ノウハウ 社内回覧は電子化すべき?電子化のメリットと効率化できる具体的な方法を解説
更新日:2024年10月17日
投稿日:2023年08月15日
社内回覧は電子化すべき?電子化のメリットと効率化できる具体的な方法を解説
「社内回覧も電子化できるの?電子化のメリットは?」
「社内回覧を電子化する具体的な方法を知りたい」
社内回覧について、このようにお悩みの方はいませんか?
社内回覧を電子化することにより、業務効率化やコスト削減、情報セキュリティの強化といったメリットを受けられます。しかし、メリットや具体的な方法について、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、社内回覧を紙のまま行うデメリットや、電子化するメリット、具体的な電子化方法や、おすすめの電子化サービスについて分かりやすく解説します。
社内回覧は電子化すべき?紙の回覧がもつデメリット3つ
ペーパーレス化の波を受けて、契約書や納品書などの電子化を推進している会社であっても、社内回覧は今も紙ベースで行っているという会社も多いと思います。
しかし実は紙の社内回覧には、以下に紹介するように主に5つのデメリットがあります。
デメリット1.情報共有に時間がかかる
物理的な紙の回覧による情報共有は時間がかかり、また、社員の不在や他部署への配達等でさらなる遅延が生じることもあります。
これでは新しい情報を迅速に共有するビジネスニーズに対応できず、情報の流通が遅くなり、ビジネスの機動性を損なう結果に繋がります。
特に、リモートワークやテレワークが一般化する現代において、物理的な書類の配達が難しい、または不可能な場合には情報共有の遅延は避けられず、企業の生産性や効率性に大きな影響を及ぼす可能性があります。
デメリット2.情報の鮮度が下がる
物理的な紙の回覧による情報共有は時間がかかることから、その間に情報が古くなり、情報がもつ価値が低下する可能性があります。
現代のビジネスでは迅速な行動が求められるため、情報の鮮度低下は組織の適応力や意思決定力にネガティブな影響を及ぼします。
また紙の回覧では、新しい情報が入った場合に配布済みの書類を回収し、新たな情報を加え再配布するという非効率的な作業が必要となり、情報の鮮度を保つための追加の手間が発生します。
デメリット3.紙の管理にコストがかかる
紙の回覧は、情報共有だけでなく保管と管理のコストも発生させ、企業の負担となります。大量の書類を保管するためには専用のスペースやファイリングシステムが必要で、整理や検索にも時間と労力がかかります。
これらは全て無駄なコストとなり、企業の生産性を低下させます。さらに、紙の書類は情報の紛失や破損のリスクもあり、これらの問題を対処するための追加のコストも必要です。
社内回覧を電子化するメリット5つ
社内回覧の電子化には、いくつもメリットがあります。
現代のビジネス環境では情報の即時性や業務効率化が求められますが、社内回覧を電子化することで大きな前進ができるでしょう。
メリット1.業務効率化と生産性向上
社内回覧の電子化は業務効率化と生産性向上に寄与します。
電子化により、情報の共有は素早く返信もリアルタイムに可能となり、業務のスピードが向上します。
デジタル情報はすぐに検索・アクセスできるため、特に大量の情報を扱う現代ビジネスにおいて利点となるでしょう。また、紙の社内回覧の作成・管理にかかっていた時間と労力を節約し、リソースを他の重要な業務に集中させることができます。
デジタルガバナンスコードとは?2.0や実践の手引き2.0の内容を解説
メリット2.コスト削減
社内回覧の電子化により、印刷、配送、保管などに伴うコストや、消耗品の購入費用を削減できます。
物理的な書類の配送や保管コストも大幅に減少し、オフィススペースをより効率的に利用することが可能になります。加えて、印刷にかかる時間と労力や、情報の紛失や破損のリスクと、それらから生じるコストも減少します。
メリット3.環境への負担軽減
社内回覧の電子化は、紙の使用量を削減し、自然資源の消費と環境負荷を抑えることで環境保護に寄与します。
具体的には、紙製品の生産や廃棄に伴う森林破壊、排水問題、ガス排出などの問題を軽減でき、また廃棄物の増加も抑制できます。
さらに、ぺーパーレス化は企業のCSR活動としてアピールできるため、SDGs活動に力を入れているということで企業のイメージ向上にもつながります。
メリット4.情報セキュリティの強化
社内回覧の電子化は、情報セキュリティの強化にもつながります。
物理的な書類は、紛失・盗難・不適切な廃棄などのリスクがありますが、デジタルデータはパスワードや暗号化を利用して保護可能であり、情報の流出や紛失リスクを大幅に減らすことができます。
また、データのアクセス履歴の記録により不正アクセスを迅速に検知でき、定期的なバックアップで重要な情報の紛失を防ぐことも可能です。
メリット5.リモートワークへの対応
リモートワークの増加に伴い、社内回覧の電子化は生産性維持と労働力の柔軟性向上に必要不可欠な施策となりました。
電子化により社内回覧はいつでも・どこからでも・同じ内容にアクセスできるようになるため、リモートワーカーとオフィスワーカー間の情報非対称性を解消できます。
また、電子化はリモートワーカーの社内情報への投稿やフィードバックを容易にし、ワーカー自身のペースで情報を処理することを可能にします。
社内回覧を電子化する方法3つ
ここまでは、紙の社内回覧を利用するデメリットと、電子社内回覧のメリットを解説しました。
社内回覧を電子化する方法にはいくつか種類がありますが、ここでは代表的な方法を3つ紹介します。
方法1.メールやチャットで共有する
社内回覧の電子化の一つの方法として、メールやチャットツールを利用する方法があります。既存のデジタルコミュニケーションツールを利用して簡単に実装できるため、コストをかけずに始めることが可能です。
メールを使えば、文書やデータを添付ファイルとして送信し、全社員や特定のグループに一斉に情報を配信することができます。また、メールの履歴管理機能を使えば、どの情報がいつ配信されたかを確認することも容易です。
しかし、メールの場合、受信トレイが混雑していると情報が見逃される可能性があるため、重要な情報はフォローアップが必要かもしれません。
一方、チャットツールを使用すると、よりリアルタイムな情報共有が可能です。
また、チャットツールでは、スレッドやチャンネルを使って情報をカテゴリ別に整理することもできます。特に、SlackやMicrosoft Teamsのような企業向けチャットツールは、情報管理機能が充実しており、社内回覧の電子化に適しています。
ただし、メールやチャットツールを使う場合、情報が適切に管理されていることを確認し、プライバシーやセキュリティに配慮する必要があります。
また、情報の過剰な流通を防ぐため、情報の重要度や配信タイミングについても考慮することが求められます。
方法2.自社でクラウドシステムを構築する
社内回覧の電子化には、自社でのクラウドシステム構築も効果的です。
自社でシステムを構築するためには、サーバー設定やデータベース設計など専門的な知識をもつIT部門が必要ですが、具体的なニーズに応じたシステムの設計や厳しいセキュリティ要件へ対応できるなどの利点があります。
また、自社でシステムを構築・管理することにより、組織全体のITリテラシー向上やデジタルトランスフォーメーション推進にも繋がります。
ただし、コストとリソースが必要なため、組織のニーズとリソース、長期的なIT戦略とのバランスを考慮することが必要です。
方法3.専門のクラウドサービスを利用する
現代のデジタル化の波に乗って、数多くの専門的なクラウドサービスが社内回覧の電子化を支援しています。これらのサービスは、社内の情報共有を効率化し、組織全体のコミュニケーションを改善するための多くの機能を提供しています。
クラウドサービスを利用する最大の利点は、即座に始めることができる点です。自社でシステムをゼロから構築する必要がないため、時間とコストを大幅に節約できます。
また、これらのサービスは通常、使いやすいユーザーインターフェイスと強力な機能を提供し、ユーザーがすぐに使いこなせるように設計されています。
さらに、多くのクラウドサービスは、セキュリティ対策を徹底的に行っています。情報の暗号化、アクセス権限の設定、データバックアップなど、企業が必要とする多くのセキュリティ機能が提供されています。
そのため、情報セキュリティの専門知識がなくても、安全に情報共有を行うことが可能です。
一方で、クラウドサービスを利用する際は、サービス提供者の信頼性を確認し、サービスの契約内容やプライバシーポリシーを十分に理解することが重要です。
また、従業員が新しいシステムを使いこなせるように、適切なトレーニングとサポートを提供することも必要となります。
まとめ
社内回覧の電子化は、今日のビジネス環境で求められる即時性と効率性を実現するための重要な手段となっています。
紙の回覧がもつ主なデメリットとして、情報共有に時間がかかる、情報の鮮度が下がる、管理にコストがかかるという点が挙げられます。
これに対し、電子化のメリットとして、業務効率化と生産性向上、コスト削減、環境への負担軽減、情報セキュリティの強化、リモートワークへの対応などがあります。
電子化がもたらすメリットは、ビジネスの効率性と競争力を高めるために必要な要素であり、電子化はそれを可能にするものです。
社内回覧を電子化する方法としては、メールやチャットで情報を共有する、自社でクラウドシステムを構築する、専門のクラウドサービスを利用するといった手段があります。
社内回覧の電子化は、企業がよりフレキシブルかつ効率的に業務を遂行するための基盤を提供するものです。したがって、電子化は現代のビジネスにおいて必須ともいえるでしょう。