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ノウハウ 稟議書とは?内容や書き方を例文とテンプレートつきで解説

更新日:2024年10月17日

投稿日:2023年09月22日

稟議書とは?内容や書き方を例文とテンプレートつきで解説

稟議書とは?内容や書き方を例文とテンプレートつきで解説

稟議書の作成を頼まれ、お困りの方はいませんか?

 

稟議書は企業や組織内において文書で意思決定を行うプロセスであり、会議の手間を省けるなどメリットがある一方、承認までに時間がかかるなどのデメリットもあります。

 

今回は、稟議書の意義やメリット・デメリット、具体的な内容について詳しく解説します。

 

また、稟議書の書き方を例文つきで紹介し、稟議フローを効率化する具体的な方法も解説します。

 

 

 

稟議書とは?意義や目的を確認

稟議書は意思決定を形式的かつ明確に行うための文書で、多くの企業や組織で活用されています。

以下からは、稟議書の意義や目的を詳しく解説します。

そもそも稟議とは?

稟議とは、企業や組織内での意思決定を正式に文書で行うプロセスを指します。

 

口頭やメールだけでコミュニケーションを行うよりも、稟議書を作成することで内容が明確となり、後から確認することも容易です。

承認プロセスに複数の決裁が必要な場合や、多くの部署の承認を得る必要がある場合などに特に活用されます。

稟議書の目的

稟議書の主な目的は、意思決定のプロセスを明確にし、承認フローを正式に記録することです。 

 

稟議書を作成することで、どの段階でどのような判断がなされたのか、またどの部署・担当者が関与しているのかといった情報を一元的に管理することが可能です。

また、後から振り返った時に判断経緯や背景を確認できることも大きなメリットとして挙げられます。

起案・回議・決裁との違い

起案とは稟議書を作成する初期段階のことを指し、回議とは稟議書の内容を各部署や担当者間で共有し、意見を出し合う段階を指します。

また、決裁とは稟議書の段階的・最終的な承認のことをいいます。

 

したがって、起案・回議・決裁は、稟議とは異なるものではなく、稟議という一連のフローの一部を切り取ったものといえるでしょう。

 

稟議は、まず起案者によって内容が作成され、回議によって複数の担当者によって検討されたのち、最終的に決裁者によって稟議内容の承認・否認が決定されるプロセスなのです。

 稟議書のメリット3つ

稟議書を作成することで、口頭などで決裁を得る場合と比較して、次のようなメリットを得られます。

メリット1. 会議の手間を省ける

稟議書を作成することで、会議の手間を省くことができます。

 

業務の中では意思決定が求められる場面が数多く存在するため、その度ごとに会議を開催すると、時間や場所の手配・参加者の調整など多くの手間やリソースが消費されてしまいます。

 

稟議書の活用により、これらの手間を大幅に削減でき、物理的な会議の開催頻度を減らすことができます。

メリット2.承認フローを可視化できる

先ほど解説したように、稟議書には起案者の意図、回議のプロセス、決済者による決済内容という一連の承認フローが記載されています。

 

そのため、誰が・どの段階で・どのような判断や承認を行ったのかが明確になり、後からの確認や報告、さらには問題が生じた場合の原因究明もスムーズに行えます。

 

特に口頭で承認フローを実行した場合には、言った・言わないなどの水掛け論になりやすいため、こうした問題を避けることも稟議書の大きな目的といえるでしょう。

メリット3.内容の濃い検討ができる

稟議書を作成することで、より内容の濃い検討ができるメリットもあります。

 

口頭だけでのコミュニケーションや、短いメール・チャットでのやり取りでは、必ずしも詳細な内容や背景を十分に共有することは難しく、齟齬が発生する可能性もあります。

しかし稟議書として文書化することで、より具体的で詳細な内容を共有し、検討することが可能です。

これにより、各部署や関係者がもつ知見や意見を最大限に活用し、より質の高い意思決定を行うことが可能となります。

稟議書のデメリット3つ

稟議書を活用することで多くのメリットを受けられる一方、デメリットも無視できない事実として存在します。

 

以下からはデメリットの中から特に注意すべき3つを詳しく紹介します。

デメリット1.承認までに時間がかかる

稟議書は、複数の部署・人物の承認を得るプロセスであるため、ひとつひとつの意思決定や承認に時間がかかることがあります。

 

特に大きな組織の場合、関係する部署や役職者が多いため、稟議書の流れがスムーズでないと承認までの時間が長引いてしまうことも考えられます。

 

また、紙ベースでの稟議書の場合、部署・人物間でのやりとりに時間がかかるだけではなく、途中で紛失・改ざんされる可能性もゼロではありません。

デメリット2.責任の所在が曖昧になる

稟議書を使用することで、かえって責任の所在が曖昧になることもデメリットとして挙げられます 。

 

稟議書を用いた承認フローでは、多くの部署・人物が関与するため、具体的にどの段階・誰の判断で結論が出たのか、最終的な責任者は誰であるのかを特定することが難しくなるからです。

デメリット3.検討の質が下がる可能性がある

稟議書の承認を迅速に進めたいという気持ちから、中身が十分に検討されることなく承認 プロセスが進んでしまう可能性もあります。

 

特に緊急性が求められる案件や、高い頻度で稟議書が出される状況下では、内容の十分な検討や確認がおろそかになり、結果的に誤った意思決定を招くリスクが高まります。

 

したがって、緊急性の高い案件はまず口頭で意思決定を求めることとし、消耗品の購入など定期的な決裁が必要なものは包括的な承認を得るなど、柔軟かつメリハリのある意思決定プロセスを確立することが望ましいといえるでしょう。

稟議書の内容

ここまで解説したように、稟議書を上手に活用すれば承認フローを可視化・合理化できる一方、内容によっては承認フローの遅延や質の低下をもたらす危険もあります。

 

以下からは、稟議書をより効果的に用いるために記載すべき、具体的な内容を解説します。

①起案者・起案日・決済日

稟議書を作成する際、最初に明記すべきなのが起案者の名前・起案した日付、そして最終的な決裁(承認)が必要な日付です。

 

起案者の名前は責任の所在を明確にするため、起案日と決裁日は文書の進行状況や時系列を把握するために必要となります。

②タイトル

文書のタイトルは、稟議書の内容を端的に伝えるためにも大切な部分です。

 

そのため、単に「稟議書」等とだけ記載するのではなく、各決裁者がタイトルを見ただけでどのような内容の議題であるのかを瞬時に理解できるような、具体的かつシンプルな表現を用います。

 

緊急性の高い案件や、機密性の高い案件については、文書の目立つ位置に赤字等でその旨を端的に記しておきましょう。

③稟議の目的

稟議の目的を明確に記述しておくことで、決裁者がなぜこの稟議書が起案されたのか、どのような結果・効果を期待しているのかを理解する手助けとなります。

 

目的が明確であれば、その後の内容も納得しやすくなり、承認へのスムーズな流れを生むことが期待できます。

④稟議の理由

稟議の理由では、なぜこの稟議を提案するに至ったのか、その背景や必要性を詳細に説明します。

 

ここでの説明は客観的であることが求められ、できる限り具体的なデータや事例を用いて説得力を高めましょう。

 

内容が不足しており決裁者が起案者に質問するような状況だと、承認フローに遅延が生じてしまうため、文面だけをみて稟議の目的・理由・考慮要素がすべて分かることが理想的です。

 

ただし、内容はあくまで端的で分かりやすく、冗長にならないように心がけることが重要です。

⑤コスト

稟議の提案内容によっては、予算や コストが発生する場合があります。

 

その際、どれくらいの金銭的コストがかかるのか、またそれに伴う時間的コストやリソースの投入がどれくらい必要となるかを明確に記述することで決裁者が判断しやすくなります。

 

必要であれば、具体的な見積もりや詳細なコスト内訳を添付し、さらに信頼性を高めるようにしましょう。

稟議書の書き方と例文【テンプレート】

稟議書を作成する際には、その目的や内容に応じて項目・記述内容を変える必要があります。

 

しかし基本的な構成は共通しているため、以下からは具体的な書き方や例文を紹介します。

契約の稟議書

契約の稟議書は、新しい取引先との契約や、既存の契約の変更を承認する際に使用されます。

 

まず、契約の種類や内容、相手方の詳細を明確に記述し、続いて契約の期間や条件、特に注目すべきポイントを詳しく説明します。

 

例文

株式会社〇〇との新規取引に伴う契約書の承認を求めます。契約内容は、新製品の供給に関するもので、契約期間は2年間、年間取引額は〇〇万円となります。特に、契約第5条における納期の項目に注目していただきたく思います。

 

▶関連記事:稟議書の電子化のメリット、デメリットとは?そもそも稟議書ってなに?

購買の稟議書

購買の稟議書は、新しい製品やサービスの購入を承認する際に使用されます。

 

購入する商品の詳細、数量、価格を明記し、その後、購入の理由や必要性、購入先の情報などを詳細に説明します。

 

例文

新製品の生産に必要な部材の購入承認を求めます。部材名は〇〇で、数量は〇〇個、価格は1個あたり〇〇円です。この部材は、新製品の品質向上のために必要であり、取引先は〇〇株式会社となります。

採用の稟議書

採用の稟議書は、新しい従業員の採用を承認する際に使用されます。

 

求められる職種や人数、採用条件を明記した後、採用の背景や必要性、採用後の配置先や業務内容を詳細に説明します。

 

例文

 

〇〇部門に新しい営業職員を2名採用する承認を求めます。求められる資格は〇〇で、年齢は〇〇歳以上、経験は〇年以上が望ましいと考えています。採用の背景として、最近の業績拡大に伴い、新たなメンバーが必要と判断しました。採用後は、新規顧客開拓を主な業務として担当していただく予定です。

稟議は電子化により効率化できる

迅速な意思決定と効率的な業務フローを実現するためには、稟議書の電子化がおすすめです。

 

紙ベースの稟議書では情報漏洩のリスク、情報の書き換えリスク、文書の印刷・配布・保管・廃棄といった時間的金銭的コストなどのデメリットが生じます。

しかし、電子化された稟議書の場合、情報のアクセス制御や適切な保管が可能でペーパーレスによるコストカットと業務効率化を期待できます。さらに決裁状況のリアルタイム把握により業務の効率化がはかれます。

 

多くの電子システムでは稟議書だけではなく電子契約など他の文書電子化も同時に進められるため、複数業務にまたがったコストカットや業務効率化にも繋がるでしょう。

 

▶関連記事:稟議書の電子化のメリット、デメリットとは?そもそも稟議書ってなに?