性向上に必要なこととは?上がらない原因から施策まで解説

チームの生産性向上に必要なこととは?上がらない原因から施策まで解説

「いかにして生産性を高めるか」は、どんな企業にも立ちはだかる課題です。

しかし、具体的に生産性向上とは何を指すのか?どうしたらチームの生産性を向上できるのか?など分からないことが多く、本格的な取り組みに乗り出せない方もいることでしょう。

 

今回は生産性とは何か・なぜ生産性向上が重要なのかという根本的な内容から、チームの生産性を向上させる具体的な取り組みについて解説します。

チームをまとめるリーダー・役職者にも有用な情報なので、ぜひ参考にしてください。

 

 

生産性とは何か

生産性向上へ正しく取り組むためにも、まずは「生産性」の定義について理解しておきましょう。

 

ビジネスにおける生産性とは、労働力・設備・原材料など、生産に貢献する資源に対してどれだけの成果を得られたかを指す言葉です。

「生産性が高い」とは少ない資源で大きな成果を得られる状態であり、生産性が高ければそのぶん利益の拡大や労働環境の改善といったメリットを得られます。

そのため、業種・分野を問わず様々な企業で生産性を高めるための取り組みが実施されています。

生産性向上と業務効率化の違い

生産性向上と混同されがちな言葉に、「業務効率化」があります。

業務効率化とは、少ない工数・コストで業務を遂行するための取り組みを指す言葉です。

 

業務効率化の主な目的は「業務の改善」であり、生産性向上のように大きな成果のために実施するものではありません。

 

ただし、業務効率化に取り組むことで結果的に生産性向上につながるケースもあります。

そのため、業務改善は生産性向上に有効な手段のひとつと認識すると良いでしょう。

チームの生産性向上がなぜ重要なのか

国内企業の生産性は、世界的に見ても低いことが問題視されています。

公益財団法人日本生産性本部が公開している「労働生産性の国際比較2023」によると、2022年度の日本の1人当たり労働生産性は、OECD加盟38ヵ国中31位です。

生産性において世界に後れを取っている国内企業は、その現状を打破するためにも生産性向上へ取り組む必要があります。

 

生産性向上が重要な理由は海外企業との差を縮めることだけでなく、国内で加速する労働人口の減少も挙げられます。

少子化に伴う労働人口の減少は今後も続くと見込まれており、そんな中でも自社でより大きな成果を出すのであれば、必然的に生産性向上へ取り組むことになります。

「チームの生産性が悪い状態」の例

生産性が高い状態についてはは先述した通りですが、逆に「生産性が悪い」とはどんな状態を指すのでしょうか。

 

参考として、チームが生産性が悪い状態に陥っている例をご紹介します。

チームに以下のような傾向がみられる場合は生産性が落ちているといえるため、対策を講じましょう。

チーム内で業務の対応力に差が出ている

チームの中でも、業務に関して特定のメンバーしかできない・詳しくないといった「業務の属人化」が生じている場合は注意が必要です。

メンバー全員が揃った状態なら問題なく業務が回っているように思いがちですが、万が一退職・異動・休職となれば、生産性が大幅に落ちるどころか業務が停滞するリスクも伴います。

 

また、全員が着手できる業務でも、メンバーが優秀なメンバーのフォローに依存しており業務の負担が偏っている状態なら改善すべきです。

業務進行が遅延しがち

何らかの意思決定や稟議が必要になった際に時間がかかり、チーム全体で業務の進行に遅延が生じたことはないでしょうか。

業務上で何らかのアクションをする度に権限を持つ人からなかなか承認を得られず、無駄なロスタイムが発生し、結果としてチームとして生み出せる成果の縮小につながります。

 

また、多くの企業で見られる課題として不要な会議による業務の遅延も挙げられます。

特にオンライン会議が普及している昨今、誰でも場所を選ばず会議に参加しやすくなったことから、議題と関係性の薄いメンバーまで参加させられているケースも珍しくありません。

むやみにチームのメンバーを巻き込んで会議を実施すると、メンバーは主要な業務に集中できなくなり、業務の遅延を招きます。

チームの生産性を悪化させている原因

チームの生産性を悪くする要因は様々ですが、特に多くみられるケースは以下の通りです。

無意味な長時間労働

企業によっては、例え無意味でも「長時間労働をしなければならない」という風土が定着していることがあります。

その理由として多いのは、目上の人が帰るまで自分も変えるべきではない、時間をかけた方が努力していると思われる…などです。

 

上記のような価値観から、短時間で終わるような仕事でも無駄に時間をかけて対応しているようなケースは珍しくありません。

それだけでも生産性の低下につながるのは、想像に容易いことではないでしょうか。

 

加えて、長時間労働・残業が多いとメンバーに十分な休息の時間を与えられなくなります。

結果として各メンバーのパフォーマンスが低下し、さらなる生産性の低下に陥ります。

業務のナレッジ・ノウハウを共有できていない

業務の属人化がみられる場合、ナレッジやノウハウの共有が十分にできていない可能性があります。

 

具体的には、共通の業務にもかかわらず対応方法が標準化されていない、一部の優秀なメンバーが経験の中で得た対応のコツを独占しているといった状態です。

対応方法を標準化していないと、メンバーによって業務のやり方にばらつきが生じて成果の質も安定しなくなります。

また、一部のメンバーだけが業務のコツを独占していると、チーム全体のパフォーマンスを最大まで上げることが難しくなるため改善が必要です。

コミュニケーションを取りやすい環境ではない

十分なコミュニケーションをチームメンバー間で取れていない状態も、生産性の低下につながります。

よくあるケースが、業務上必要な作業の完了報告や依頼・相談が徹底されていない、メンバーごとの業務の進捗状況が共有されていないといった状態です。

 

「今話しかけたら迷惑ではないか」「この程度の相談も受け入れてもらえるだろうか」という不安感、コミュニケーションを取る機会が少ないという環境的要因が、このような事態をまねきます。

 

チーム内でのコミュニケーションが不足すると十分な情報共有ができず、各メンバーの進捗状況が不透明になります。

その結果、業務でミスが頻発したり顧客からの問い合わせにうまく対応できず、自社の信用を損なう恐れもあります。

 

また、チーム内で人間関係・信頼関係を築けずにモチベーションが低下し、離職率が上がるリスクも伴います。

適切な意思決定構造になっていない

先述したように、業務の進行を遅らせる要因としては「不適切な意思決定構造」も挙げられます。

業務で承認や稟議が必要となった際、過度に多くの承認者へ回すことを強いている状態なら改善を検討すべきです。

 

内容によっては厳しい承認フローを通して慎重に意思決定をすべき場合もありますが、比較的重要度が低いものにまで同様の承認フローを通すことは望ましくありません。

ひとつひとつのアクションの度に時間がかかり、業務完了までのスピード感が落ちてしまいます。

チームの生産性向上に必要な施策

チームの生産性を悪化させる原因を克服するには、どのような施策が必要なのでしょうか。

以下より、チームの生産性を向上させる際に有効な3つの施策について解説します。

チームで目的と優先順位に対する認識を揃える

業務を効率的に進めるためにも、まずはチーム全体で目的意識を揃えて業務の優先順位を決める必要があります。

メンバー間で目的や優先順位への意識を揃えることで、業務のスピード感や質が揃ってチーム全体のパフォーマンスが安定します。

また、複数のメンバーで協力する業務を進める際にも、全員が同じ認識のもと連携しながら業務完了へ進むことも容易となり、生産性の向上につながります。

ITツールの活用

「メンバー間でコミュニケーションが取れていない」「無駄な業務で残業が発生している」「ナレッジ・ノウハウの共有ができていない」などの状態を解決するなら、ITツールの活用がおすすめです。

 

場所を選ばず気軽に報告・連絡・相談ができるチャットツール、自身の知見を共有できるナレッジマネジメントツールなど、チームが抱えがちな課題を解決しうる様々なITツールがあります。

長い間アナログな手法で業務を進めてきたチームも、より生産性を向上させるなら用途に合ったITツールを積極的に取り入れてみましょう。

チームの業務プロセスを見直す

既存の業務プロセスを見直し、無駄な工程がないかどうかを確認してみましょう。

特に定型的な業務は同じことを繰り返しているからこそ、最新の状況では不要となっている工程の存在を見逃しがちです。

 

業務プロセスの最適化には、「ECRS」がよく用いられます。

ECRSは、以下4つの観点で構成されたフレームワークです。

 

Eliminate(排除)

無駄な業務や工程の削除

Combine(結合)

別々の業務を結合または同時進行させる

Rearrange(再配置)

業務の順番や担当者を変える

Simplify(簡素化)

業務の手順やプロセスを簡単にする

 

E→C→R→Sで効果が大きい順に並んでおり、この順番で業務の見直しを行うと効率的に改善できます。

管理職としてチームの生産性向上に必要な取り組み

チーム全体で行う施策とは別に、チームをまとめる管理職個人が生産性向上に向けて取り組めることもあります。

ここでは、管理職としてチームの生産性向上のために必要な取り組みについて解説します。

メンバーのスキルを把握する

業務に最適なメンバーの配置を実現するためには、各メンバーのスキルを把握する必要があります。

チームに属するメンバーは、それぞれ持っているスキル・知識量・能力値が異なります。

誰がどんなことを強み・弱みとしているのか、各メンバーの特性はどんな業務で活かせるのかを踏まえながら人員配置を見直しましょう。

 

また、メンバー間にあるスキル・知識量・能力値を可視化すれば、業務の属人化を早期発見しやすくなります。

 

最適な人員配置によるパフォーマンスの向上と業務の属人化の防止により、チーム全体の生産性が高まります。

メンバーにとってコミュニケーションが取りやすい環境を整備する

メンバーが積極的にコミュニケーションを取れるチームとするには、管理職が率先して環境を整える必要があります。

 

チャットツールなど気軽にコミュニケーションを取れるツールを導入する他、メンバーの心理的なケアも重要な取り組みです。

管理職や他のメンバーとコミュニケーションを取るにあたって不安感を覚えていないか、人間関係に問題はないかなどを確認しましょう。

 

定期的に1on1を実施して、メンバーから管理職へ相談する機会を作ることも有効です。

率先して業務の無駄を取り除く

チームで長時間労働・残業が発生している場合も、管理職が主体となってその改善に取り組むことが大切です。

ただし、むやみに定時での退社を強制するというやり方も望ましくありません。

理想的なゴールは、「生産性を向上させた結果、長時間労働・残業が減った」という状態だからです。

 

そのためにも、チーム内で「短時間でより良い成果を上げることが重要」という価値観を浸透させる必要があります。

既存業務のプロセスを可視化のうえ改善を検討する、効率的に業務を遂行できるメンバーのナレッジを全体で共有するといった取り組みを通して、生産性を向上させましょう。

生産性が高いチームにおけるリーダーの適性を知る

生産性が高いチームにおいては、管理職も相応の適性を持っていることが望ましいです。

チームの生産性向上につながる管理職には、以下のような特徴があります。

 

・生産性向上のために自ら行動できる積極性を持っている

・意見にブレがなく信頼性が高い

・常に各業務工程の価値を意識した意思決定ができる

・業務中・業務外にかかわらずメンバーと円滑にコミュニケーションを取れる

 

生産性を向上させるにはチーム全体だけでなく、管理職自らの意識も見直しましょう。

チームの生産性向上は管理職が主体となって取り組むべし!ITツールの活用で効率的な施策を

生産性とは、少ない資源でどれだけの成果を得られたかという指標です。

チームの生産性低下がみられる場合は、無駄な業務の有無やメンバー間のナレッジ共有の状況、コミュニケーションを取るための環境などを見直してみましょう。

 

チームの生産性はメンバー個人の取り組みで改善できるものではなく、管理職が率先して動き、全体がチームとして機能する環境に整えることで向上が見込めます。

その手段のひとつとして、チームが抱えている課題の解決に適したITツールの導入がおすすめです。

効率的に課題を解決できるITツールでチームの生産性を高め、自社の成長を促しましょう。

 

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