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ノウハウ クラウドサービスとは?メリット・デメリット・選定ポイント

更新日:2024年10月24日

投稿日:2024年05月21日

クラウドサービスとは?メリット・デメリット・選定ポイント

クラウドサービスとは?メリット・デメリット・選定ポイント

新しいサービスを導入する際、クラウドサービスを検討する方は多いです。
自社でハードウェアやソフトウェアを管理せずに、インターネット上のあらゆるサービスを利用できるのが、クラウドサービスです。
保守の手間を軽減でき、導入のハードルが低いのが魅力ですが、細かい機能はサービスによって異なります。
では、何に注意してクラウドサービスを選べば良いのでしょう。

 

本記事は、クラウドサービスの概要や種類別の特徴から、選ぶ際のチェック事項まで紹介します。メリットとデメリットもあわせて確認することで、導入すべきか、導入するのであればどのようなサービスを選ぶべきか結論を出せるかと思います。

 

 

クラウドサービスとは

ネットワーク経由で提供されるサービスのことです。

クラウドサービスを活用しないと、ハードウェアやソフトウェア、データを利用者自身で管理しなければなりません。

しかし、クラウドサービスなら、ネットワーク接続すれば、インターネット上のサービスを利用できます。サービスの利用に必要な保守・運用の手間の軽減を可能にしています。

 

クラウドサービスは、2つの提供形態(パブリッククラウドとプライベートクラウド)と3つのサービス形態(SaaS、PaaS、IaaS)に分類されます。

パブリッククラウド

インターネット上で誰もが利用可能なクラウドサービスです。複数人でストレージやメモリを共有し、個人か法人かを問わず、必要な時に必要なだけ利用できます。

プライベートクラウド

特定の企業・組織だけが利用できるクラウドサービスです。

SaaSとは

Software as a Serviceの頭文字をとった言葉で、「サース」または「サーズ」と読みます。

インターネットを経由して、電子メールや会計ソフト、顧客管理システムといったソフトウェアを提供するサービスです。

PaaSとは

Platform as a Serviceの頭文字をとった言葉で、「パース」と読みます。

アプリケーションを動かすためのプラットフォームを、インターネットを経由して提供します。

IaaSとは

Infrastructure as a Serviceの頭文字をとった言葉で、「アイアース」または「イアース」と読みます。HaaS(Hardware as a Service:ハース)と呼ばれることもあります。

ハードウェアやインフラ機能を、インターネット経由で提供するサービスです。

ユーザー自身でソフトウェアやプラットフォームを用意することで活用できます。

企業が活用できるサービスには2種類ある

企業向けに提供されるサービスには、大きく分けて「クラウドサービス」と「オンプレミス」の2種類があります。

クラウドサービスの特徴や種類は先述した通りです。

 

一方でオンプレミスは、どのように整備するのか、初期コストはどの程度かかるのかなど、クラウドサービスと異なる点が複数あります。

 

自社にシステムを導入する場合は、クラウドサービスだけでなくオンプレミスの特徴やメリット・デメリットも理解のうえ、どちらを導入するか検討しましょう。

オンプレミスとは

自社内でサーバーやソフトウェアなどを保有・管理することです。

クラウドサービスの利用にかかるのは、サービス利用料のみです。対してオンプレミスは、サービス利用料に加え、開発費もかかります。導入までの時間も必要です。

 

ただし、オンプレミスは自由度が高い分、導入済みのシステムとの連動性を考えたシステム導入が可能です。

オンプレミスのメリット

オンプレミスは構築から運用まで自社で対応するからこそ、以下のようなメリットを得られます。

カスタマイズの自由度が高い

オンプレミスではシステムやインフラの構築を自社で行うため、使用するハードウェアやソフトウェアもすべて自社で決定できます。

自社の都合に合わせて、最適なシステムとしてカスタマイズすることが可能です。

また、専属のシステムエンジニアなどの人材を有していれば、トラブルが生じてもすぐに修正できる他、仕様変更の必要性が生じたらすぐに対応できる点もメリットです。

 

クラウドサービスの場合はシステムの構築や運用、トラブル対応などはサービス提供事業者が行うため、自社でカスタマイズできる範囲には限りがあります。

したがって、クラウドサービスでは対応できない独自性の高い業務がある企業にはオンプレミスが向いています。

セキュリティ面での安心感がある

オンプレミスは社内だけで利用できるITインフラを構築するという性質上、インターネットを介して利用するクラウドサービスよりも高いセキュリティ性に期待できます。

クラウドサービスのセキュリティレベルは提供元の意識や技術に委ねられるのに対し、オンプレミスは自社の希望次第で高度なセキュリティの実現が可能だからです。

 

重要な機密情報を取り扱う業種・業務においては、オンプレミスでシステムを構築した方が安心といえます。

既存システムと連携しやすい

オンプレミスはカスタマイズ性が高いからこそ、すでに運用している基幹システムや業務システムとの連携がしやすいというメリットもあります。

既存システムと連携させることで、システムごとに情報を入力したりといった操作が不要になるため、さらなる業務効率化を実現できます。

オンプレミスのデメリット

オンプレミスの「自由なカスタマイズができる」という特徴は様々なメリットをもたらしますが、同時に以下のようなデメリットも生じるため注意が必要です。

初期コストはクラウドサービスよりも高い

オンプレミスだと、サーバーやネットワーク機器など必要なものはすべて自社で調達する必要があります。

場合によっては、機器を設置するためのスペースを借りたり修理・メンテナンスを行ったりするためのコストも発生します。

さらにシステム開発も行うとなれば、総額にして数百万円~数千万円もの費用がかかることも多いです。

 

無事に導入できたとしても、将来的に事業規模の拡大に伴い環境の再構築が必要となり、さらなるコストが発生する可能性があります。

運用開始までの期間が長くなりがち

クラウドサービスは提供元との契約から短期間で運用を開始できますが、オンプレミスの場合は構築から運用開始まで数ヵ月程度かかるケースも珍しくありません。

ハードウェア・ソフトウェアの調達から構築までに、多くの時間を要するからです。

外部のベンダーに構築を依頼するとなれば、ベンダーとの選定や要件定義というプロセスも発生するため、さらに運用開始までの期間が長引きます。

保守やトラブル対応もすべて自社で行う必要がある

オンプレミスは構築すれば終わりではなく、運用から保守までも自社で対応する必要があります。

トラブルが発生した際、迅速な解決を可能とするなら相応の技術を持ったエンジニアが常駐していなければなりません。

 

サーバーの定期点検・ソフトウェアライセンスの更新・トラブル対応といった運用・保守のために少なくないランニングコストが発生する点も念頭に置き、導入を検討しましょう。

スケールアップ・スケールダウンのハードルが高い

オンプレミスはスケールアップに伴い、追加で設備を購入するなどのプロセスが発生します。

また、スケールダウンに関しては現行の環境で対応できず、システムの再構築が必要になる可能性があります。

 

オンプレミスは初期の構築におけるカスタマイズ性が高い一方で、上記のような事情からスケールアップ・スケールダウンが難しい点にも注意すべきです。

クラウドサービスのメリット

保守の手間がかからないなど導入のハードルが低いこと以外にも、複数のメリットがあります。

今回は4つのメリットを取り上げます。

導入のハードルが低い

オンプレミスのように、自社でサーバーやソフトウェアを用意する必要がない故、導入のハードルが低いです。

 

開発や設備の導入費や保守にかかる費用が不要で、導入・運用コストを抑えられる点でも、利用しやすいです。

時間・場所を問わずアクセスできる

クラウドサービスはインターネットを経由して利用できるため、時間や場所の制約を受けずにサービスにアクセスできます。働き方改革の一環としてリモートワークも進めやすいでしょう。

保守・運用の手間がかからない

クラウドサービスの保守は、クラウドサービスを提供する事業者が行います。利用者はメンテナンスなどを行わずに、使いたい機能を利用できます。

 

これまで保守や開発に割いていた人材やコストを、他の業務に割り当てられるようになるでしょう。結果、業務効率化や新規事業の促進などがもたらされると期待できます。

BCP対策になる

BCPとはBusiness Community Planningを略した言葉で、災害や障害が発生した時に、事業の早期復旧および継続を可能とするための計画です。

 

クラウドサービス内の情報は、自社とは別のサーバーに保管されます。複数のエリアで情報管理し、データのバックアップもとられている点で、災害などが生じても自社の情報が消滅する可能性は低いです。クラウドサービスの利用は、万が一の事態に備えていると言えます。

クラウドサービスのデメリット

ユーザーが開発や保守をしなくても利用できるというのは、クラウドサービスのメリットです。どのような機能を利用できるかは、クラウドサービス次第とも言えます。

セキュリティレベル・対策は提供元次第

セキュリティレベルや対策は、事業者によって異なります。どの程度のセキュリティ対策を講じるか、情報漏えいといったトラブルが発生した時の対応などは、選んだクラウドサービスによるということです。

信頼できるサービスを選ぶことが求められます。

サービスが変更・中止となる可能性

クラウドサービスが提供するサービスがいつ・どのように変更となるか、企業側ではコントロールできません。サービスの終了も起こり得ます。

 

自社で同様のサービスを開発できなければ、これまで使っていたサービスに代わるクラウドを検討・導入し直さなければなりません。新たなクラウドにデータを移行する手間もかかります。

カスタマイズ性に限りがある

カスタマイズの柔軟性は、オンプレミスに劣ります。クラウドサービスは多くのユーザーの利用を想定しているため、拡張機能などに限りがあります。自社で既に使用しているシステムと相性が悪ければ、使い勝手や業務効率への影響が懸念されます。

クラウドサービスの選定ポイント・注意点

機能やコストの他、セキュリティ対策やサポート体制についても比較検討が求められます。

機能

自社でクラウドサービスを導入する目的にマッチする機能が提供されているか必ず確認しましょう。

 

契約後に利用プランは変更可能か、他のサービスとの連携に対応しているかなどもチェックしておくと安心です。

コスト

予算内で自社に必要な機能を利用できなければ、クラウドサービスの特徴であるコストパフォーマンスの高さを実感できません。

セキュリティ対策やサポート体制

セキュリティレベルが提供元によるということは、セキュリティ対策が厳重な事業者のサービスを選んでおくと、万が一の時も安心ということです。

 

トラブルが発生した時や操作で分からないことがある時、どこまで対応してもらえるかも確認しておくと、サービスを利用できないために顧客に不便をかけるといったリスクを抑えられます。

クラウドサービスの例

具体的なクラウドサービスが分かると、利用するイメージが湧きやすいかと思います。

 

本記事では4つの例を紹介します。

Amazon Web Services(AWS)

アマゾン・ドット・コムが提供するクラウドサービスです。ストレージやデータベース、AIやIoTなど、さまざまなサービスが提供されています。

Microsoft Azure

マイクロソフトが提供するクラウドサービスです。データを保存するためのストレージ、プロジェクト開発・運用を管理するためのサービス、音声認識機能を追加するといった機能拡張のためのAIなどを提供しています。

Zoom

ZoomはSaaSの一例で、オンラインミーティング、ウェビナーなどを可能とするプラットフォームです。オンラインミーティングでも、会議中にリアルタイムで情報できるといった特徴を持ちます。

ContractS CLM

契約書の作成から送受信、受領後の対応まで一元管理するクラウドサービスです。

 

契約にまつわる業務をオンラインで完結できるようになります。

まとめ

ネットワークに接続できれば、幅広いサービスを利用できるクラウドサービス。

自社で保守の手間がかからないことや開発費が不要なことなどから、導入しやすいのがメリットです。どのような機能が使えるかは提供元に影響されることや、カスタマイズ性に限りがあるといった注意点ももちろんあります。

 

ですが、自社の予算に見合う機能を提供していて、セキュリティ対策やサポート体制も万全のサービスを導入できれば、企業が抱える課題解決につながるかもしれません。

多岐にわたるクラウドサービスを比較検討し、自社のニーズにマッチするものを選びましょう。