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ノウハウ 紙書類の電子化の方法は?6つのメリットと注意点を解説

更新日:2024年10月31日

投稿日:2024年05月21日

紙書類の電子化の方法は?6つのメリットと注意点を解説

紙書類の電子化の方法は?6つのメリットと注意点を解説

「文書管理の効率化を実現できそう」「必要な文書がすぐに見つかりそう」などの理由で、紙書類の電子化を検討する方は少なくありません。
実は、紙書類の電子化には、効率アップや検索性の向上以外にも複数のメリットがあります。

 

本記事では、書類を電子化するメリット・デメリットに加え、電子化の手段と流れ、ポイントを解説しています。

 

 

紙書類の電子化とは

紙書類の電子化とは、作成済みの紙の書類を、スキャンしたりPDF化したりして、パソコンやスマートフォンで閲覧できるようにすることです。権限さえあれば在社せずとも書類の内容を確認できるため、支店や子会社のデータが検索でき効率的に業務を進行できるほか、紙書類で必要な印刷や、記入といった作業を省くことができるため事務コストの削減も可能とします。

 

書類の作成から受領までのやりとりを電子的な方法で行うことも、書類の電子化と言えます。

紙書類電子化のメリット

コスト削減や業務効率アップなど、6つのメリットを紹介します。

コスト削減

書類を電子化すると、印刷や送付にかかる費用を節約できます。印刷などに費やしていた手間も省けます。

 

【関連記事】なぜ電子契約では印紙が不要なのか?理由と根拠を分かりやすく解説

検索性向上

紙書類を見つけるとなると、保管してあるファイルから必要なものを探し出さなければならないなど、検索に時間がかかって大変です。

 

電子化された書類であれば、保管しているクラウドなどから検索機能を用いてすぐに探し出せます。

業務効率向上

書類の電子化によって、印刷や郵送といった作業が不要になるだけではありません。思い立った時に書類の共有を行えるため、受け取りまでの時間が短縮されます。

 

作成から受領まで一括管理されるツールを用いれば、入力漏れの際には先の工程に進みません。書類不備に伴うやりとりをなくせる点でも、書類に関する業務の円滑化につながります。

 

【関連記事】契約業務の非効率を解消する方法をご紹介!

保管スペース軽量化

紙の書類は、増える度に保管スペースを拡大しなければなりません。オフィス内に保管しきれないものについては、倉庫を借りなければならないこともあります。保管費用がかかることに加え、書類の取り出しに手間がかかります。

 

電子書類であれば、ストレージの拡張で済みます。物理的なスペースを増やさなくて済むということです。

物理的なスペースが不要なおかげで、オフィスの空間を有効活用できるようになります。

紛失防止

紙の書類だと、持ち出し時の紛失リスクがあります。一方、電子書類であれば、データのままパソコンなどから閲覧・編集できるため、紛失リスクに備えられます。複製やバックアップが容易なことから、万が一書類を削除しても、すぐに復元可能です。

 

アクセス制限をかけることで、重要文書のセキュリティ性も高められます。紛失に伴うリスクだけではなく、経年劣化の心配がないのも、電子文書の特徴です。

 

【関連記事】文書管理規程とは?重要な理由から作成の流れ・注意点まで解説

BCP対応ができる

BCPとはBusiness Community Planning(事業継続計画)の頭文字をとった言葉で、自然災害やシステム障害が発生した時に、などの非常事態においても、企業が重要な業務を中断することなく、事業を継続できるようにするための計画のことをいいます。

 

BCPは、企業の危機管理戦略の一環として不可欠であり、緊急時に迅速かつ効果的に対応するための手順やリソースを明確に定めることで整備することができます。

 

BCPを効果的に実施するためには、必要な情報や書類を即座にアクセスできる体制が不可欠です。この点で、検索性が高く、バックアップも容易に取れる電子化システムが役立ちます。電子書類を利用することで、災害やシステム障害が発生した場合でも、重要な契約書や指示書、計画書などを迅速に検索し、適切な対策を講じることが可能です。

 

例えば、クラウドベースの電子文書管理システムを導入しておくと、書類が失われるリスクを回避でき、遠隔地からでも必要な資料にアクセスすることができます。また、セキュリティ面にも対策を講じることで、情報漏洩やデータの消失といったリスクにも備えられ、事業の継続性がさらに向上します。

紙書類電子化のデメリット

書類の電子化にあたっていくつか準備すべきことがある点は、デメリットと言えるかもしれません。

電子化ツール選定に工数がかかる

あらゆる事業者が、電子化ツールを提供しています。ツールによって特徴が異なり、比較検討が必要と考えると、自社にマッチするツールの選定・導入は、即日できるものではありません。

 

紙書類を電子化するまでには、やるべきことが多いです。例えば、書類のスキャンなど。電子化完了までに時間がかかることも、考慮しなければなりません。

文書整理が必要

紙書類の電子化にあたってのルール、例えばファイル名や、1つのPDFに何枚の書類をまとめるかなどが統一されないと、電子化後の管理が大変です。

 

共通のルールに従って電子化できる書類を分類するためには、人の手が必要です。

ルールの整備が必要

紙書類を電子化するための作業に関するルールはもちろん、電子化してからのルールも設けなければ、書類が適切に利用されません。

 

電子化によって業務工程が変わると予想されることからも、滞りなく業務を進めるための新たなルールが必要になります。

電子書類は紛失リスクが低いものの、不正アクセスなどへの対応、要するにセキュリティ対策が求められます。アクセスに関するルールなども必要ということです。

電子化が検討される書類

e-文書法という法律で電子化が認められていない書類を除き、管理の手間が軽減されることを考えると、電子化を検討する価値はあります。

 

取引や決算、会社経営や財務に関する書類は、電子化が認められています。具体的には以下のような書類です。

 

  • 契約書
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 監査報告書
  • 稟議書
  • 定款
  • 議事録
  • 見積書
  • 請求書
  • 注文書

など

 

e-文書法をはじめ、法律に則った方法で行いましょう。書類の電子化が関わる法律については、後に詳しく解説します。



【関連記事】電子化できない書類とは?法律の要件や改正ポイントを解説!

紙書類電子化の手段

  • スキャン(自社の複合機やスキャナーの他、スキャンサービスの利用も含む)
  • 外部委託
  • クラウドサービス

スキャン

自社の複合機や専用のスキャナーを使用して、紙書類を電子化する方法です。スキャンしたデータは、PDFや画像ファイル形式で保存されます。

普段使用している機器で電子化に取り組むことができ、コストも抑えられます。

 

社内にスキャン機能を持つ機器がなければ、スキャンサービスを利用することも一つの手です。機密情報を含む書類など、外部の業者に依頼するのが躊躇される書類も、自社で電子化できます。

外部委託

外部の業者に委託することで、大量の書類も迅速に電子化可能です。

 

分厚い書類や、自社の機器では対応できないサイズの書類などの電子化に便利です。費用がかかること、自社の書類を安心して預けられるかなどに注意して、委託先を選ぶことが求められます。

クラウドサービス

電子契約システムなど、様々なクラウドサービスが存在します。

 

クラウドサービスの利用で、書類作成に携わる複数人が好きなタイミングでアクセスできます。バックアップや共有も、簡単です。

サービスに早く慣れることで、業務効率化につながります。研修やマニュアルがあると、より安心です。

 

【関連記事】紙で締結した契約書の理想の管理方法、作業フローを解

紙書類電子化の手順

  1. 電子化する書類の選別
  2. 電子化方法や電子化後のルール設定
  3. 電子化する手段の決定

紙書類電子化のポイント

法律を確認することとシステムの比較は欠かせません。OCRという仕組みも、検討する価値があります。

法律を確認する

法律の要件を満たした電子書類でなければ、適切に作成・保管された書類として認められません。「電子帳簿保存法」「e-文書法」は、紙書類の電子化にあたり確認すべき法律です。

電子帳簿保存法

税務関係帳簿書類をデータ化して保存することを可能とした法律です。「電帳法」とも略されます。

 

電帳法では、以下3つの保存方法に分類し、必要な対応を定めています。

  • 電子帳簿等保存
  • スキャン保存
  • 電子取引データ保存

 

電子帳簿等保存は、会計ソフトなどで作成した帳簿や書類を、電子データのまま保存する方法です。

 

スキャン保存は、受領・作成した紙書類を、スキャンしてデータとして保存する方法です。

電子取引データ保存は、電子メールなどでやりとりした書類(請求書など)は、データのまま保存しなければならないと定めたものです。

 

電子データの保存要件も定められています。保存時に下記4点を満たすことが必要です。

  • マニュアルなどシステムに関する書類の備え付け
  • データを確認できるディスプレイやアプリの備え付け
  • 検索機能の確保
  • データの真実性を担保する装置

e-文書法

電磁的記録による文書の保存、作成、閲覧などを可能とする法律です。

 

対象となる文書は、厚生労働省が所管する法令で保存を義務づけている書類です。

企業が使用している電子計算機に備えられたファイルか、磁気ディスクなどで作ったファイルでの保存・文書の作成が求められます。

システムによってできることが異なるので精査する

機能や性能はシステムによって異なり、特に検索性能は大きな違いがあります。

 

企業のニーズにマッチし、コストパフォーマンスの高いシステムを導入できるよう、料金・機能を比較検討することが重要です。

OCRを活用する

OCRとはOptical Character Recognitionの略で、紙書類を光学的に分析して電子データにする仕組みです。

文字データに変換されるため、書類の内容に変更が生じた際の編集が簡単です。

 

OCRを活用することで、スキャンした画像であればテキストデータを抽出できるようになります。文字情報の利活用が容易になり、価値ある書類を作成できるでしょう。

まとめ

紙書類の電子化は、業務効率化やコスト削減、必要な書類の迅速な検索や紛失防止など、あらゆるメリットをもたらします。BCP対応にも貢献します。

 

ただし、電子化ツールの選定や文書整理といった事前準備が欠かせない点に注意が必要です。また、電子帳簿保存法やe-文書法といった電子化に関連する法律を確認することも欠かせません。

 

書類の電子化を進めるためには、自社に適した手段を選ぶことがポイントです。電子契約システムなどのシステムを検討する場合、サービスごとの違いを必ず比較した上で選定しましょう。

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