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ノウハウ RPAとは? ツールの選び方やメリットとRPA活用事例

更新日:2024年10月17日

投稿日:2021年10月22日

RPAとは? ツールの選び方やメリットとRPA活用事例

RPAとは? ツールの選び方やメリットとRPA活用事例

近年、さまざまな産業で人材不足が深刻化しており、いかにして効率的な生産体制を構築するかが重要な経営課題となっています。そこで大きな注目を集めているのが、定型業務を自動化する「RPA」です。

本記事では、RPAの概要について詳しく解説するとともに、導入メリットや具体的な活用事例などをご紹介します。

 

 

そもそもRPAとは?

「RPA」とは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の頭文字をとった略称で、ルーチンワークに分類されるPC業務を自動化するソフトウェアです。ロボティック・プロセス・オートメーションと聞くと、多くの方は製造現場を自動化する産業用ロボットをイメージするかもしれません。

しかし、RPAが自動化するのは製造や建設といった労働分野ではなく、オフィスワークや事務作業などの領域です。たとえば、請求書の作成や伝票の記帳、受注や発注の処理など、PC上で実行される定型業務を定義されたルールに則って自動化します。コンピューター上で24時間休むことなく働き続けることから、「デジタルレイバー(仮想知的労働者)」とも呼ばれます。

RPAをわかりやすく例えるなら、Excelの「マクロ」です。マクロは操作を記録して自動処理する機能であり、Excelの作業を大幅に効率化します。しかし、当然ながらマクロによる自動処理はExcel内でしか利用できません。RPAはExcelのマクロのような自動処理を、ブラウザやアプリケーションを横断して実行できるソリューションです。

RPAとAIの違いとは?

RPAとAIの相違点は、「自己学習能力」と「自律的思考」の有無です。RPAとAIは、どちらも「オートメーション化」に特化したソリューションですが、この2つは似て非なる機能を備えています。AIは機械学習とディープラーニングによって自律的に学習し、主体的な判断や分析を実行する技術です。一方、RPAは入力されたプログラムに則って、他律的に定型業務を自動化します。

AIは自律的に物事や言語の意味を分析して、頭脳領域の業務をオートメーション化しますが、RPAでは決められた手順の自動化しかできません。つまり、AIは高度な「頭脳」の代替システムであり、RPAはPC業務における「手作業」の代替システムといえます。このように比較するとRPAが劣っているように思われるかもしれませんが、求められる役割や得意分野が異なるというのが正しい認識です。

より高度な自動処理を求める場合は、RPAとAIの技術を融合させた「EPA(Enhanced Process Automation)」が用いられます。EPAはRPAの第2段階といえるシステムで、非構造化データの読み取りや一部非定型業務の自動化が可能です。さらに、RPAの第3段階は「CA(Cognitive Automation)」と呼ばれ、ビッグデータ分析や自然言語処理などにより意思決定の領域を自動化します。しかし、EPAは少しずつ普及しているものの、CAは実用化には至っていません。

RPAが近年注目されている理由とは?

近年、RPAは非常に大きな注目を集めており、大企業・中小企業を問わず導入が進んでいます。では、なぜ今RPAがさまざまな業界で注目を集めているのでしょうか。その背景には以下4つの要素が大きく関わっています。

・深刻な人材不足
・働き方改革の推進
・労働生産性の低下
・スマート自治体の台頭

深刻な人材不足

日本の総人口は2008年の1億2,808万人をピークに下降の一途を辿っており、さらに人口に占める高齢化率の割合も28.7%と、先進諸国の中で最も高い水準となっています。このような社会的背景も相まって、さまざまな産業で深刻化しているのが人材不足です。政府も女性の社会進出や外国人労働者の受け入れといった施策を進めていますが、これらの取り組みが成果として現れるまでには相応の時間を要します。



少子高齢化に伴って生産年齢人口の減少が進み、人材不足が深刻化するなか、企業が業績を向上させるためには、いかにして業務プロセスを効率化するかが重要な課題です。そのためには、成果に直結するコア業務に注力し、ルーチンワークのようなノンコア業務を効率化・自動化する仕組みを構築しなくてはなりません。このような背景から、定型業務を自動化し、業務効率の向上に寄与するRPAが大きな注目を集めているのです。

働き方改革の推進

2019年4月1日に「働き方改革関連法」が施行されたことで、日本の企業は今、労働環境の抜本的な改革が求められています。これにより長時間労働の是正や残業規制などが進むなか、企業が業績を伸ばすためには、最少の労働投入量で最大の成果を生み出す仕組みを構築しなくてはなりません。このような背景から、より効率的な生産体制の構築を目的として、RPAの導入が進んでいます。

労働生産性の低下

日本人は非常に勤労意識が高く、滅私奉公の精神で企業に尽くすのを美徳とする傾向にあります。このような国民性も相まって、日本は世界的に見て長時間労働の割合が高い国です。

 

しかし、日本生産性本部の調査によると、日本の就業者1人当たりの労働生産性はOECD加盟37ヵ国中26位となっています。長時間労働の常態化が労働生産性の低下を招く一因となっているため、より効率的な業務体制を整備すべくRPAの導入が求められているのです。
(参考:公益財団法人 日本生産性本部 ⅠOECD諸国の労働生産性の国際比較

スマート自治体の台頭

労働力不足が深刻化しているのは地方自治体も例外ではなく、なかでも注目されているのが「スマート自治体」です。スマート自治体とは、RPAやAIなどを活用し、事務処理の自動化やサービス提供の効率化を図る自治体を指します。日本の高齢者人口がピークを迎えるとされる「2040年問題」に備え、運用体制の合理化や業務の効率化が求められるため、官民の双方からRPAが必要とされているのです。

RPAツール導入のメリッ

RPAは人間の代わりに定形業務をこなしてくれる自動化ツールであり、さまざまなメリットを企業にもたらします。ここからは、RPAを導入することで得られる具体的なメリットについて見ていきましょう。主なメリットとして挙げられる要素は以下の5つです。

・人件費の削減
・ミスの低減
・スピーディーな業務処理
・コア業務に専念可能
・小規模単位から導入可能

人件費の削減

RPAの導入によって得られる大きなメリットのひとつが、人件費の削減です。RPAを導入することで、思考や判断を必要としない単純作業を自動化できるため、より少ない人的資源の投入量で同等以上の成果が期待できます。さらに、RPAは法定労働時間の制約を受けることなく、24時間連続で稼動し続けられるシステムです。そのため、組織全体における業務効率を向上しつつ、人件費の削減に寄与します。

ミスの低減

RPAは、AIのように自律的な判断や分析はできませんが、プログラムされたアクションを忠実に実行します。そのため、伝票の入力ミスや数値集計の計算ミスといったヒューマンエラーを防止できる点が大きなメリットです。ヒューマンエラーが発生する可能性を限りなくゼロに抑えられるため、作業のチェックやフォローが不要となり、人為的ミスを削減するとともに業務効率と生産性の向上に貢献します。

スピーディーな業務処理

組織の生産性を高めるためには、いかにして一つひとつの業務プロセスを迅速化するかが重要なポイントです。RPAは入力作業や集計業務、定型文によるメール返信など、同じプロセスを繰り返す作業を迅速かつ正確に自動処理します。人間の手作業に比べて圧倒的にスピーディーな処理が可能であり、24時間365日稼働できるため、大幅な生産性向上が期待できます。

コア業務に専念可能

企業が発展していくためには、売上や利益の向上に直結するコア業務にリソースを投入しなくてはなりません。生産性は「産出量(output)÷投入量(input)」という数式で算出される指標であり、より多くの成果を生み出すためには、コア業務に人的資源を集中する必要があります。単純作業や定型業務などのノンコア業務を自動化し、コア業務に経営資源を投入できる点がRPAの導入メリットです。

小規模単位から導入可能

RPAには、PCにインストールする「デスクトップ型」や物理サーバーで稼働する「サーバー型」、SaaSとして提供される「クラウド型」など、さまざまな種類があります。比較的導入しやすいソリューションも多くあり、自社の企業規模や事業形態に合わせて小規模単位からの導入も可能です。たとえば、経理部や人事部などの定形業務が多い間接部門から導入し、スモールスタートを前提に進めれば低リスクで運用できます。

RPAツール導入のデメリット

どのような物事にも、メリットの裏には必ず相応のデメリットが存在します。企業にさまざまな恩恵をもたらすRPAも同様で、メリットばかりではありません。ここからは、RPAの導入によって起こり得るデメリットについて解説していきます。具体的には、以下の3つが主なデメリットとして挙げられます。

・ロボットが停止してしまう可能性
・情報漏えいの可能性
・業務のブラックボックス化

ロボットが停止してしまう可能性

RPAの利用に際しては、PCやサーバーに高負荷がかかり、システムがダウンする可能性があります。また、クラウド型のRPAでは、サービス事業者のシステム障害やバグによって運用が停止するリスクも懸念されます。システムがダウンするタイミングによっては、データの破損や損失をも招きかねません。したがって、RPAを導入する際は、相応のITインフラを整備するとともにバックパック体制も構築する必要があります。

情報漏えいの可能性

RPAは情報系システムだけでなく、財務や会計などの機密情報を管理する基幹系システムとも連携するため、セキュリティインシデントが発生した場合の損失は計り知れません。また、24時間稼働し続けるという特性から、内部の不正によって情報が流出するリスクも懸念されます。RPAを導入する際は、データ管理におけるルールとそれを遵守する体制を構築し、堅牢なセキュリティを確保しなくてはなりません。

業務のブラックボックス化

RPAは、業務のブラックボックス化を招く危険性があります。自動化されている業務に関する知見が蓄積されなくなるため、RPAに障害やバグが発生した場合、誰も対応できないといった事態に陥りかねません。また、ITシステムの刷新や事業計画の変更などにより、業務プロセスの見直しが必要になった際の対応も困難になります。したがって、このような事態の発生を想定したマニュアルを作成するなどの対策が必要です。

RPAが得意とする業務

ここからは、RPAがどのような業務を自動化できるのかについて解説していきます。RPAが得意とするのは、主に以下のような業務領域の自動化です。

手順が決まっているルーチン業務

RPAが最も得意とするのが、手順が明確化されているルーチンワークの自動化です。たとえば、請求書の処理やメールの自動振り分け、システム間のデータ移行や特定ファイルのグラフ化、定型レポートの作成や経費精算などが挙げられます。このようなルールや手順が定められている定型業務であれば、ミスなく24時間稼働し続けることが可能です。

データの収集・分析業務

データドリブンやデータインフォームドなどのデータ分析は、情報の収集・加工・分析という3つのプロセスによって実行されます。RPAをデータ分析に用いることで、情報の収集・加工の自動化が可能です。たとえば、統合基幹業務システムと連携して財務や会計、生産や販売などのデータを収集し、カテゴリーごとに構造化したり定型レポートを作成したりといったプロセスを自動化できます。

複数のツールやアプリを横断した業務

冒頭で述べたように、RPAはExcelのマクロ機能を全システムに適用できるソリューションといえます。たとえば、メールに添付されたExcelデータを経理部の基幹システムに転送したり、Webブラウザから収集した情報を構造化して保管したりするなど、アプリケーションやブラウザを横断した業務の自動化が可能です。

電話・メール対応のサポート業務

電話やメールの対応といったサポート業務の自動化も、RPAの得意分野です。一例を挙げるなら、RPAをコールセンターに導入することで、着信番号から顧客情報を抽出し、オペレーターに提示するという使い方ができます。定型文による返信で対応可能なメールの問い合わせであれば、特定のフォルダに格納されたメールに対して、事前に設定した文章を自動送付することも可能です。

RPAツール導入のポイントや注意点

オフィスワークをサポートする優れたソリューションとして注目を集めているRPAですが、導入の際はいくつか注意すべきポイントがあります。ここからは、RPAを導入するうえで押さえておきたいポイントについて見ていきましょう。

自動化する業務の洗い出し

RPAの導入前に必ず実施しなくてはならないのが、自動化する業務の洗い出しです。RPAは定義された業務プロセスを自動化するツールであり、自律的な判断が求められる業務領域への対応は不可能です。それゆえRPAの運用効率を最大化するためには、人の判断を必要としない定型業務を洗い出して明確化する必要があります。RPAを導入する際は、事前に現場の声を拾い上げ、定型業務の明確化と業務プロセスの具体化を実施しておきましょう。

運用ルールの整備

RPAは、コーディング不要で比較的簡単に定型業務を自動化するプログラムを構築可能です。しかし、設定難易度の低さゆえに自動化プログラムが乱立し、管理が困難になるという事態に陥りかねません。したがって、RPAの導入前にアクセス権限管理や職務分掌といった運用ルールを整備しておく必要があります。運用ルールをマニュアル化し、データガバナンスを整えることで、セキュリティ強化や業務のブラックボックス化の防止につながります。

業務に適したRPAツールの選定

RPAを導入するうえで重要なポイントのひとつが、自社に適したソリューションを選定することです。RPAはMicrosoft社やRPAホールディングスなど、多くの企業が製品をリリースしており、機能やサポート体制もさまざまです。また製品の価格帯が幅広く、オンプレミスやクラウドなどの利用形態によって、導入費用や管理コストも大きく異なります。企業によって求められる機能要件が異なるため、予算を考慮しつつ、自社の事業形態やシステム環境に適した製品を選定しなくてはなりません。

まずはスモールスタートから

RPAは月額数千円で利用できる製品もありますが、基本的には年間数十万円~数百万円のコストを必要とするシステムです。そのため、導入当初から全社的にシステムを導入するのはおすすめできません。スタートから大きなコストをかけて運用に失敗する事例も少なくないため、まずは経理や人事などの一部門からスタートし、徐々に拡大していくという運用が推奨されます。

部門別のRPA化事例

ここからは、部門別にRPAの活用事例をご紹介します。「経理部門」「営業部門」「人事・総務部門」「コールセンター」で、RPAが実際にどのように活用されているのかを見ていきましょう。

経理部門

事業活動の利益や資産の動きを管理する経理部門は、定型業務の多い部署です。たとえば、売掛金や買掛金の処理、会計ソフトへの仕訳入力や請求書の作成、入金データの照合や経費精算など、手順の定まっている業務や単純な処理作業が多い傾向にあります。このような転記や集計・出力、確認作業は単調でありながらもミスが許されず、従業員のモチベーション維持が難しい業務です。RPAの導入によって、伝票の転記や仕訳入力、帳票作成や入出金管理などを自動化できれば、業務効率化とともに従業員のモチベーション向上が期待できます。

営業部門

営業部門は新規顧客の開拓や既存顧客への対応などが主な業務であり、RPAの領域外と思われるかもしれません。しかし実際は、見積書の作成や顧客へのメール対応、在庫や納期の確認作業など、さまざまな定型業務が発生する部署です。こうした書類の作成業務やメール処理などをRPAで自動化することで、営業活動により多くの人的資源を投入可能になります。つまり、営業部門におけるRPAの役割は、ノンコア業務を自動化し、コア業務にリソースを投入できる体制を構築することといえるでしょう。

人事・総務部門

従業員の給与計算や労務管理を担う人事部門や、社内文書の作成や備品調達などを担当する総務部門も、定型業務の多い部署です。たとえば、人事・総務の領域にRPAを導入することで、出退勤データを管理して残業の多い従業員を抽出したり、履歴書を自動で読み取ってデータ化したりといった業務の自動化が可能です。そのほかにも、人件費の増減や年休消化状況のレポート化、コンプライアンスチェックなどを自動化できるため、業務負担の軽減と人件費の削減につながります。

コールセンター

コールセンターは企業と顧客の架け橋となる重要部門でありながら、離職率が高く人材不足に陥りやすい部署です。RPAはクレーム対応履歴の記録転記やメール対応の履歴転記、通話記録のフォルダ分けや問い合わせ件数の入力など、さまざまな定型業務を自動化し、オペレーターの業務負担を軽減します。コールセンターのオペレーターは日々クレーム対応に追われ、ストレスの多い過酷な仕事です。RPAの導入によりオペレーターの工数を削減できれば、業務効率や応対品質の向上とともに離職率の改善も期待できます。

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