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ノウハウ 契約書のメタデータを活用した業務効率化とデータベース化の方法を解説

更新日:2024年10月17日

投稿日:2024年06月6日

契約書のメタデータを活用した業務効率化とデータベース化の方法を解説

契約書のメタデータを活用した業務効率化とデータベース化の方法を解説

業務の効率化を目指して業務改革を計画する際に、内部統制の観点からの短期的な課題の解消にとどまらず、中長期的にデータを活用した履行確認や統制環境の構築までを行いたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

また、契約メタデータという言葉をどこかで見聞きして魅力的だと感じたものの、具体的にどのように活用すればよいかがなかなかイメージできないという方もいらっしゃるでしょう。

 

そういった方のために、本記事では契約をデータの観点から有効活用するとは何か、その方法、そして具体的な準備に何が必要なのかを探っていきます。

 

 

メタデータとは

ビジネスにおいてデータ活用の有効性は度々話題にあがりますが、事例の公表があまりされておらずどのようにデータを活用すればビジネスの成長につながるかなかなかイメージしづらいものです。そこで、データ活用方法の前にまずデータとは何か掘り下げていきます。

 

そもそもメタデータとは何のことでしょうか。

 

メタデータとは、データについてのデータ。コンピューターのファイルなどについて、そのデータの作成者、作成日時、属性を記録したものをいう。
引用:デジタル大辞泉 Weblio

データの活用方法

メタデータをビジネスに活用することで、客観的な情報を元に戦略的にビジネスプロセスの改善、意思決定のサポート、効率の向上を図ることができます。

 

具体的には、データ管理や意思決定に使うなど活用方法は、以下のように様々です。

 

  • 効率的なデータ管理に
    メタデータを利用することで、データの場所、作成日、作成者、変更履歴などを把握しやすくなります。そのため、必要なデータを迅速に検索・取得でき、データ管理の効率が向上します。

 

  • 分析・意思決定のサポート
    メタデータは、BIツールや分析システムと連携することで、データ分析ができるようになります。加工したデータを元に、客観的な指標に基づいた正確な意思決定が可能です。

 

  • プロセスの自動化
    メタデータを活用することで、データ処理やワークフローの自動化が容易になります。例えば、契約書のメタデータを使って、例えばXXの契約類型で、反社チェックのチェックボックスが選択されたら、法務部へ反社チェック依頼をとばすなど、次のフローを自動でガイドし正しいフローで申請ができるようにするなどもできるようになります。

契約のメタデータとは

データ利活用の方法として、契約書のメタデータの活用について例を挙げました。

 

契約は、見積情報、会計情報、商品情報、契約期間といったビジネスの根幹となる情報の集合体です。契約のメタデータを活用することは、目の前の業務の効率化だけではなくビジネスの成長につながる可能性を秘めています。

 

では、契約メタデータとは具体的に何を指すのでしょうか。

 

契約のメタデータとは、契約に関する重要な項目の集合で下記のようなものが該当します。

 

  • 取引先名(名前、役職、連絡先情報など)
  • 日付(締結日、終了日)
  • 契約期間
  • 金額
  • 有効期限
  • 契約の種類
  • 支払い条件(スケジュール、方法)
  • 契約のステータス(交渉中、締結済み、更新済み、終了など)
  • 自動更新の有無
  • 関連文書
  • 保管場所情報(紙契約の場合) など

 

契約メタデータが登録されていることで、契約書を簡単に検索・管理でき、契約に関する情報を迅速に取り出すことができるようになります。また、契約メタデータを分析することで、契約管理の効率化やリスクの早期発見、対策が可能となります。

 

【関連記事】CLM(契約ライフサイクルマネジメント)とは?システムや概念を徹底解説

契約メタデータの活用イメージ

契約メタデータは、上手く活用することで契約業務そのものの効率化やリスクマネジメント、経費削減につなげることができます。

 

契約メタデータを活用できるリーガルテックの一つに「CLM、契約ライフサイクルマネジメントシステム」があります。契約業務に活用できるシステムは様々ですが、ここではCLMシステムで契約メタデータ活用をした場合の活用イメージを挙げます。

 

  • 更新・終了の管理

自動更新の有無や契約更新日などを入力しておくことができるため、適切なタイミングで通知することができます。余裕を持った準備が可能になり、契約期間データや為替データ、支払いタイミングを考え、より最適な条件や費用で更新交渉が可能です。

 

活用するデータ:契約期間、自動更新の有無、解約通知期限 など

 

  • 複雑な契約上のリスクや履行管理の効率化

データを元に自社のセキュリティ基準や使いやすさに配慮した最適な自動化を可能とし、収集したデータをレポーティング、データ分析に活かすことで複雑な契約上のリスクや履行管理の効率化ができます。

 

活用するデータ:契約類型、契約方法、稟議情報、契約金額 など

 

  • 各メンバーの評価に活用する個々のステータスやパフォーマンスの可視化

契約リードタイムの算出によるパフォーマンスレポートの生成

各メンバーを管理する役職者の方は、契約のリードタイムや個々人がどのような難易度のタスクをどのくらいの時間で完了させているか分かるようになるため評価基準に活かしやすくなります。

 

また、案件開始日、終了日といった指標も取得できることで契約リードタイムを算出し、土の案件、部署でどの程度タイムロスが発生しているか明確になります。契約リードタイムを短縮し、成約件数を増やす試みとして事業部と共に協力しビジネスの成長に貢献する取り組みができるようになります。

 

活用するデータ:担当者、受付日時、回答日時、経過日数 など

契約メタデータ活用の方法

契約メタデータを有効活用するためには、データを収集することから始める必要があります。

 

ここでは、主にどのような準備が必要かご紹介します。

 

①データを貯める体制を構築する

紙で運用している場合やExcelで契約管理台帳を手打ちしている場合、契約データが散在しているか、蓄積されていません。

データを集める仕組み作りから始めましょう。

 

具体的には、まずデータをためるために、どのようなメタデータを収集するかを決定します。基本的な項目(契約者名、契約日、契約期間など)から、業界や会社の特性に応じた詳細な項目(支払い条件、リスク評価、関連文書など)まで、収集対象を明確にします。

 

データ入力のフォーマットを標準化し、各契約のメタデータを一貫して入力できるようにし、データの整合性と品質を確保します。

入力、保管、アクセスを効率化するためメタデータを管理するための契約管理システム(CLM)やデータベースソフトウェアを導入します。

 

システムがバラバラに存在するのであれば連携し、連携が難しければ一気通貫できるものを模索するなどデータが分散せず一か所に集まる状態を作ることが重要です。

②データを取り出しやすくする

自社で開発を行う場合、メタデータが効率的に保存され、容易にアクセスできるようにデータベースを設計し、メタデータを効率的に検索するための検索機能を導入します。

しかし、自社での開発は費用と時間、関係者との連携が必要で取り掛かりづらいものです。

 

CLMや契約管理システムを活用すれば、莫大な開発費用をかけずともデータ収集や検索性の向上が可能で必要な時に必要な情報を素早く取り出すことができるようになります。

 

CRMや会計システムといった周辺システムとAPIを活用し連携することで、メタデータを相互に同期し一貫性、アクセス性を担保し利用しやすくなります。

③データを分析しやすくする

重複や不整合なデータを排除し、扱いやすくするためデータの整形と整理を行います。複数のデータソースからの情報を、特定の場所に統合することで活用できるようにします。

 

メタデータを分析するためのBIツールやデータ分析ツールを導入します。また、重要な指標やKPIをリアルタイムで監視するためのダッシュボードを作成しデータの変化を迅速に把握し、必要なアクションを取ることができるようにします。

④データを分析できる体制を作る

契約に関わる部署のステークホルダー同士でデータを分析し、出力されたデータを元にビジネスの成長に活用できる体制を作ります。

 

例えば、ダッシュボードを活用し契約リードタイムの長いものを抽出、短縮し最短で売り上げを挙げられるように試行錯誤したり、業務分担の偏りを察知し、最適な分担を可能としたりといったことができます。

 

【関連記事】業務改善に有効なシステム導入の流れとは?注意点や準備のポイントも

契約メタデータを貯め、ビジネスの成長につなげる
契約管理システム『ContractS CLM』

ContractS CLMは、契約相談、契約書作成、レビュー、申請承認、締結、保管、管理といった契約業務の一連の流れを1つのシステムで一気通貫できる契約ライフサイクル管理システムです。

 

 

契約のメタデータを特定の場所(ContractS CLM)に集めて活用することを目指し開発されており、このシステムを利用することで、データを収集しながら契約業務を効率的に進めることが可能です。

 

 

また、契約の各フェーズで何度も同じ項目を入力する必要がなく、一度メタデータをシステムに入力すれば、すべての後続プロセスにデータが反映されます。これにより、データ利活用に必要な最初のステップであるデータの収集体制を特別な操作を要せずに整備できます。

 

データを記録する、自動化するというと、面倒だとの印象を抱きやすいものですが、下記のような機能をリリースし入力しやすい導線を作っています。

  • フォーム入力による相談受付
  • AI-OCR:契約書から契約メタデータを読み取り登録
  • Contract Automation:各社の契約フローに合わせて運用を組み次の操作のガイドが出るように設計します。複雑な契約フローも誰もがルールに沿ってできる、分かる状態を作る
  • テンプレート機能:フォーム入力により定型契約をテンプレート形式で生成。同時にメタデータを構造的に蓄積 など

詳しいシステムの機能や活用方法は下記の資料よりご確認いただけます。