「もう以前のやり方には戻れない」ContractS CLMで契約業務の効率化と品質向上を実現
TOPICS
・コミュニケーションが全てメールで行われ、案件単位のステータスが分かりづらい
・契約書ごとに承認申請方法が異なり、業務が煩雑化
・契約書の全文検索や関連契約書の紐づけができず、法務担当が手作業で対応
導入のきっかけ
・少人数の法務で膨大な案件を管理することに限界を感じていた
・経営層から「契約業務のステータスが分かりにくい」との指摘があり、一元管理を模索
・親会社が「ContractS CLM」を導入しており、活用を検討
効果
・契約関連のコミュニケーションや承認申請を「ContractS CLM」に集約し、一元管理を実現
・手動で行っていた契約書の期限アラートをシステムで自動化し、負担を削減
・全契約書をデータベース化し、過去の契約書の検索性が向上、業務の効率アップ
再生医療等製品を世界へ届ける、グローバルCDMO
―事業の特徴と業務について教えてください。
中村様:当社グループは米国(北米)・欧州(ドイツ)・アジア(日本)に拠点を構える、再生医療等製品に特化した世界有数の医薬品製造受託機関(CDMO)です。世界中の病気に苦しむ方々へ向けた再生医療等製品の普及に貢献することをビジョンに掲げ、各拠点の最先端施設で画期的な再生医療等製品を製薬企業やベンチャー企業に代わって、プロセス開発および製造を行っています。
海外へのアクセスに便利な横浜に拠点を置き、アジア全体を統括する弊社は日立化成株式会社(現株式会社レゾナック)の再生医療事業部として2018年に操業を開始、2021年に分社化して現在に至ります。私が所属する事業開発部では新規顧客の獲得、既存顧客のプロジェクト運用を担っており、業務遂行の過程で様々な契約書が発生することになります。
堀口様:法務はVP of Finance直下にあり、現在2名体制で契約関連業務を担当。契約書の起案及びレビューをはじめ、知財管理や輸出管理など幅広い業務を手がけています。発生する契約書は月に約20件、再生医療事業部以来の累計契約数は1500件を超えています。
メールでの依頼・承認申請が煩雑化。進捗の可視化が急務に
―これまでの課題は?
堀口様:契約プロセスが統一されておらず、業務が煩雑になっていました。コミュニケーションがすべてメールベースで行われていたため、案件ごとの進捗が分かりにくく、契約書の承認申請方法もメールやワークフローなどバラバラで統一性がありませんでした。
また、契約書の全文検索ができず、関連する契約書の紐づけも不可能なため、法務が都度手作業で対応する必要がありました。契約更新のアラートもエクセルで管理し、手動で確認・通知していたため、1000件を超える契約を一人で管理することに限界を感じていました。
そんな中、上層部から「契約業務のステータスが分かりにくいので、一元管理できないか」との要望がありました。ちょうどその頃、親会社が「ContractS CLM」を導入すると聞き、当社でも同様の課題解決ができるのではと考え、導入を決定しました。
契約業務を「ContractS CLM」に完全移行。検索性と進捗管理が向上
―「ContractS CLM」の導入経緯と活用方法について教えてください
堀口様: 親会社からの紹介を受け、2023年9月より少人数法務でトライアル運用を開始しました。約3カ月間のトライアル運用の中で、過去の契約書データもすべて「ContractS CLM」へ移行。2024年1月からは本格導入を進め、現在では約50名がアカウントを取得し、社内の契約関連のやり取りは100%「ContractS CLM」に集約されました。
導入にあたっては、標準のマニュアルを自社の業務に適した形にカスタマイズし、説明会を実施しました。システムの活用方法を浸透させるため、問い合わせ窓口は法務が対応しました。その結果、大きな混乱はなく、比較的スムーズに移行が進みました。一部では、従来のメールでの依頼が発生することもありましたが、法務側で「ContractS CLM」への移行を徹底しました。2025年1月には、親会社との資本関係の解消に伴い、弊社単独で「ContractS CLM」を契約し、現在に至ります。契約業務の一元管理が実現したことで、これまでの課題はすべて解決。ユーザーアンケートでも高い評価を得ており、「以前の契約フローに戻したい」という声は一切ありませんでした。
中村様:マニュアルの完成度が高く、事業開発部のメンバーもスムーズに活用できています。アラート機能で進捗管理も簡単になりました。
松本様:医薬品製造受託機関(CDMO)において契約業務は非常に重要です。
契約書の振り返りや過去の事例を参照することも多いため、契約書の検索性が向上したことは業務の効率化に大きく貢献しています。
契約検索時間を3分の1に短縮!業務効率と正確性が飛躍的に向上
―「ContractS CLM」導入後の効果は?
堀口様:「ContractS CLM」の導入により、契約書のライフサイクル管理が確立された一連の取り組みが評価され、社内褒賞を受賞しました。VP of Financeからも「もう以前のオペレーションには戻れない。ContractS CLMの成功事例を全社的に参考にしたい」と高い評価を得ています。
契約関連のコミュニケーションや承認申請がすべて「ContractS CLM」に集約されたことで、契約業務の一元化が実現しました。さらに、契約書の紐づけ機能やOCR機能の活用により、全文検索も可能に。特に検索時間の短縮と業務効率の向上は、導入の大きな成果の一つです。例えば、「●●条項を含む契約書をすべてリスト化し、PDFデータとともに提出する」といった依頼に対し、導入前は目視確認で3日ほどかかっていた作業が、OCR機能を活用することで1日で完了できるようになりました。そのスピード感には、社外で法務を担当する友人も驚いています。
また、導入前は2~3ヶ月に1度、手動で行っていた契約期限アラートの発信が、システム上で自動化されたことで手間がゼロに。契約業務のスピード化が実現しただけでなく、ミスなく確実に管理できるようになりました。現在、法務は2名体制ですが、依頼や進捗の共有がシステム上で容易に行えるため、業務の分担がしやすく、滞りなく進めることができています。
今後、リーガルテックだけでなく、契約関連以外のシステムとも連携が進めば、さらに利便性が向上すると期待しています。「ContractS CLM」の進化を楽しみにしながら、今後も活用を深めていきたいと考えています。