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ノウハウ 法務リスクとは?リスクマネジメントと管理方法を具体例で解説

更新日:2024年10月17日

投稿日:2023年10月24日

法務リスクとは?リスクマネジメントと管理方法を具体例で解説

法務リスクとは?リスクマネジメントと管理方法を具体例で解説

法務リスクとは、企業が抱える法的な問題・紛争に関するリスクであり、放置することで企業の存続すら危ぶませる危険性があります。

この記事では、法務リスクの概要や具体例を解説し、効果的なマネジメント方法や具体策を紹介します。

法務リスクに関する基本的な知識と、実践的なマネジメント方法を理解し、万全なリスク対策を構築していきましょう。

 

法務リスクとは?

法務リスクとは、企業がビジネス活動を行う上で直面する、法的な問題や紛争が生じる可能性を指します。

この法務リスクを放置すると、高額な損害賠償業務停止命令など、厳しい制裁を受ける可能性があり、企業の存続さえも危ぶまれるほどの大きなリスクとなることがあります。

さらに、企業の評判や信頼性も失われる可能性が高まるため、事業の継続が難しくなることも考えられます。

法務リスクは国内だけでなく、国際的な取引を行っている企業にとっても非常に重要な問題です。

国ごとに法律や規制が異なるため、国際的なビジネスを行う場合には、その国の法律をしっかりと理解し、適切な対応をとる必要があります。

法務リスクを最小限に抑えるためには、企業が日常的に取り組むビジネス活動を常に法的な視点で検討し、適切な対策を講じることが求められます。

法律の専門家や法務部門と連携してリスクを早期に察知・対処するとともに、事前にリスクを抑えるような仕組みづくりが重要です。

法務リスクの具体例

法務リスクの種類は多岐にわたりますが、大きく分けて以下の3種類に分類できます。

  • 契約違反リスク
  • 法令違反リスク
  • 権利侵害リスク




ここでは、法務リスクの具体的な内容や危険性について、具体例を挙げつつ詳しく解説します。

契約違反リスク

契約違反リスクは、契約の条項に違反することにより、契約解除や損害賠償請求などを受けるリスクのことを指します。

企業活動と契約は切っても切り離せない関係にあるため、企業は常に契約違反リスクを負っているといっても過言ではありません。



そのため全ての企業は、契約リスクの種類や内容をしっかりと把握し、適切に対応できる体勢を整えておく必要があります。

契約の内容は契約ごとに異なりますが、主な契約違反リスクとして①債務不履行、②紛失・情報漏洩、③内容の不備、の3種類が挙げられます。

以下からは、契約違反リスクの具体的な内容について詳しく解説します。

①債務不履行

債務不履行とは、契約に基づいて生じる義務を果たさないことです。

例えば納期までに商品やサービスを提供しない場合や、期日までに支払いを済ませない場合などが債務不履行の代表例です。


また、納品した商品やサービスの品質が十分でない場合にも、債務不履行と判断される場合があります。

多くの場合、契約のなかで債務不履行に基づく損害賠償に関する規程が置かれているほか、民法でも債務不履行時の責任について詳細な規程が置かれています。

債務不履行リスクを最小化するためには、契約の内容や条件を従業員間でしっかりと理解・共有させる仕組みをつくり、リマインダーの設定などにより期限を守らせることが大切です。

②紛失・情報漏洩

契約書を紛失すると、上述した債務不履行リスクが極めて高くなるほか、契約当事者の機密情報が内外に漏洩するリスクも高まります

そのため契約書の取り扱いについては、責任者を定め、管理場所を統一するなどの措置を講じ、紛失することがないよう注意が必要です。

また、現在ではPDFなどの電子データで契約書を取り交わすことが増えているため、契約書データの扱いにも気を付けなければなりません。

特にクラウドストレージで契約書データを管理している場合、外部への流出可能性が高くなるだけではなく、社内でも、本来アクセスすべきでない従業員等に情報が漏れてしまう可能性があります。

そのため電子契約を取り交わす場合には、セキュリティ対策のしっかりしたクラウドストレージを利用し、社内でもアクセス制限を設けるなどの対策が必要です。

③内容の不備

契約の内容・条件に不備や曖昧さがある場合には、債務不履行などが起きやすくなり、契約当事者間で紛争に発展するリスクが高まります。

日本の商慣習として、細かいところは互いに便宜を図ったり、覚書で補充したりすることもありますが、法務リスク管理という観点からは適切ではありません。

そのため契約書の内容は、できる限り詳細に記述し、あらゆる事態に対応できるように包括的な条項も設けるようにしましょう。

また、反社会的勢力の排除や紛争解決裁判所の取り決めなど、どの取引先であっても同じ内容となる条項については、テンプレート化してすべての契約書にあらかじめ盛り込んでおくことをおすすめします。

法令違反リスク

法令違反リスクとは、企業がビジネス活動を行うにあたって、法律や条例に違反してしまうリスクのことです。

法令違反には罰則が課されるだけではなく、企業の信頼性やレピュテーションの大幅な低下をもたらす可能性があるため、法務リスクのなかでも危険度の高いものといえます。

例えば、製造物責任法(PL法)や景品表示法、薬機法など、特定の業界や商品に関する法律には特に厳しいサンクションが設けられていることが多いため注意が必要です。

また、企業の役員や従業員による個人的な法令違反であっても、報道やSNS等で拡散されることにより、企業全体にダメージを及ぼす可能性があります。

そのため、全ての役員・従業員に対し、法令順守意識をもたせるための研修や教育の機会を定期的に設け、問題が生じた場合には直ちに対応できる体勢を整えるようにしましょう。

権利侵害リスク

権利侵害リスクとは、企業活動によって他者の権利を侵害してしまい、損害賠償請求等を受けるリスクのことです。

特に知的財産権の侵害や、不法行為に基づく損害賠償請求は、場合によっては数億円規模の訴訟に発展する可能性があり、企業の存続をも危ぶませる危険性があります。

また、社内でのセクハラ・パラハラなどの人権侵害行為が発覚した場合にも、訴訟への発展やブランドイメージの低下といった損失をもたらす可能性があります。

権利侵害リスクを避けるためにも、やはり社内教育の徹底といった対策が不可欠です。

法務リスクのマネジメント方法

法務リスクは、ビジネス活動において避けて通れないものではありますが、適切なマネジメントを行うことにより、リスクを最小限に抑えることは可能です。

以下からは、法務リスクをマネジメントするための具体的な方法を解説します。

法令に関する正しい知識を備える

法務リスクを最小化するためには、企業活動に関連する法令を正確に理解し、法令に基づいて業務を遂行することが重要です。

そのため、企業は従業員に対して継続的な法令教育や研修を提供し、法令順守の意識を高める必要があります。

また、法令の動向を把握し、問題が生じた際に迅速・適切に対応できる人材を配置した法務部を設置することも大切です。

法令は日々変化しているため、専門家や外部のコンサルタントの意見や助言を求めつつ、最新の法令情報にも注意を払いましょう。

契約書のレビュー・リーガルチェックを行う

契約書のレビューを徹底することで、債務不履行や内容不備といったリスクを最小化でき、契約書に基づく法務リスクを軽減できます。

特に重要な契約書については複数の決裁者による承認を必要とするなど、複数回のレビュー体勢を整えるようにしましょう。

また、法務リスクを軽減するためには、弁護士など外部の専門家によるリーガルチェックも非常に効果的です。

契約書の複数回・外部レビューは法務リスク対策として非常に有効ではあるのものの、契約フローに時間がかかり、紛失リスクが高まるというデメリットもあります。

そのため、契約フローを電子化して、複数の担当者がいつでも・どこでもチェックできる体勢を整えることがおすすめです。

契約書を適切に管理する

契約書の紛失や情報漏洩、債務不履行リスクを軽減するために、契約書を適切に管理する必要があります。

例えば契約書管理台帳を作成し、契約の期限や条件、更新日などを簡単に把握できるようにしておきましょう。

クラウド型の契約管理システムを導入することで、契約書の物理的な保管・管理が楽になり、リマインダーの設定なども容易になります。

法務リスクの回避にオンライン契約システムを活用しよう

比較的簡単に導入でき、効果の高い法務リスクマネジメント方法として、オンライン契約システムの導入が挙げられます。

以下からは、オンライン契約システムの導入により法務リスクがどのように軽減されるのか詳しく解説します。

法務リスクの早期発見・事前回避が可能

オンライン契約システムを使用するメリットのひとつは、法務リスクの早期発見と事前回避が可能となる点です。

文書のミスや更新の見落とし、期限の管理など、これまで人の手によって行われていた業務がデジタルで自動的に行われるため、多くのリスクを事前に回避することができます。

また、電子契約書であれば紛失する可能性は低くアクセス制限によって情報漏洩リスクを抑えられることから、紙の契約書よりもセキュリティ上の懸念を軽減できます。

現物の契約書を直接やり取りする必要がなく、複数人によるレビューや外部レビューも容易になるため、他の法務リスクマネジメント手法との組み合わせも効果的です。



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業務効率向上と検索精度の向上

オンライン契約システムを活用することで、契約の作成から保存、そして管理までの一連の流れがデジタル化され、契約プロセスが格段にスムーズになります。これにより、業務の効率が大幅に向上し、企業の生産性アップに貢献します。




また、デジタル化された情報は、特定のキーワードや条件で瞬時に検索することが可能となるため、必要な情報を迅速に取り出すことができ、正確な判断を下すためのデータアクセスもスピーディーに行えるようになります。



オンライン契約システムに搭載されているリマインダー機能を活用すれば、契約の履行や更新のタイミングで自動的にアラートを受け取れるため、契約書管理に割いていたリソースを他の生産的な部署に配分することも可能です。

コンプライアンスの強化

オンライン契約システムを利用すると、契約プロセスにおける透明性を向上でき、コンプライアンスの強化に繋がります。

契約書データにいつ・誰がアクセスしたのかや、作成や変更、消去をしたのかがログに記録されるため、不正や改ざんが行われた場合でも、迅速な検出と対応が可能となるからです。


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また、契約書データへのアクセス制限を設けることで、契約書が内外に流出することを防ぎ、情報漏洩リスクを最小限に抑えることもできます。


まとめ

今回は、法務リスクの概要や代表例、具体的なリスクマネジメント方法について解説しました。

法務リスクは企業の存続に関わる重大なリスクであるため、従業員教育の徹底や外部リソースの活用など、周到なリスク管理が求められます。

これらのリスクマネジメントは、一朝一夕に効果が出るものではなく、時間的・金銭的コストも必要となりますが、企業の存続を守るために必要なコストといえるでしょう。

比較的、簡単に導入でき、かつ効果の高いリスクマネジメント方法として、オンライン契約システムの導入がおすすめです。

オンライン契約システムを導入すれば、契約書に関する法務リスクを最小限に抑えられるほか、企業活動全体の効率化・生産性アップにも繋がります。

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