統合新会社の誕生を機に契約業務を「ContractS CLM」へ。 契約レビュープロセスの煩雑化と属人化を解消。
TOPICS
・2つの会社が統合するにあたり、契約レビューのフローをどのように最適化するかが課題に
・統合前の両社の契約フローが異なっていたため、それぞれ違った課題も存在していた
導入のきっかけ
・統合に向けた活動を進める過程で、契約レビューを依頼する担当者側の立場で考えても
プロセスを統一するのがベストという結論に
効果
・契約レビュープロセスの統一、案件の可視化を実現
・契約業務の作業効率のアップ、属人化の解消
“化学の力で社会を変える”統合新会社が誕生。
互いのシナジーを発揮してイノベーションを起こす。
―事業の特徴と担当する業務について教えてください。
吉田様:昭和電工株式会社と昭和電工マテリアルズ株式会社(旧日立化成株式会社)が統合し、2023年1月、統合新会社「レゾナック」が誕生しました。石油化学事業、黒鉛電極事業、機能性材料事業など、安定的に収益を稼げる事業を有する昭和電工と、半導体材料事業や自動車材料事業など成長の期待される事業に強みを持っている昭和電工マテリアルズが統合することで、原料・素材を設計する川上から、組み立て・混ぜて製品にする川下まで、一気通貫で提供できる体制が整いました。
「化学の力で社会を変える」をパーパス(存在意義)に掲げ、統合新会社の誕生を「第二の創業」と位置づけ、世界トップクラスの機能性材料メーカーを目指してさらなる変革を進めています。
菊留様・三宅様:知的財産部は会社統合によって全体で100名弱の組織に。我々3名は知的財産部のIPリーガルグループに所属しており、契約レビューだけでなく、特許・商標・著作権等の知財戦略の立案、知財に関する第三者との係争や交渉、社内の知財関連相談窓口など多岐に渡る業務を担当しております。
契約業務の煩雑化と属人化。互いの会社で発生していた、契約にまつわる異なる課題。
―これまでの課題は?
三宅様:2つの会社が統合するにあたり、契約業務をどのように統合していくべきかが課題でした。これまでは両社とも独自の仕組みやフローで業務遂行していたため、それぞれ異なる課題感を抱えていました。
旧昭和電工では契約依頼時から完了まで、書類に記入・捺印・確認する作業が都度多く発生。作業が煩雑化していたので、もっと円滑に効率化を図れればと考えていました。
菊留様:一方で旧日立化成側の課題は、担当者間でメールという契約依頼フローだったため、属人化が起こりやすいという点です。全体にナレッジの共有がされず、担当者不在時は業務の進捗も分からないというケースも。件数が増えれば増えるほど契約管理の把握は難しく、案件の可視化も困難な状況に陥ってしまいます。
吉田様:統合に向けた活動を進める過程で、契約レビューを依頼する担当者側の立場で考えてもプロセスを統一するのがベストではないかと。さらに両社とも契約業務において何らかの課題を感じているのが現状で、どちらかのやり方に揃えるのではなく、新しい契約管理フローを導入すべきという考えに至りました。この統合のタイミングが変革のチャンス。理想の仕組みを求めて本格的に解決へと動き出しました。
「ContractS CLM」で両社の課題解決へ。
新会社誕生を機に契約レビュープロセスを一本化。
―「ContractS CLM」の導入の決め手を教えてください
吉田様:新しい契約管理システム導入にあたり、①既存の社内ITインフラ基盤のテンプレートを利用する、②外部ベンダーが提供するシステムを活用する、③知的財産部の独自システムに新機能として開発して搭載する、の3パターンで検討を始めました。結果、自社の業務に合わせて独自に仕組みを構築するよりも、契約業務に最適化された仕組みを取り入れ、業務をその仕組みに寄せるのがベストという結論に至り、外部ベンダーのシステム導入を本格的に検討することに。広く情報収集を実施し、複数社のシステムを比較検討させていただきました。
菊留様:そんな中で出会ったうちの一つが「ContractS CLM」です。製品のデモンストレーションを受けた瞬間、目指すべき姿に一番近いと感じた点は、他のメンバーも満場一致。契約にまつわる課題解消、契約レビュープロセスの統一、案件の可視化…導入にあたり最も重要視する点を叶えてくれる理想のツールだと思いました。また、Contact社のご担当者がスピーディーかつ的確な回答をくださって、非常に親身になって協力してくれた点も大きいです。一緒に新たな挑戦をしてみたいと思えたことも決め手になりましたね。
三宅様:機能面の希望もリスト化していたのですが、ほぼ叶えられそうだなと。SaaS型で今後さらなる進化も見込めるため大変魅力に感じました。
菊留様:導入の意思を固めた後の社内稟議については会社全体で実施されていた統合プロジェクトの一環として承認されたため、比較的スムーズでした。異なる2社が統合にあたって契約レビュープロセスを一本化する—―この背景があったからこそ、大きく変えやすかったというのもあるかと思います。
吉田様:とはいえ、導入にあたっては若干の懸念点もありました。例えば、これまではメールでフランクに依頼ができていたのに、システムにログインして依頼しなければならないという点。依頼者は抵抗感があるかなと。ところがそれは今のところ杞憂で、社内からそのような苦情は来ておらず、依頼者からも好評の声が多いです。
契約管理の可視化で作業効率がアップ!進捗状況の共有で属人化の解消も。
―「ContractS CLM」導入後の効果は?
吉田様:統合新会社設立のタイミングに併せて、知的財産部と、同じCTO組織のうち一部の部署を対象に、まずはスモールスタートで2023年1月に導入を開始しました。計画では2024年1月から全社展開する予定です。
菊留様:導入にあたっては社内ユーザー向けにマニュアルを作成し勉強会を実施。個別の案件については相談を受けながら運用しています。まだ始まったばかりなのでこちらも探りながら進んでいるところです。
三宅様:導入後の効果ですが、全ての契約案件がひとつのシステムに集約されて可視化できるので、ストレスがないです。これまでは個別にメールでの依頼案件を地道に探したり、手元のメモ帳で要件を控えたり、Excelで進捗管理を行っていたため効率が非常に悪かったのですが、ダッシュボードで進捗状況が一目瞭然に。作業効率は格段にアップしましたね。実際に使用する現場からも喜びの声が多く聞かれます。
菊留様:旧日立化成側の課題として挙がっていた、ナレッジの共有については今後どのように有効活用していくかさらに検討する必要があると考えています。ただ、担当者間のメールベースでの依頼から「ContractS CLM」に集約することで、メンバー間の情報共有が容易になり、かつ各担当者がどのくらいの案件を抱えているかが定量的に把握できるようになったことは非常に意味がある。ナレッジ活用の第一歩だなと思います。
吉田様:契約レビュー依頼から管理まで全て一つのサービスで行えることで契約の可視化が実現、それぞれに抱えていた課題が解消されつつあります。ひとつの契約完了までにかかっていた作業の時間短縮も大きい。業務効率化に繋がっています。今はまだ過渡期なので、将来的に「契約」といえば「ContractS CLM」という社内認知を更に高めていきたい。契約管理を一元化するシステムの価値を認知してもらった上でより広く有効に利用してもらえるとよいなと思います。SaaS型システムならではの、今後の進化も楽しみにしています。